サイオステクノロジーは、オープンソースソフト(OSS)を社内システムなどに活用する企業を対象とした包括的なサポートサービス「サイオスOSSよろず相談室」を6月1日から開始する。5月24日、喜多伸夫社長らが会見し、発表した。
40種類以上のOSSをサポート、「バージョンも限定しない」
「サイオスOSSよろず相談室」は、オープンソースソフト(OSS)のインストール、設定、機能、障害対処法など、さまざまな質問を受け付けるサポートサービス。契約した顧客を対象に、OSSについての質問にメールで対応する。対象は、主に社内システムなどにOSSを活用している大企業が中心。
サービスの特徴は、(1)Linux OSを含めたOSSの窓口を一本化可能、(2)40種類以上のOSSをサポート、(3)対象となるOSSのバージョンは限定しない――の3点である。
サイオステクノロジーでは従来から、RedHat Enterprise Linuxのサポートサービスや、個別にOSSの運用支援などを行なっており、今回のサービスではこれを1つの窓口に集約できるようにする。また、サポート対象はLinux OSに加えて、Apache/PostgreSQL/MySQL/Sambra/WebDAV/sendmail/Postfix/OpenLDAP/RADIUS/OpenSSL/OpenSSH/Tomcat/JBoss ASなど40種類以上をリスト化しており、それ以外についても顧客の要望に応じて協議の上、対応する。
特に強みとなるのが、OSSのバージョンを限定しないことである。同社代表取締役社長の喜多伸夫氏によれば「企業では特定のバージョンを使い続けたいというニーズが強い」としており、よろず相談室ではこれに応えることにした。一般的なサポートサービスでは対象となるバージョンが限定されていることが多いが、同サービスでは「可能な限りのサポートを継続していく」(喜多氏)という。
サービス料金は、サポート対象とするOSSの種類や、対応内容によって異なる。5種類のOSSを対象に、メールによる質問の受け付け、障害原因の解析/回避方法の提案、月次報告を提供する最小構成のケースで30万円/月から。オプションとして、ソースコードの調査、修正パッチの提供、時間外対応や電話サポート、定例報告会の開催なども用意する。「顧客の要望に応じてサービスをカスタマイズして提供する」(同社CTOの山﨑靖之氏)という。なお、契約は年間単位となる。
「今後のサイオスの事業展開上、非常に重要な事業の核となるものと考えている」と意気込みを語る喜多氏。よろず相談室の開始にあたって、すでに専任5名からなる「OSSテクノロジーセンター」を立ち上げ、25~30名程度からなる兼任の窓口担当/エンジニアと連携しながらサービスを提供する体制を整えたという。同社では、初年度30社との契約を目指す。