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ナラリス、報告書が認定した品質不正の継続期間は中央値25年 ― 公表資料に基づく企業不祥事767件を横断分析

PR TIMES

株式会社NaLaLys
通報窓口や子会社管理の不備には9割前後で同じ名前の再発防止策が併記される一方、業績・予算のプレッシャーでは、その源を変える策の併記は半数あまり

株式会社NaLaLys(本社: 東京都港区、代表取締役: 長谷島 良治、以下「当社」)は、「企業不祥事リサーチDB」に収録した企業不祥事767件(2026年9月27日時点)について、調査報告書などの公表資料を横断分析した結果を発表しました。所見の集計と事例は、本DBのトピック・年別・実務ガイド・原因と再発防止策の各ページで公開しています。

横断して読むと、手口ごとの見つかり方の違いと、原因ごとの再発防止策の併記の違いが見えてきます。
- 品質不正では、調査報告書などが認定した不正の継続期間の中央値が25年でした。
- キックバックでは、発覚契機として最も多く記載されていたのが税務調査でした。
- 販売・売上の不正では、確認の始まり方として3つの手口のいずれでも「外部情報を受けた確認」が最多でした。
- 業績・予算のプレッシャーを原因に挙げた案件で、プレッシャーの源を変える再発防止策の併記は半数あまり(54%)でした。


◆ 不正はどう見つかるか ― 所見1~3

不正の見つかり方は、手口によって異なります。品質不正、キックバック、販売・売上の不正について、確認の始まり方や発覚契機を見ました。
所見1 報告書が認定した品質不正の継続期間は中央値25年
調査報告書などが認定した不正の継続期間は、中央値25年でした(継続期間が分かる73案件)。品質不正の公表は2018年が20件で、他の年(3~10件)から飛び抜けています。

2017年10月以降、素材・部材で製品の検査データの書換えの公表が相次ぎました。同年12月、経済産業省が「製造業の品質保証体制の強化に向けて」を公表しました。経団連も会員企業に自主的な調査を呼びかけました。

2019~2025年に最も多い見つかり方は「別の事案をきっかけとした調査の中で見つかる」です。品質不正は、別の事案の調査や業界ぐるみの点検をきっかけに、波のように見つかります。

※25年は報告書が認定した不正の継続期間であり、確認が始まるまでに要した時間ではありません。

図1: 品質不正の年ごとの件数(トピック「品質不正」の収録案件。2026年は途中の値)

関連ページ:
トピック「品質不正」 https://research.nalalys.com/topics/quality-fraud
実務ガイド第3号「品質・検査の不正 ― 継続期間と発覚の経路」 https://research.nalalys.com/guides/qc-2026-09

所見2 キックバックの発覚契機で最も多いのは税務調査
キックバックは、会社が取引先に支払った代金の一部が、取引先から役職員個人に戻される手口です。

購買・調達の不正のうち、この手口が付く案件は65件です。発覚契機として最も多く記載されていたのは、税務調査(29件・44.6%)でした。実務ガイドは、購買・調達に関わる手口(キックバック・利益相反・原価付替え)の217件を集計しています。ガイドは、取引の実態を外部の情報と突き合わせる手続を、内部監査で持ち帰れる点として挙げています。

※公表資料に発覚契機としてそう書かれていた案件の割合であり、統制の検知率ではありません。


図2: キックバックの手口が付く65件の発覚契機(実務ガイド第1号、2026年9月16日時点)

関連ページ:
実務ガイド第1号「購買・調達の不正 ― 発覚の契機と内部監査の手続」 https://research.nalalys.com/guides/proc-2026-09

所見3 販売・売上の不正は、外部からの情報で確認が始まることが最も多い
実務ガイドは、販売・売上に関わる手口(循環取引・収益認識不正・売上過大計上)の176件を集計しています。

確認の始まり方として最も多いのは、3つの手口すべてで「外部情報を受けた確認」でした。割合は、循環取引31.6%、収益認識不正37.0%、売上過大計上36.4%で、いずれも3割台です。176件のうち102件(58.0%)は、子会社で起きた案件です。

ガイドは、内部監査で持ち帰れる点を2つ挙げています。1つは、取引の相手方・物・役務の実在を相手先の実体まで確認することです。もう1つは、子会社の販売データを原データで取得することです。

※発覚し公表された案件だけの傾向であり、発生率ではありません。

図3: 販売・売上の不正176件の、手口別の確認の始まり方(実務ガイド第2号、2026年9月17日時点)

関連ページ:
実務ガイド第2号「販売・売上の不正 ― 発覚の契機と確認の始まり方」https://research.nalalys.com/guides/sales-2026-09

◆ 報告書は何を直すか ― 所見4

所見4 業績・予算のプレッシャーには、同じ名前の策の併記が半数あまり

原因に「業績・予算達成プレッシャー」を挙げた案件で、「業績・予算プレッシャーの是正」の併記は半数あまり(54%)です。是正の中身は、予算・目標の決め方や、人事評価・報酬制度、会議での叱責、受注・納期や人員体制の見直しです。

一方、「内部通報の機能不全」では「内部通報制度の拡充・周知」の併記が93%です。「子会社・海外拠点の管理不足」では「子会社・グループ管理体制の強化」の併記が90%です。目標・評価・受注や人員の計画は、経営企画・人事・営業の側が関わらないと、再発防止策の検討から抜け落ちやすいと考えられます。

※併記率は、原因と再発防止策の両方のタグが付いた案件の中で、タグが一緒に付いている割合です。対策の有無・実施状況・有効性を評価したものではありません。

図4: 原因ごとの併記率(原因と再発防止策の両方のタグが付いた案件が対象)


関連ページ:
「業績・予算達成プレッシャー」 https://research.nalalys.com/insights/cause-budget-pressure
「内部通報の機能不全」 https://research.nalalys.com/insights/cause-hotline-dysfunction
「子会社・海外拠点の管理不足」 https://research.nalalys.com/insights/cause-subsidiary-mgmt

■ 所見の根拠にしたページ

● トピック https://research.nalalys.com/topics
会計不正・横領/着服・ガバナンス/経営不正・循環取引・品質不正・贈収賄・独禁法/談合・情報漏えい・ハラスメントの9テーマについて、事案の型、象徴的な事案、収録期間の流れ、全件の一覧をまとめたページです。

● 年別 https://research.nalalys.com/years
2015年から2026年まで、年ごとにその年を象徴する事案と分類の内訳を振り返るページです。

図5: 分類別の年ごとの件数(2015年~2026年。2026年は途中の値) ※年ごとの件数は収録の仕方の影響を受けます。

● 実務ガイド https://research.nalalys.com/guides
購買・調達/販売・売上/品質・検査の3号です。発覚の契機と内部監査の手続を、公表資料の集計と事例から読み解く資料です。

● 原因と再発防止策 https://research.nalalys.com/insights
調査報告書が指摘した原因と、提言・実施された再発防止策を、報告書の原文段落で案件横断に読めるページです。

■ 今後の展開

- 不祥事が発生した企業向けのページの開設:自社で不祥事が起きた企業向けに、過去の事例を調べられるページの公開を予定しています。調査委員会の設置から、調査結果・再発防止策の公表までの進め方を確かめられるようにする予定です。

- 生成AIからの参照:生成AIのアシスタントから本DBを直接検索・参照できる接続機能(MCP)を、当社内で利用し始めました。今後、一部の利用者への試験提供を予定しています。


■ 引用・転載について

本DBが作成した集計値・グラフ・図表(本リリースの図を含む)は、出典を明記すれば許諾なく引用・転載できます。出典は「出典:企業不祥事リサーチDB(NaLaLys)、参照したページのURL、YYYY年M月D日時点」の形で記載してください。
詳しくは https://research.nalalys.com/editorial-policy#citation をご覧ください。調査報告書・会社公表資料の原文は、それぞれの権利者の著作物であり、この扱いの対象外です。

■ 収録データに関する注記

- 本DBは「調査委員会等が設置され、その事実が公表された事案」の集合です。日本企業の不祥事全体を代表するものではありません。件数の増減を、そのまま社会全体の不正の増減として解釈することはできません。
- 掲載している割合は、公表資料にそう記載されていた案件の割合であり、発生率でも統制の検知率でもありません。
- 併記率は、原因と再発防止策の両方のタグが付いた案件の中で、タグが一緒に付いている割合であり、対策の有無・実施状況・有効性を評価したものではありません。原因・再発防止策のタグは、調査報告書の該当する章を収録した案件にのみ付いており、年ごとの比較には使えません。
- 実務ガイドの数字は、各号に記載した時点の値です。年ごとの件数は収録の仕方の影響を受けます。2026年は途中の値で、調査報告書が出る前の初動開示の段階の案件を含むため、過去の年と比べることはできません。
- 個別企業に関する記述は、各社および関係当局が公表した資料に基づくものです。本DBはリサーチ補助を目的とするもので、法的助言を提供するものではありません。収録・編集の方針は https://research.nalalys.com/editorial-policy に掲載しています。


■ サービス概要


株式会社NaLaLysについて

「企業とそこで働く従業員に安全で安心なビジネス環境を提供する」ことをミッションに、企業のコンプライアンスを高度化、効率化するためのSaaSプラットフォームを開発しているスタートアップです。

【会社概要】
所在地:東京都港区港南2-15-1 品川インターシティA棟 22階 SPROUND内
代表者:代表取締役 長谷島 良治
設立:2023年1月6日
HP:https://www.nalalys.com/

【本リリースに関する報道お問い合わせ先】
広報担当
Email:contact@nalalys.com

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