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ラマスワミCEO登壇の「Snowflake World Tour Tokyo」Day2・基調講演レポート

現場・開発向けエージェントで業務スピードを「5~10倍」に ― Snowflakeの統合基盤で変革する日本企業の挑戦

2026年10月23日 08時30分更新

文● 福澤陽介/TECH.ASCII.jp

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Snowflake基盤で業務スピードを「5〜10倍」に引き上げる

 加えて、ラマスワミ氏が強調したのが、日本市場へのコミットメントだ。アジア太平洋のSnowflake顧客3000社のうち、実に半数を占めるのが日本市場の顧客であり、AI活用の本格化によってその成長はより顕著になっているという。

 同氏は、日本は技術に対する意欲が高く、「世界的にも代表的な企業が多数存在する、非常に重要な市場」と評価。同時に、Snowflakeに完璧さも求めている市場でもあるとし、その要求に今後も継続して応えていく姿勢を示した。

 加えて、イベントの参加者にアピールしたのが「スピード」だ。「今は、より多くのことをより早く実現できる時代。しかし、私がCEOに着任した当時、スピードはSnowflakeの最大の価値ではなかった」と振り返った。

 一方で、現在では、かつて3年以上を要したレガシーマイグレーションを3四半期未満で成し遂げた顧客も存在し、今後はより複雑な移行もさらに短期間で達成できることが見込まれるという。Snowflake内のデータチームも、5年分のバックログを抱える状態から、変革を主導する組織へと生まれ変わった。「Snowflakeの基盤によって、データチームは単なる『動きの遅いコストセンター』から脱却して、データで自社を変革する存在へと進化できる」と訴えた。

 同様にAIも、単にエンドユーザーにデータを届ける手段にとどまらず、能力をより効果的に引き出す存在になる。ラマスワミ氏は顧客と会うたびに、「Snowflake CoWorkとSnowflake CoCoを全面的に活用すれば、業務スピードは5~10%ではなく“5~10倍”向上する」と繰り返し伝えているという。

ラマスワミ氏の登壇は、Snowflake APJ プレジデント 兼 会長執行役員(VP, APJ Sales)ジョン・ロバートソン氏との対話で進んだ

 こうした日本市場に対するサポートの強化についても発表された。

 まずは、Google Cloudの東京リージョンにおけるSnowflakeのサポート開始だ。2026年度の第4四半期(2026年11月~2027年1月)には、国内でのデータ管理において新たな選択肢が加わることになる。「Snowflakeは、ユーザーに多様な選択肢を提示することに誇りを持っている。我々のプラットフォームを通じて、様々なハイパースケーラーの力を借りることができ、それはAIモデルにおいても同様」とラマスワミ氏。

 加えて、日本の多くの顧客からの声に応えるべく、24時間365日の日本語によるテクニカルサポートの展開も決定しているという。

データ主権の新たな選択肢を提示

収益・コスパ・リスク回避――AI投資で問われる「3つのROI」

 最後に触れられたのは、エージェンティックエンタープライズにおけるROIの考え方についてだ。ラマスワミ氏は、AIはROIを考慮すべきテクノロジーであると語り、その判断軸として「収益」、「コストパフォーマンス」、リスク・規制などの「問題の回避」の3点を挙げた。

 例えばコストパフォーマンスの面で、Snowflakeは、AIへの移行に伴い「ダッシュボードは利用しない」方針を決定。ダッシュボード運用にかかっていた約500万ドルものコストを浮かせることができ、AIへの支出はそれを大幅に下回っているとする。加えて、社員の「1人が1か月に利用できる上限額」を設定し、予期せぬコストの高騰を防いでいる。

 収益の面でも、アカウントエグゼクティブごとに「提案のユースケース」を指標化したことで、前年比で40%以上の生産性向上につながり、実際にデプロイされたユースケースも90%増加したという。

 重要なのは、「AI活用に投資をしながら、“他の支出を削減する”あるいは“売上で相殺する”」という考え方だ。この思想はSnowflakeの製品にも反映されており、同社基盤によって不必要なAI利用を抑制し、AIモデルのコスト最適化も図れる。

 最後にラマスワミ氏は、ソフトウェアと知能がもはや高価でなくなった現在、差別化につながるのは「データ」「コンテキスト」「業務知識」だと強調。「その上で問われるのが、データがAIレディであること、そして重要なプロセスを把握していることだ。現場で働く人々がデータ資産の活用とプロセスの最適化を推進できるようになることこそが、Snowflakeの強みだ」と締めくくった。

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