「直流800V給電」「液冷技術」導入から「資産価値の維持」まで、ライフサイクル伴走型で進化を支援
AIデータセンターの「電力・冷却課題」打破へ シュナイダーが営業・設計・現場を直結する新組織立ち上げ
2026年09月24日 07時30分更新
「AIデータセンター市場で問われるのは、製品の性能だけではなく、(データセンター構築の)プロジェクトを最後まで統合して遂行する能力。それが今回、シュナイダーが事業体制を変える最大の理由だ」(シュナイダーエレクトリック 青柳 亮子氏)
シュナイダーエレクトリック(Schneider Electric)日本法人が、AIデータセンターのライフサイクル全体を一貫して支援する新たな組織体制の立ち上げを発表した。製品ごとの“縦割り”ではなく、データセンターの構想・設計から構築、運用まで、関連事業部を連携させることで、最適なソリューションを提供するという。
2026年9月3日の同社 事業戦略説明会では、新たな組織体制を立ち上げた背景として、AI時代のデータセンターに生じている変化や、日本市場固有の課題などを説明した。
なお同社では、国内データセンター関連ビジネスにおいて、2025~2030年でCAGR(年平均成長率)30%以上の成長を維持し、事業規模を現在のおよそ2倍に拡大していく事業目標も明らかにしている。
AIデータセンターのライフサイクル全体を支援できる新たな組織体制
シュナイダーが今回発表したのは、ハイパースケーラーやクラウド事業者、サービスプロバイダーといった顧客企業に対し、AIデータセンターの構想・設計から構築、運用までを一貫して支援するための組織体制だ。新たな体制を立ち上げた背景について、青柳氏はこう語る。
「AIデータセンターを支える電力や冷却の設備、大規模プロジェクトを実現するエンジニアリング力がますます重要になってきている。日本特有の課題もふまえつつ、AIデータセンターをよりスピーディに、そして確実に実現していくために、従来の体制でできなかったことを新たな体制で実現していく」(青柳氏)
具体的には、顧客の要件や状況に応じた営業提案を担う「クラウド&サービスプロバイダー(C&SP)セグメント キーアカウントチーム」、見積や設計、プロジェクト管理を担う「Japan One Solution Center」、現場での構築やオペレーション、保守を担う「サービス事業部」の3組織がシームレスに連携して、顧客のAIデータセンタープロジェクトを支援するという。
青柳氏は「新体制で変わるのは組織図ではなく、お客さまのプロジェクトの進め方」だと説明する。つまり、製品カテゴリにひも付いた既存の事業部は変更せず、部門横断型で顧客プロジェクトを遂行していく。
「営業、設計、プロジェクト実行、サービスを一体化することで、窓口、設計責任、現場での実行責任が分断されない体制にする。まずプロジェクトの全体をとらえ、その要件から逆算して、必要な製品、設計、プロジェクトマネジメント、現場のサービスを組み合わせていく形になる」(青柳氏)
One Solution Centerは、シュナイダーがグローバルで設置を進めている組織であり、日本でも今回新設されることになった。グローバルでは約4300人が所属しており、現在、1万4000件以上のプロジェクトを遂行しているという。日本ではおよそ50名規模からスタートする。
One Solution Centerを設置する目的のひとつとして、グローバルなネットワークを通じて海外から得た知見を、日本のプロジェクトに反映することもある。たとえば、海外のハイパースケーラーが日本でAIデータセンターを構築する際、すでに構築経験のある他国のOne Solution Centerメンバーが参加し、知見を提供することも想定しているという。
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