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転職経験あり! 仕事人たちのストーリー 第4回

NASAで宇宙開発事業に携わりたい! 壮大な夢に向かってキャリアアップ

2006年07月27日 00時00分更新

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須藤友慈氏(27) 比較.com マネージャー

須藤友慈氏(27)
比較.com マネージャー

ユーザーがさまざまな商品やサービスを比較・検討できるWebサイトを運営する比較.com株式会社で、システムエンジニアを務める須藤友慈さん(27)。23歳でIT業界に飛び込み、現在は旅行関連コンテンツの運営をしながら、ロボット型比較検索エンジンの開発や他社との業務提携にも携わっている。「システム開発だけでなく企画もやりたい」という好奇心が転職成功に結びついた須藤さんに、キャリアアップの秘訣を聞いた。

須藤さんの転職成功のポイント
・自分が「できること」と「やりたいこと」を具体的にアピールした
・自分の市場価値を客観的に判断した
・コンスタントにアイデアを出すためにアンテナを常に立てる

夢を実現するステップを考え スキル習得に適した就職先を選ぶ

 須藤さんは専門学校卒業後、第二種情報処理技術者(現在の基本情報技術者)の試験に合格し、業務用システムの開発会社に正社員として就職。大手電器メーカーに出向して、半導体やプリンタの生産に使用する機械のプログラミングを行なうことになった。須藤さんは、同社を選んだ理由を“壮大な野望”があったからと語る。

「実は僕、NASA(アメリカ航空宇宙局)で宇宙開発事業に携わることが子どもの頃からの夢なんです。そこで、大手メーカーに出入りしながら、プログラムに関する実務スキルを習得できる同社に入社しました。『これで夢に一歩近づく!』と思いましたね」

 メーカーに出向するという仕事柄か、須藤さんは生産機械以外の開発作業にも携わった。あるときは、中国の国営携帯電話会社の呼出音をメロディにするシステムの開発に携わり、日本だけでなく韓国やタイ、中国の技術者らと切磋琢磨する機会も得た。この上なくハードな現場ではあったが、だからこそ基礎を築けたと須藤さんは振り返る。

「当時まだ普及するかどうか分からなかったJavaのオープンソースフレームワーク『Struts』のテスト版を使って、作業をする毎日でした。この現場には僕ら同期入社の3人が配属されましたが、1年も経たないうちに他の2人は辞めてしまいました。要求されるレベルが高く、仕事量も多かったですからね。また、人間関係も複雑でした。現場で働く人たちは、20代から40代までと年齢がさまざまなら、国籍も職務も多種多様。でも、そうした環境の中で働くことで、仕事に対する考え方やコミュニケーションの図り方を学べたと思います」

 厳しくも学ぶことの多い環境で働くこと2年半。仕事を通じてWeb制作に興味を持った須藤さんに転機が訪れた。転職することになった先輩から「転職先でWeb制作事業部を立ち上げるので、一緒に来ないか?」と誘われたのだ。そろそろ転職をと考えていた須藤さんではあるが、その誘いに安易に飛びつくことはしなかった。転職先を決めるのは、現在の自分のスキルや知識について企業がどの程度の評価を下すのか、どの程度までIT業界で通用するレベルにあるのか、といったことを把握してからと考えたのだ。

 そこで須藤さんは、まず人材紹介会社に登録。ここで転職のためのカウンセリングやアドバイスを受けた結果、今の自分のアピールポイントは「最新の技術をプロジェクトに活用できる」「トラブルに臨機応変に対応できる」ことだと分かった。これを踏まえた上でさらに数社の面接に臨むうちに、自分が企業にどのように評価されるレベルなのか──自分の市場価値を客観的に判断できるようになっていった。そして結果的には「企画立案にも携われる」「Webで自社サービスを展開したいという青写真が自分の理想とマッチした」という理由から、前出の先輩の誘いに応じることにしたという。

自分の市場価値とアピールポイントを明確にし、具体的な企画案を持って面接に望んだ

 こうして須藤さんは、新しい会社でWebサイトの受託制作に携わることになった。彼が所属するWeb事業部は順調に業績を伸ばし、余力ができるようになったら自分たちで企画する自社サービスを立ち上げようと意気込んでいた。そんな矢先、会社が大手物流会社のグループに吸収されることに。Web事業部は独立して新たに会社組織となったが、経営基盤を整えるために当面はWebサイトの受託制作に専念することになり、自社サービスの話は先送りになった。須藤さんは「IT業界に入る年齢が遅かった自分には、再び同じ仕事を繰り返している時間ない」と考え、2度目の転職活動を開始した。

 須藤さんは転職活動を始めるにあたって、まず自分の能力を客観的に分析した。そして、コミュニティサイトからショッピングサイト、携帯電話のサイトまで、さまざまなジャンルのWebサイトの構築をひととおり経験していることをアピールポイントにしようと決めた。その上で転職情報サイトに登録し、スカウトメールや知人の紹介などを通じて5、6社の面接を受けた。

「面接に際して僕は、どんなWebサイトでも構築可能だとアピールするとともに、企画もやりたいという希望を伝えました。また、『入社したらこんなコンテンツを作りたい』『こういうサイトも可能ではないか』といった具体的なアイデアも持参しました。そうした転職活動を続ける中で、比較.comの面接時に渡邉哲男社長と検索エンジンの重要性の話で意気投合し、同社に入社することになりました」

 須藤さんは現在システムエンジニアとして、比較.comの旅行関連コンテンツを中心にサーバの準備からWebサイト運営までを受け持ちながら、ロボット型比較検索エンジンや社内の情報共有システムの開発なども行なっている。社内での業務だけでなく、営業担当者とともに企業を訪問することも多いというが、そんな仕事を「業務提携を進める際には、社内で作業しているだけでは分からない話が聞けて楽しい」と語る。

アイデアを搾る習慣とベンチャー意識を養う

 須藤さんが転職を考えたのは、仕事が同じことの繰り返しになりそうだと思ったときだという。キャリアアップは合理的に進めたいと考えたのだ。そこで自分の市場価値を客観的に判断し、面接で自分がやりたいことを明確にアピールするようした。そしてさらに自分がやりたいことを具体的に提案するため、常にアイデアを搾り出す習慣も身につけていったという。

「たとえスキルが未熟であっても、ベンチャー意識を持つことが大切。上司からの指示を待っているのではなく、先を読んで何ができるのか、何をやりたいのかと考えることです。僕は、会社をおもしろくするにはどうしたらいいか、というアイデアを生み出すため、常に好奇心のアンテナを立てていますよ。これはソフトバンクの孫正義社長の著書にあった発想法ですが、1枚につき1単語を書き込んだ“アイデアカード”を数十枚作り、そこから3枚を抜き取って、書かれている単語から仕事につながるアイデアを毎日1つ考えることを実践しています。また、サイバー・エージェントの藤田晋社長や楽天の三木谷浩史社長など、IT関連企業の社長が書いた本を通勤時間中に読んで、仕事の方法論の参考にしていますね」

 須藤さんは少年のように目を輝かせながら、「ベンチャー意識を持って会社を大きくしていけば、子どもの頃からの夢だった宇宙開発事業に手が届くかもしれない」と話す。比較.com株式会社は、社員の平均年齢が25歳前後という会社。若い世代が開発や営業の枠を超えてお互いのスキルやコミュニケーション能力を磨き上げ、今年2月には東証マザーズ上場までに会社を育てた。7月初頭に引っ越したばかりというピカピカのオフィスには、好奇心旺盛な社員が週に1人のペースで急増しているそうだ。「まだ少人数の会社だから、やりたいことがある人は今が入社するチャンスですよ」と須藤さん。

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