このページの本文へ

前へ 1 2 3 次へ

転職経験あり! 仕事人たちのストーリー 第19回

結局甘くないのが未経験転職。“ハケン”を利用して成功あるのみ!

2007年02月01日 00時00分更新

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

八鍬雄一さん(32)  テンプスタッフ・テクノロジー株式会社 ITエンジニア事業部

八鍬雄一さん(32)
 テンプスタッフ・テクノロジー株式会社
 ITエンジニア事業部

人材不足の影響で「未経験者可」の求人が増えているとはいえ、スキルが求められるIT業界で、未経験者が採用されるのは簡単なことではない。採用側としては、同じ土俵の経験者と未経験者なら、結局経験者を選ぶのが普通だ。そんな中、未経験からIT業界への転職を果たした八鍬雄一さん(32)。現在はテンプスタッフ・テクノロジーITエンジニア事業部に在籍し、クライアント企業でネットワーク・サーバー監視業務のグループリーダーを務めている。彼が行なった未経験転職の“工夫”とは何か。

八鍬雄一さんのキャリアアップ・ポイント
・派遣のシステムを上手に活用して、技術を身につけた
・面接では自分の経験を具体的な実績と結びつけてアピールする
企業を選んだポイント
未経験者にITのスキルを身につけさせる育成制度があったから

「未経験可」とは未経験者を採用するという意味ではない!

 大学時代、あまり就職活動に身が入らなかったという八鍬さん。たまたま行なわれた合同会社説明会で最初に面談をしたノンバンクに、勧められるがままに就職。特別やりたいこともないし、就職なんてこんなものだろうと安易に考えていたそうだ。しかし、現実には辛い日々が待っていた。仕事内容は、債務者から債権を回収するというもの。続けるうちにストレスが積もり、半年で退職した。

「わずか半年の期間でしたが、日々の仕事は真摯に取り組んではいました。でも、仕事内容や債務者との関係などにストレスを感じ、それに耐えることができませんでした。退職後は、ゲームが好きなこともあり、ゲーム業界で働くことを希望しました。大手ゲームメーカーでアルバイトとして採用され、ゲームのプログラムコードのチェックや耐久テストなど品質管理の仕事を任されました」

 八鍬さんがゲームメーカーで働くようになって1年が過ぎた頃、社運をかけた新製品開発プロジェクトがスタート。品質管理の担当者に選ばれた。この仕事を通じて八鍬さんは品質管理のスキルを確実に高めていき、続いてスタートしたオンライン対応化のプロジェクトにも選抜されたという。しかし、同社の雇用は延長なしの3年契約と決まっていたため、将来を考え、再び就職活動を始める。

 ところが、転職活動ではこれまでの経験を武器にしようとしても、ゲーム業界では品質管理は社員の業務ではなく、主に外部委託ないしはアルバイトが行なう業務であるため、再就職先を見つけられずに八鍬さんは失業してしまう。そこで、ネットワーク系やインターネットに関わる仕事に就くことを目指し、就職活動を開始する。八鍬さんは、学生時代にWindows95の台頭を知り、インターネットの発達とともに社会人生活を過ごしてきたことで、IT業界は将来性のある業界だと実感していた。しかし、品質管理の経験が武器にならない以上、「未経験者可」の求人を選んで書類を送るしかなく、そしてやはり結果は芳しくなかったという。

「転職活動中、ある企業の面接で『未経験者可というのは、未経験者を採用するという意味ではない。経験者と未経験者がいれば、経験者を採用します。あなたは確実に経験者に負けますよ』と言われました。あまりにも厳しい現実に、落ち込みましたね。でも、そこで初めてIT業界で働くには、決定的に自分の技術と経験が不足していることを理解しました。そんなとき目に止まったのが、派遣会社のテンプスタッフ(現:テンプスタッフ・テクノロジー)の広告。テンプスタッフに派遣スタッフとして登録後、未経験者にIT研修を実施しその後に派遣就業するというものです。キャリアを積むにはこれしかないと思い、すぐに応募しました」

前へ 1 2 3 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ