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45nmプロセスや次世代vProを年内に投入――インテル、企業向け製品技術について説明会を開催

2007年03月19日 21時50分更新

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インテル(株)は19日、東京都内にて記者説明会を開催し、2007年以降に投入する製品に採用される技術についての説明を行なった。2007年後半には、45nmプロセスで製造されるデュアル/クアッドコアCPU“Penryn”(ペリン)や、企業向けパソコン用プラットフォーム技術“vPro”の次世代版を製品化する。

今回の説明会は、4月17日から中国北京で開かれる開発者向けカンファレンス“Intel Developers Forum Spring 2007”を先取りするもので、特に同社が2007年中に製品化を予定しているCPUやプラットフォーム技術、製造技術、より将来的な技術としての“テラスケールコンピューティング”実現に向けた試作CPUなどについての説明が行なわれた。

最初の説明を担当した、同社マーケティング本部 本部長の阿部剛士氏は、同社の能力の中核を、製造能力・マイクロプロセッサーの設計・プロセス技術の3点とし、今年の目玉は次世代のプロセス技術である45nm製造プロセスでの量産であると述べた。45nmプロセスで作られる最初のCPU“Penryn”については、1月に試作の成功が発表されていたが、阿部氏はPenrynについて、単に試作に成功しただけでなく、すでに動くものがあると述べ、2007年後半の製品化に向けて、OSを動かした状態でのテストなどが着実に進んでおり、競合他社に対する優位に自信を示した。

45nmプロセス版“Penryn”のダイ写真 45nmプロセス版“Penryn”のダイ写真。コア自体は既存のCore 2 Duoと同じ技術で作られ、デュアルコアとクアッドコアがある

またPenrynの世代で使われる低消費電力化に寄与する新しいトランジスター技術についても説明を行なった。Penrynで使われるトランジスターには、“High-K”(高誘電率)ゲート酸化膜と金属ゲートの2つの新技術が導入される。いずれも同社が長年研究と実用化に向けた準備を行なってきたものだ。阿部氏はこれらの導入を、「(同社の歴史で)40年目にして初めての新しいマテリアル」と称し、同社にとってもエポックメーキングな技術となるとした。ちなみにHigh-Kゲート酸化膜は、誘電率の高い素材を使って厚みのあるゲート絶縁膜を作ることで、ゲートリーク電流と呼ばれる電流漏れを抑えるのに効果を発揮する。阿部氏は、High-Kゲート酸化膜にはハフニウムを素材とする材料を使用するが、その組成は極秘のため、自分も教えられていないと笑って述べた。

45nmプロセスで導入される、2つの新しいトランジスター技術 45nmプロセスで導入される、2つの新しいトランジスター技術

新しいトランジスター技術と製造プロセスを採用することにより、既存の65nmプロセスから45nmプロセスに移行すると、トランジスター密度は2倍、スイッチング速度は20%向上、トランジスターのスイッチングに要する電力は30%程度に削減できるという。またスイッチング速度を上げて処理性能を上げる方向だけでなく、スピードを維持してリーク電流を5分の1程度に抑える、つまり同じ処理性能でより低消費電力なプロセッサーを製造することもできるという。

45nmプロセスでのプロセッサー製造については、2007年後半に米国オレゴン州の製造施設“D1D”と、アリゾナ州“ファブ32”で、300mmサイズのウエハーにて製造を開始。またイスラエルにある建設中の“ファブ28”でも2008年前半に開始するほか、ニューメキシコ州の“ファブ11X”でも2008年後半に製造を開始するという。

阿部氏は続いて、“テラスケールコンピューティング”の今後についても述べた。テラスケールコンピューティングでは、TFLOPSの演算性能、TB級のデータセット、Tbit級のI/Oを備えたプロセッサーを実現することで、現在のパソコンレベルでは困難な、“RMS”(Recognition:認識、Mining:抽出、Synthesize:合成)を行なうデータ処理が可能になり、ビジネスや医療、娯楽に新しい利用シーンをもたらすと述べた。また、同社が以前に発表した、80個の浮動小数点プロセッサコアを1つのCPUに収めた試作プロセッサーについては、将来的にはSRAMをプロセッサーダイの上に積層したパッケージ化や、既存のIAプロセッサーコアと統合したプロセッサーを開発することで、将来の製品につなげていきたいとした。

テラスケールコンピューティング実現のためのプロセッサーのロードマップ テラスケールコンピューティング実現のためのプロセッサーのロードマップ。次のステップではSRAMの積層を行ない、その先ではIAコアとの融合を図る

次世代vProの概要も

阿部氏に続いて、同社デジタル・エンタープライズ・グループ 統括部長の平野浩介氏により、企業向けプロセッサーやプラットフォームの現状と今後についてが説明された。まず平野氏は、2006年は同社のCPUが一挙にクアッドコアまで飛躍した年であるとした。サーバー分野では国内出荷の90%が同社のCPUを搭載するほか、ItaniumプロセッサーもライバルであるRISC系CPU(IBM Power、Sun SPARC)のシェアを奪って好調に推移しているとした。

インテル デジタル・エンタープライズ・グループ 統括部長の平野浩介氏
インテル デジタル・エンタープライズ・グループ 統括部長の平野浩介氏

平野氏の話題で大きなトピックだったのは、vProに関する話題であろう。CPUとチップセット、ネットワーク機能に加えて、仮想化技術や遠隔管理技術を実現するソフトウェア(それもクライアント側だけでなくサーバー側にも)で構成されるvProは、優れた性能や省電力に加えて、運用管理やセキュリティーをソフトウェアだけでなくハードウェアでも実現することで、より強化できるとした。企業向けクライアントパソコンでは、処理性能が注目されることは少ないが、平野氏は企業内でのパソコンユーザーが“動作速度が遅い”という不満を抱いている率が高いという資料を示して、クライアントの性能も重要であるとした。

サーバー/ワークステーション向けCPUとプラットフォームのロードマップ インテルのサーバー/ワークステーション向けCPUとプラットフォームのロードマップ

vProはハードウェアだけでなくソフトウェア面の比重も高い。そのため関連するソフトウェアや取りまとめたソリューションの開発が必要で、平野氏はこれらが揃ってきたと述べた。一方で、vProはクライアント導入だけでは終わらないソリューションであるため、管理サービスなどの導入・運用に困難さがあり、課題となっている現状を挙げて、これらの課題解決に今後力を入れていくとした。

今後のvProのロードマップについても取り上げられた。現在のvProはデスクトップパソコンのみを対象としているが、2007年前半に登場予定のノートパソコン向けプラットフォーム“Santa Rosa”(サンタロサ)で、ノートパソコン向けにもvProが導入される。Santa Rosaでは、遠隔管理技術“AMT”(Active Management Technology)のバージョン2.5が取り入れられるという。さらに2007年後半には、“Weybridge”(ウェイブリッジ)と呼ばれるデスクトップパソコン向けの次世代vPro対応プラットフォームが登場する。

vProのロードマップ Weybridgeの主な構成要素
vProのロードマップ。2007年前半にノート向け、後半には強化されたデスクトップ向け“Weybridge”が登場Weybridgeの主な構成要素。CPUはPenryn世代で、ICHも新しくなるようだ

Weybridgeの構成要素については、簡単に触れられただけであったが、以下の要素が取り入れられるようだ。

CPU
Core 2 Duo E6x50
チップセット
Q35 Express+ICH9-DO
ネットワーク
82566DM Gigabitネットワーキング
技術
AMT 3.0、次世代VT(I/O仮想化機能を備える)、インテル トラステッド エグゼキューション テクノロジー(TXT、ハードウェアによるセキュリティー技術、コード名LaGrande)

平野氏は最後に、企業においてはパソコンが文房具化しており、パソコンによる生産性については十分に配慮されていないとの懸念を示した。インテルはそれに対して、妥協のない性能、セキュリティーと管理技術といった付加価値をもたらすことで、新しい市場を作ると述べて、vProによってクライアントパソコン市場に新しい潮流を生み出すという意欲を示した。

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