ラマスワミCEO登壇の「Snowflake World Tour Tokyo」Day2・基調講演レポート
現場・開発向けエージェントで業務スピードを「5~10倍」に ― Snowflakeの統合基盤で変革する日本企業の挑戦
2026年10月23日 08時30分更新
三井住友トラスト・アセットマネジメント:暗黙知を見える化するSnowflake CoCoの大規模活用
基調講演では、エージェンティックエンタープライズの実践企業として三井住友トラスト・アセットマネジメントが登壇。同社では、Snowflakeを中核に社内データを統合し、データドリブンな業務基盤の高度化を推進している。執行役員の松本宗寿氏からは、ビジネスデータとロジックを集約する取り組みが語られた。
同社は、中期経営計画において全社ベースのテクノロジー活用を掲げており、自走による内製化に注力。その中で、Snowflake CoCoに業務プロセスを実行させる仕組み「SKILL」を各部署の担当者自らが開発し、業務の暗黙知の見える化を進めている。
このSKILLは、あらかじめ整備された業務データを用いて、ユーザーがAIと対話をしながら業務を実行し、その対話や試行錯誤の過程を素材にAI自身がSKILLとして定式化するという流れで開発される。
例えば、「投信レポートにおける銘柄紹介コメント作成」という業務のSKILLは、上記プロセスを経て「何をするか」「いつ使うか」「どのように行うか」が自然言語で定義され、「〇〇投資銘柄の紹介コメントを作成して」の一言でアウトプットを生成するようになる。
現在は、事前に洗い出した約650業務のうち、約3か月で約120件に着手。作成されたSKILLは約200個に上り、他にも多数のSKILLが開発・検証段階にあるという。Snowflake CoCoの利用状況についても、2026年4月時点では1割だったが7月には6割に達し、クエリ数も同期間で7倍に急増。利用の幅・量ともに急速な広がりをみせている。
松本氏は、「野良EUC(エンドユーザーコンピューティング)が増えて、業務統制が取れなくなるのでは?」という質問に対して、「むしろ野良業務がなくなる」と返しているという。従来のEUCが問題視されるのは“観測不能”だったためであり、Snowflakeの場合はすべての実行記録が記録されるため、その懸念は解消される。また、構築されたSKILL自体が自然言語で記述されるため、そのままマニュアルとして機能する点も大きなメリットとなる。
こうした取り組みを通した松本氏の大きな学びは、「問題の発見・解決にかかるコスト」が低下したことである。業務データやナレッジ(SKILL)、そしてログ(プロンプトなど)が集約されるほど、1つの事案を解決するコストが目に見えて下がっていったという。「かつて業務定義がExcelや人の頭にあった時代は、情報を集約・突合・整理するだけでも一大プロジェクトだった」(松本氏)
同社では今後、ここまで整備した環境を活かして、システムが自律的・再帰的に改善し続ける「ループ・エンジニアリング」の構築を目指していく方針だ。
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