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ホスト層での仮想パッチ機能を提供する「VMware HyperArmor」発表

VMwareはセキュリティを提供する企業 Broadcom買収から3年後の現在地

2026年10月27日 09時00分更新

文● 大河原克行 編集●大谷イビサ

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3年間の道のりは困難だった しかし、日本での反応はポジティブに

 ターナー氏は「これまでの3年間は凸凹している困難な道のりだった。だが、いまは、製品のイノベーションに対するペースが、これまでにないものになっている。成長戦略を加速していく段階にある」と語る。

 2023年11月に、BroadcomによるVMwareの買収が完了した時点を振り返ったターナー氏。「買収直後は、ショックに感じたお客様がいたり、今後の成長を疑ったりする声も出ていた。道のりは凸凹した困難な道であったが、時間の経過とともに理解が進み、プライベートクラウドの活用において、VMwareが欠かせないという認識がこれまで以上に定着している。現在、日本で見られている反応も、ポジティブなものだと捉えている」と語る。

 その上で、「日本の企業にとって、セキュリティが最優先事項となっている。それは、AIエージェントは、ITインフラに対する脅威の水準を高める存在にもなっているからだ。これに対応するために、あらゆるものを防護できるIntrinsic Security(イントリンジックセキュリティ)が求められており、VMwareはそれを提供できるベンダーである。あらゆるレイヤーを対象にし、多層防御によるセキュリティを提供し、最新のVCF 9.1や、VMware HyperArmorによって、日本の企業をしっかりと守ることができる。VMwareは、セキュリティを提供する企業である」と定義した。

 また、「仮想化ツールとしてVMwareを導入するのではなく、環境をセキュアにするにはどうすればいいのか、AIのワークロードをどう構築するのかという点で、VMwareに注目が集まっている。セキュリティを強化するという点で、日本のお客様と緊密な関係が構築できている」とも語った。

 そして、ターナー氏は、VMwareの現在地を、「成長のフェーズにある」と位置づけた。「VCF 9.1によって、大きく進化したプラットフォームを使ってもらうことができ、仮想基盤、コンテナワークロード、AIを安心して使ってもらえるセキュアな環境も提供できる。そして、研究開発などのイノベーションに対する投資として、年間50億ドル以上を計上しており、まさにアクセル全開で進めているところである。製品のイノベーションに対するペースもこれまでにないものになっている。これから成長戦略を加速していくことになる」と強調した。

拡大するVCF9の導入

 さらに、「VMware Private AI Cloudにより、企業は、より多くのAIを、データセンターやアプリケーションで活用できるようになる。VMware AI Factoryにより、最初のモデルをデプロイするまでの期間を短縮し、選択の柔軟性も提供し、トークンエコノミクスに対する制御も強化できる。そして、AIが脅威の状況を激変させるなかで、多層防御のアプローチにより、VMwareは、セキュリティ保護を最大限に高めることが可能である」と述べた。

NTTドコモ、福岡ひびき信⽤⾦庫、ラクス、TKCがVCF採用を語る

 一方、ヴイエムウェアの⼭内光社長は、「2026年5月に、VCF (VMware Cloud Foundation)9.1をローンチし、全世界で約3000社の顧客において、1900万のCPUコアで活用されている。順調に採用が進んでいる。国内での採用も順調であり、製造、金融、サービス、公共など、様々な業種に導入されている。とくにミッションクリティカルな重要インフラでVCFが活用されている。その背景には、昨今のセキュリティに対する関心の高まりと、VCFの新たなバージョンへの期待がある」と述べた。

ヴイエムウェア ⼭内光社長

 2019年からVCFの利用を開始したNTTドコモは、VMware Explore on Tour in Tokyoの開催にあわせて、国内初となる10年間の長期包括契約を結んだことを発表。VCF 9.1をはじめとするVMware製品のライセンス、技術支援および保守サポートを、包括契約の対象としており、VMware製品などの活用により、NTTドコモの既存システムの安定運用を目指すほか、ドコモのサービス基盤を、仮想マシン、コンテナ、AIを統合する次世代のプラットフォームへと進化させることになるという。

 NTTドコモ サービスデザイン部長の石丸浩氏は、「VMware製品は長年にわたり活用しており、今回の長期包括契約を通じて、Broadcomとの技術連携をさらに強化する。今後も、既存サービスの安定した提供を継続しながら、AIの活用拡大など将来の技術進化も見据え、新たな価値をより迅速かつ安定的に提供できるサービス基盤の実現を目指す」としている。

 福岡ひびき信⽤⾦庫では、伝統的に内製化したシステムでの運用を推進する姿勢を維持するなかで、いち早くVCF 9.1を採用。リリースから約2カ月間でアップデートを完了したという。

 福岡ひびき信⽤⾦庫システム部調査役の宮地真之⽒は、「VMware Cloud Foundation Operations Fleet Managementにより、コンポーネントを含めて一元的にアップデートができ、スムーズに進めることができた。金融庁と日本銀行から、フロンティアAIへの対応要請が出ており、それに対応する上では分散IDS/IDFが最適だった。脆弱性が発見されても、脆弱性を悪用する通信を検知、遮断することができる機能により、セキュアな環境づくりに役立った」とする。

 一方、ラクスでは、同社の主要プロダクトである楽々クラウドシリーズにおいて、共通API基盤の整備にKubernetesによるコンテナ基盤による実行環境を選択。VMware vSphere Kubernetes Service(VKS)を採用し、既存のVMware基盤に関する知識や運用手順を生かし、運用の標準化やエンジニアの学習コストの低減などを実現したという。

 ラクス 開発本部インフラ開発部の永易健史部⻑は、「VMware環境に馴染んでいた開発者が、コンテナワークロードに携わることができた。今後もVKSを中心に据えた開発を進めていくことになる」とした。

 TKCでは、数1000社を超える会計士や、約1150の地方自治体が利用するミッションクリティカルシステムにおいて、3000~4000の仮想マシンを運用していることを紹介。開発と運用の安全分離という体制を敷きながら、運用については、9人体制で推進していることを示した。

 TKCクラウド運⽤センタークラウド共通基盤運⽤部の髙⽥裕⼀⽒は、「15年以上に渡るVMwareの運用経験を持つため、経験や勘に頼る対応が自然と増えていたが、少人数で運用するためには、ダッシュボードを活用して運用を可視化する体制へと脱却する必要がある。VCF Operationsの機能を活用し、データに基づく運用にシフトしている」などと説明した。

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