“モヤモヤ”状態で生成結果を確認する手法
H3を触っていて何よりつらいのは、10分待って出てきたものを微修正し、その結果を待って、また微修正と再生成を繰り返すのに、かなり骨が折れることです。動画AIは条件を変えると、出力結果も変わってしまいます。そのため、同じ条件を維持しなければならないという制約がつくのです。
そんな中、鈴木憂一(@yu_ichi_suzuki)さんが面白い方法論を提案されていました。確認用にステップ数自体を減らしてしまえばいいのではというアプローチです。ステップ数を5と1/4にすることで、生成時間は半分以下にすることができます。生成される動画はまだモヤモヤした状態になるものの、プロンプトや構図などの確認に使えるというものです。同じプロンプトであっても、シード値によってかなり違った結果が出ます。
いくつも生成してみて、気に入ったシード値のものを選び、時間をかけて生成したいものを絞ってから20ステップで生成して、“清書”するというやり方です。
ローカルMiniMax H3の当たり探し、「予告編」方式が良い感じかも。
— 鈴木憂一 | Highdrama (@yu_ichi_suzuki) August 8, 2026
20step設定のまま最初の5stepだけ実行して途中経過を書き出す(左・約80秒)。ボケてるけど構図や月の大きさは確認できる。気に入ったシードだけ完走(右・約190秒)すると、予告編と同じテイクがそのまま仕上がる。… pic.twitter.com/i1EPC7OpJH
△鈴木さんがXで紹介している手法
筆者の環境では、この方法を3ステップで導入してみたところ、生成時間は3分20秒程度まで圧縮できるようになりました。重要なのはプロンプトの確認が容易になったことです。明日来子さんと、戦車との対決シーンでは、プロンプトがなかなか意図通りに動かず悩んだのが、明日来子さんが、後ろを向いて銃を構えて、戦車に発砲してほしかったのです。
ところが失敗した動画では、明日来子さんは、前方に銃を構えて戦車と一緒になって発砲し始めます。少しずつプロンプトを変えて試していたのですが、そのたびに約10分待たされるわけで、かなり苦痛でした。そこに鈴木さんの手法を使うことで約3分に縮めたことで、きちんと明日来子さんが振り向いたまま発砲して、最後は走り出して逃げるという意図通りになったかを確認できるベース動画を作ることができました。その上で、冒頭の最終的な動画に仕上げていきました。
この方法は、これまでクラウドAIサービスには搭載されていなかったもので、ローカルで使える強みを発揮できる手法です。
△動画生成の失敗例2本
△完成動画とステップ3の動画を比較したもの
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事
-
第168回
AI
とんでもない動画生成AIが出てきた 無料で試し放題の「MiniMax H3」を徹底検証 -
第167回
AI
“Fable級が無料”は本当か AI市場を震撼させた「Kimi K3」を試した結果 -
第166回
AI
社内WebサービスをAIで開発 完成後に直面した運用の壁 -
第165回
AI
AIがBlenderを勝手に操作 3D制作のハードルが一気に下がった -
第164回
AI
AIはすでに、私たちの心を内部で再現しているのかもしれない -
第163回
AI
無料の画像生成AI「Krea 2」が話題 実写もアニメもこなす新勢力 -
第162回
AI
ローカルAIで“しゃべる推理ゲーム”を作ったら、思ったよりちゃんとゲームになってきた -
第161回
AI
わずか3日で停止された新AI「Claude Fable 5」は何がすごかったのか -
第160回
AI
寝不足になるほど面白い ローカルAIと音声合成をつないだら、キャラが普通にしゃべり始めた -
第159回
AI
AIを使える人と使えない人で、とんでもない差が出ると実感した理由 - この連載の一覧へ







