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新清士の「メタバース・プレゼンス」 第169回

もはやローカル動画生成AIの枠におさまらない。MiniMax H3の奥が深すぎる

2026年08月17日 07時00分更新

文● 新清士

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 8月2日にオープンウェイトモデルとして公開された動画生成モデル「MiniMax H3」の衝撃が止まりません。さまざまな事例の検証や改造が世界中で始まっており、性能を追求する模索が続いています。1度に生成できる動画の長さは15秒が限界という課題を打ち破り、一貫性を保ちながら、原理的にはいくらでも動画の延長を可能にする「Context Loop」という方法まで発見され、これまでのクラウドAIサービスにはなかった機能までが開発されつつあります。プロンプトの追従性が高いため、その研究の様子とともに紹介します。

性能の高さにあらためて驚き

 MiniMax H3の公開後、筆者はさまざまな動画を作っていますが、H3の能力の高さには改めて驚かされています。アクション性の高いものから静かなシーンまで、作り込みによって複雑な動画をローカルPC上で色々試すことができるので、動画AIでできることが一変しました。「通りに戦車が入り込んできて、戦闘が始まる」というような、最初のシーンからはまるで予想もつかないような動画も作ることが可能です。(参考:とんでもない動画生成AIが出てきた 無料で試し放題の「MiniMax H3」を徹底検証

動画より、まわりの建物を破壊しながら戦車が迫る

△通りに侵入してきた戦車に発砲する本連載のモデルの明日来子さん(動画は後述するAPIを使って2K再生成している)

 動画AIによる動画の生成は、画像サイズが大きいほどきれいになる傾向があります。しかし、その分、計算時間が大幅に長くなり、VRAMの要求サイズも大きくなります。そのため、高速化を図るさまざまな方法が登場してきています。MiniMax H3は20ステップを基準にしています。このステップ数は、画像を生成するプロセスを何回繰り返すのかを示しており、この回数を小さくすることができれば、生成時間はその分短くなります。

 しかし、ステップ数を減らすと、そのぶん品質に直接影響が出てしまいます。ノイズが出たり、人間の顔や体が破綻したりと、品質が低下してしまうのです。それを補うために、高速化LoRAが次々と開発されていますが、なかなか品質に納得できる水準のものができていないのが実情です。

 それでも、筆者が様々に試した結果、現在は清華大学が開発した特にRTX 4090で効果が大きい「SageAttention」と、LarryVRHさんなどの在野の開発者が中心になって開発している「minimax_h3_turbo_v4_step600_ema_pruned」のTurbo LoRAモデルの組み合わせを使うようになりました。LarryVRH LoRAはその効果が大きく、ステップ数を8まで大きく減らしているにも関わらず、あまり品質が下がりません。

 筆者の場合、RTX 4090搭載PCで、1248×832ピクセル(約104万画素、アスペクト比3:2)の出力をすることが多いのですが、15秒の動画の生成に約20分かかります。これが、この高速化を使うと、9分45秒ぐらいまで短くできます。もっと短くする方法もあり、さまざまな方法を試したのですが、品質がもう一つのために採用していません。

謎のロボット。リファレンスは過去に作ったAIでの3Dモデルを使用

△渋谷の街を歩く謎のロボット。1024x1024。もう少し解像度がほしいところ

 とはいえ、1本あたり約10分の生成をしても、その結果が今ひとつということは少なくありません。H3はプロンプトへの追従力も高く、表現できる潜在力も高いのですが、生成していて悩ましいのは、プロンプトの記述内容が悪かったのか、それとも単にシード値の問題だったのかを切り分けるのが難しいところです。

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