このページの本文へ

前へ 1 2 3 次へ

保守的な土壌からDXマインドを醸成したAI活用推進の軌跡

首都高が「AIの高利用者」を1年で10倍に 非IT人材に刺さったGemini Notebookと“泥臭い”浸透策

2026年08月24日 09時00分更新

文● 福澤陽介/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 現場のDXマインドの醸成に悩んでいた首都高速道路(以下首都高)。転機となったのは「Google Workspace」の新料金プランと「Gemini Notebook(旧NotebookLM)」の登場だった。一度は動画研修でつまずくも、地道な浸透策によって、Geminiを月100回以上利用する社員を1年間で10倍に急増させた。

首都高の“AI高利用者”は1年で22人から224人に

 2026年7月末に開催された「Google Cloud Next Tokyo 26」のセッションにおいて、首都高の鈴木佑哉氏がこうしたAI活用推進の道のりを披露した。

首都高速道路 技術部 DX推進室 DX推進課 課長代理 鈴木佑哉氏

そもそも“前提条件”が厳しかった首都高のDX

 首都高は、首都高速道路公団の民営化に伴い2005年に設立された企業であり、首都圏における都市高速道路の建設・管理・運営を担う。レインボーブリッジや山手トンネルも同社が管理している。

 鈴木氏が所属するDX推進室は2021年に発足。建設・メンテナンス分野に加え、交通情報や顧客サービス、人材育成領域のDX推進に注力してきた。こうしてDXの取り組みが進む一方で、同室はある課題に直面していた。それは「社員のDXマインドが醸成されない」ことだ。

DX推進室は発足以降、ビジョンやアクションプログラムを制定しながらDXを推進してきた

 「全社員を対象に毎年アンケートを実施していますが、『DXは重要だと頭では分かっていても、自身のメリットとして実感できず、自分ごと化できない……』という声が多く寄せられていました」(鈴木氏)

 そもそも首都高は、DXを推進するうえでの“前提条件”が厳しかった。それは、社員の平均年齢が43.9歳(2025年3月31日時点)と高めであること、ITが本業ではないこと、そして“安心安全を最優先にする事業特性”から変革が起きづらい風土であったことだ。

そもそもDX推進の前提条件が厳しかった

前へ 1 2 3 次へ

カテゴリートップへ

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

  • 角川アスキー総合研究所