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保守的な土壌からDXマインドを醸成したAI活用推進の軌跡

首都高が「AIの高利用者」を1年で10倍に 非IT人材に刺さったGemini Notebookと“泥臭い”浸透策

2026年08月24日 09時00分更新

文● 福澤陽介/TECH.ASCII.jp

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ITが苦手な社員に刺さったGemini Notebookが起点に

 鈴木氏は、生成AI活用が急拡大した要因としてGemini Notebookの存在を挙げ、「デジタルに苦手意識を持つ社員に刺さった」と分析する。同サービスは、AIに参照させたいファイルをアップロードするだけで利用でき、ハルシネーションが発生しづらく、引用元をすぐに確認できる。適用できるユースケースも豊富で、他の社員とも手軽に共有しやすいことから、多くの現場にフィットした。

 実際のGemini Notebookの活用事例も披露された。

 まずは、「社内規則・要領に関するFAQ」だ。同社では、1000以上の社内資料をアップロードした「カテゴリ別のノートブック」を全社共有。問い合わせ対応の負荷軽減や検索スピードの向上に寄与している。

 同社が進める「ETC専用化プロジェクト」でも活用されている。新たなETC無人料金所の運用資料をアップロードして、「動画解説」機能で学習用動画を作成。社内教育に加え、外部視察時の説明にも活用しており、多言語対応も容易で、紙資料以上の理解度向上につながっているという。

ETC専用化プロジェクトでの活用

 その他にも、社史や工事誌のドラフト作成やアンケート結果のスライド作成、難読資料の比較、新規事業の提案など、適用領域は多岐にわたる。鈴木氏は、「ベテラン社員が自作したノートや動画が、組織で活用されるケースも増えており、改めてGemini NotebookがDX推進の起爆剤だったと感じています」と振り返った。

 さらに、Geminiを活用したアプリ開発も活性化している。現在、「Gemini Canvas」で開発した、契約関連書類を自動作成するアプリを試行中だ。同アプリを作成したのはプログラミング未経験者であり、現場主導の業務効率化も始まっている。

契約関連の手続き書類を自動作成するアプリを内製

 このようにGeminiやGemini Notebookで一定の成果を上げた同社が、次に見据えるのは「AIエージェント」の活用だ。「Google Workspace Studio」の推進へと舵を切り、全社員研修や対面ワークショップなどの施策を始めている。

 最後に鈴木氏は、「DX推進=生成AI活用ではないが、DXの意識付けとマインド醸成において生成AI活用は重要で効果的な起爆剤」だと強調する。そしてその実現には、DX・生成AI活用推進者が、いかに「泥臭く・しつこく・熱意を持って」取り組めるかが鍵になると語られた。

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