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小島寛明の「規制とテクノロジー」 第393回

ノルウェー、小学校で生成AI禁止へ 学力低下で進む「脱デジタル」

2026年06月23日 07時00分更新

文● 小島寛明

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 ノルウェー政府が、小学校でのAIの利用を禁止する。

 2026年6月19日のロイターの報道によると、ノルウェーのヨナス・ガール・ストレ首相は、8月下旬から始まる新学年度から、小学校での生成AIの利用を原則禁止する方針を明らかにした。具体的には、1年生から7年生(6〜13歳)は生成AIを使用できない。14歳から16歳の前期中等教育では教師が直接指導する場合のみ利用が認められ、17歳から19歳の後期中等教育では適切な活用を推奨する。

 ストレ首相は記者会見で、「学校で最も大切なのは、子どもたちが読み書きと数学を学ぶことだ」と述べたという。ノルウェー政府は近年、子どもの学力低下を受け、スマートフォンの禁止や紙の教科書の使用の推奨など、基礎教育の現場における「脱デジタル」と呼べる政策を進めてきた。今回のAI禁止についても、この流れの中にある政策決定と言えそうだ。

 AIをやめると、子どもの学力は向上するのだろうか。

国際比較で学力低下が顕著に

 ノルウェー政府の危機感の根拠は、PISAと呼ばれる国際的な学力調査の成績だ。PISAは、経済協力開発機構(OECD)が実施する学力調査で、2022年が最新の調査結果だ。義務教育を終える段階にある15歳の子が、学校で学んだ知識・技能を実生活の課題にどの程度応用できるかを測定することを目的としている。

 日本は、この調査では数学、科学、読解のいずれの分野でも強く、調査に参加した81か国中トップクラスの成績を記録している。これに対して、ノルウェーは、2018年の前回調査と比べて数学のスコアが33ポイント低下し、OECD平均を下回った。科学、読解についてもスコアが低下した。ノルウェーを含む北欧諸国は、テストや宿題が少ないのにPISAをはじめとした学力の国際比較では好成績を記録し、「北欧モデル」として称賛されていただけに、意外な結果にも見える。

 2022年と言えば、世界がコロナ禍から通常の暮らしを取り戻し始めた時期にあたり、子どもの学力についても、単純な比較は難しいだろう。とはいえ、目に見える学力の低下に危機感を募らせたノルウェー政府が採用した政策が、脱デジタルだった。

 ノルウェーはほぼ全校で1人1台のタブレット環境を整備していたが、学力低下を受けて政府は方針を転換し、紙の教科書に回帰する方針を示している。2024年には学校でのスマホの使用を全面禁止し、2026年4月には16歳以下のSNS利用を禁止する法案を年内に国会に提出する方針も示している。

AI利用制限の波じわり

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