Airion、矢崎総業株式会社と製造現場におけるフィジカルAI開発の自走化に向けた協業へ
Airion株式会社
ノーコード開発基盤「Physical AI Studio」を活用し、フィジカルAI活用を推進
Airion株式会社(以下、Airion)は、矢崎総業株式会社(以下、矢崎総業)へ、製造現場におけるフィジカルAIの開発・活用を推進するプラットフォーム提供を開始します。

本取り組みでは、Airionが開発するフィジカルAI開発基盤「Physical AI Studio」を矢崎総業に提供し、フィジカルAIを活用した自動化・高度化に向けた開発を進める予定です。
初期フェーズはAirionのエンジニアが伴走しながらユースケースの開発や技術検証を進め、将来的には矢崎総業の現場・開発担当者が「Physical AI Studio」を活用し、自らデータ収集やAIモデルの検証、ロボットへの実装・改善までのPDCAを回せる状態を目指します。
■協業の背景
近年、ロボット、カメラ、触覚・力覚センサ、グリッパなど、フィジカルAIを構成するハードウェアの選択肢は急速に増加しています。また、ロボット操作データを収集するための各種デバイスやテレオペレーション技術なども登場し、これまで以上に多様な方法で実世界のデータを取得できるようになっています。一方、それぞれのハードウェアを実際の生産現場で接続・制御し、AIモデルと組み合わせて一連のシステムとして動作させるためには、各種ハードウェア、フィジカルAIモデルなどに関する一定の専門知識が求められます。
さらに、フィジカルAIの性能を高めていく上では、単純に大量のデータを収集するだけではなく、
・どのようなデータ項目を取得するか
・データの品質をどのように担保するか
・どのような粒度・ルールでラベリングするか
・どのデータを追加で収集すべきか
といった、データ設計そのものの重要性も高まっています。
生産工程や現場課題について深い知見を持つ製造現場の担当者と、フィジカルAIの開発・試行錯誤に必要となるAI・ロボティクスの専門知識との間には依然としてギャップがあります。
Airionでは、このギャップを埋め、製造現場自身がフィジカルAIを継続的に開発・改善できる環境を実現するため、「Physical AI Studio」を開発・提供しています。
■「Physical AI Studio」とは
「Physical AI Studio」は、ロボット、センサ、カメラ、グリッパなどのハードウェア設定から、利用するAIモデルの選択、データ収集・加工・ラベリング、ロボット制御まで、フィジカルAIの開発に必要となる一連の処理をノーコードで構築できる開発基盤です。

あらかじめ用意された機能ブロックを画面上で組み合わせることで、プログラミングに関する高度な専門知識がなくても、フィジカルAIの処理フローを構築・変更し、試行錯誤できる環境を目指しています。
特徴1. ブロックを組み合わせたノーコード開発
カメラからの画像取得、ロボット制御、AIモデルによる認識・推論、データ保存、ラベリングなどの処理をブロックとして用意し、それらを接続することで一連の処理フローを構築できます。
これにより、新しいハードウェアやAIモデルを試すたびにシステム全体をゼロから開発するのではなく、必要な部分を組み替えながら迅速に検証を行うことが可能になります。
特徴2. ソースプログラムとしても利用可能
「Physical AI Studio」上で構築した処理は、必要に応じてソースプログラムとして扱える設計としており、利用者が処理内容を確認・編集することができます。
ノーコードによる開発効率を高めながらも、システム内部をブラックボックス化せず、特定のツールやベンダーへの過度な依存を避けられる開発環境を目指しています。
特徴3. 最新のAIモデルや技術を継続的に追加
フィジカルAIの領域では、新しいAIモデルやデータ収集手法、ロボットハードウェアが非常に速いスピードで登場しています。
Airionでは、製造現場で利用頻度の高い機能に加え、最新の研究成果やモデルについても実用性を検証しながら、可能な限り「Physical AI Studio」のブロックとして順次追加していきます。
これにより、利用者が新しい技術が登場するたびに個別に環境構築を行うのではなく、既存の開発フローに新しい技術を組み込み、比較・検証できる環境を整備します。
特徴4. エンドユーザー独自のアルゴリズムにも対応
あらかじめAirionが提供するブロックだけでなく、エンドユーザーが保有する独自のアルゴリズムやプログラムについても、「Physical AI Studio」上に追加・編集できるUIを提供します。
企業独自の生産技術やノウハウを維持しながら、汎用的なAIモデルやロボティクス技術と組み合わせることを可能にします。
特徴5. グローバルでの利用を想定
日本国内だけでなく海外の生産拠点でも利用できるよう、日本語・英語に対応します。
今後は利用地域の拡大に合わせ、さらなる多言語対応も検討していきます。
■今回の取り組み
今回の取り組みでは、矢崎総業に「Physical AI Studio」を提供し、実際の製造工程を対象としてフィジカルAIの活用を進めることを予定しています。第1段階では、Airionのエンジニアが伴走しながら「Physical AI Studio」を活用し、必要となるセンサやロボットの構成、データ収集方法、AIモデル、ロボット制御方法などを検討し、フィジカルAIによるワイヤーハーネス製造関連の業務自動化を図ります。


実際の生産現場で利用しながら、操作性や必要な機能についても検証し、その結果を「Physical AI Studio」の機能改善へ反映していきます。
■今後の展望
フィジカルAIの領域では、AIモデルそのものが今後も急速に進化していくことが想定されます。そのためAirionでは、特定のAIモデルを一度導入して終わるのではなく、新しいモデルやロボット技術が登場するたびに、現場側で素早く試し、評価し、実装を改善できる仕組みが重要になると考えています。
また、フロンティアモデルの性能向上に伴い、「どのモデルを使うか」だけでなく、将来のモデルでも活用可能な形で、どのような実世界データを蓄積していくかという視点も、製造業における重要な競争力の一つになっていくと考えています。
今回の取り組みでは、初期フェーズにはAirionがフィジカルAI開発を伴走支援しますが、長期的には、矢崎総業の担当者様が「Physical AI Studio」を活用しながら、自ら
「課題設定 → データ収集 → AIモデルの検証 → ロボットへの実装 → 評価 → データの追加収集・改善」
というサイクルを回せる状態を目指します。
Airionは今後も、AI・ロボティクスの専門知識と製造現場の知見との間にあるギャップを埋めることで、フィジカルAIを一部の専門家だけが扱う技術ではなく、製造現場自身が日常的に試行錯誤し、改善できる技術へと変えていくことを目指してまいります。
■会社概要
Airion株式会社Airion株式会社は、「新しい産業の当たり前を創る」を使命に掲げ、製造業をはじめとする産業領域でAIやロボティクス技術の研究開発を推進する東京大学発ベンチャーです。IT×OT領域でのAI導入やフィジカルAIを活用した開発を強みとし、最先端技術を用いた次世代産業ソフトウェアの社会実装に取り組んでいます。
会社名:Airion株式会社
所在地:東京都文京区本郷3-28-10 柏屋ビル2 3F
代表者:河村 拓実、大熊 拓海
HP:https://airion.co.jp/
Physical AI Studio:https://airion.co.jp/physical-ai-studio
矢崎総業株式会社
1941年創業。「世界とともにある企業」「社会から必要とされる企業」を社是に掲げ、世界トップクラスのシェアを誇るワイヤーハーネスをはじめ、自動車部品やエネルギー機器の開発・製造・販売を手がけています。
現在は世界46の国と地域に拠点を構え、グローバルに事業を展開。クルマやくらし、社会を支える製品・サービスを通じて、より豊かな未来の実現に貢献しています。
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