4年前にChatGPTがリリースされてから、仕事はもちろん、家庭でも日常的に使うようになった。
何か困ったことがあると、とりあえずChatGPTに相談する。そして、教えてもらった方法でDIY的になんとかする。英語で言うなら「フィックスする」に近い。
なので最近、ChatGPTのことを心の中で“フィクサー”と呼んでいる。
初期のころは知識も少なく、回答も甘かった。「まだまだこんなものか」と思うことも多かったが、最近は明らかに違う。
いちばん変化を実感するのは、花壇だ。
西日の花壇もAIに相談する
いま住んでいる家には西側に花壇がある。夏は日照も乾燥も厳しく、環境に合わない草花はすぐ弱ってしまう。
1〜2年前にもChatGPTに相談していたが、当時は提案される植物の種類も少なく、こちらが好きな宿根草を伝えても回答はあまり変わらなかった。
いまは違う。
植物についての知識が増え、必要ならリサーチもできる。わが家の花壇に何が植わっていて、何が根付き、何が根付かなかったかも覚えている。
最近、買ってきた苗をどこに植えればいいか相談すると、花壇の写真に直接「ここ」と書き込みながら配置を提案してきた。草丈や花色、周囲とのバランスまで考えられていて、納得したのでそのまま植えた。
AIに言われるがまま自宅の花壇を作っていると考えると、少し人間として妙なものも感じる。
冷蔵庫の中身から夕飯まで
料理にもよく使う。
「ツナ、豆腐、小松菜、にんじん、コーンを使った五色丼のレシピを提案して。3人前で。子どもも食べやすい味に」
そんなふうに頼んでいる。
手元の食材、人数、子どもの好みやアレルギーまで含めて調整してもらえる。レシピサイトをいくつも見比べて、自分で材料や分量を組み替えていた作業を、まとめて頼んでいる感じだ。
そのうち、家族の好みをもっと細かく教えて、日々の献立作りまで任せてしまおうかと思っている。
自分の好みに合うミステリーや、見逃しているアニメやドラマを探してもらうこともある。好きだった作品をいくつか伝えると、かなりの確率で好みに合いそうなタイトルを挙げてくる。
便利だが、うっかりするとAIにレコメンドされたものばかり選ぶ生活になりそうだ。
コンピューターを代わりに使ってもらう
近年、特に変化を感じているのがコーディングツールのCodexだ。
最初に性能に驚いたのは、子どものための算数アプリを作ったときだった。
2桁の足し算と引き算で、繰り上がりや繰り下がりをアニメーションで理解できるようにした。画像生成AIでネコのキャラクターを作り、音楽生成AIでBGMもつけた。問題はランダムで出題される。
最初はエラーも多かったが、修正を繰り返すうちに普通に使えるものになった。
その後も資格試験の勉強用アプリや、子どもの絵を使ったゲームなどを作り、その出来に驚いた。
最近は、さらに使い方が雑になってきた。もはや「開発」というより、「コンピューターで何かしたいから代わりにやってもらう」感覚だ。
たとえばMacでごみ箱を空にできなくなったとき。原因を調べてもらうと、Microsoft Office更新時の削除済みファイルが残っていることがわかった。Officeを全部閉じてからやり直すと、一瞬で解決した。
子どもがお古のMacで遊んでいるJava版マインクラフトも、ChatGPTとCodexに頼りっきりだ。
fillコマンドの使い方、Modデータの入れ方、リソースパックの編集方法、散らかったディレクトリの整理まで……自分だけだったら100%できなかった。OpenAIさまさまだ。
「お父さんには無理」と言わなくなった
最近は、子どもが描いたドラゴンをオリジナルのトレーディングカードにする手伝いもしてもらった。
画像生成AIで子どもの描いたイラストを3D CG風に加工し、カードらしいデザインを付け、裏面も作る。さらにA4サイズの厚紙に印刷できるようPDFに割り付け、断ち切り線まで入れてもらった。
できあがったカードを見せると、子どもは
「うわ、カッコいい……」
とニヤニヤしていた。
気をよくして、「もっとカードを増やす」と新しいクリーチャーをどんどん描いている。
以前だったら、「こういうの作って」と言われても、「いや〜〜お父さんにはちょっと無理かな……」で終わっていたかもしれない。
いまは、とりあえずAIに聞いてみる。
できるかどうかを判断するのは、そのあとだ。
私はのび太になっていないか
一方で、AIに頼りきりになっていく生活には、若干気掛かりなところもある。
この4年間で、AIは生活を地味ながら劇的に変えた。ロボットが家事を全部やってくれるわけではないが、「困ったことが起きたときの行動」が変わった。
わからなければAIに聞く。
できなければAIと一緒にやる。
無理そうなことでも、とりあえず相談してみる。
気づけば、“困りごと”をAIに伝えて解決してもらうことが当たり前になっている。
まるでドラえもんに頼りきりの、のび太くんだ。
ただ、ドラえもんはのび太を楽にするのではなく、その未来を変えるためにやって来た。
では、いま使っているAIはどうだろう。
AIに頼るようになって、私は以前よりできることが増えた。一方で、何かわからないことがあると、自分で考えるより先にChatGPTを開くようにもなった。
AIは私の未来を変えてくれるのか。
それとも、AIがないと生きていけない“のび太”を育てているだけなのか。
これは杞憂かどうか、まずはChatGPTに聞いてみないといけない。
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