このページの本文へ

前へ 1 2 3 4 5 次へ

Silent Master Noctua Edition X870Aをレビュー

ファンが12基もあるのにほとんどの活用シーンで35dB以下、サイコムのNoctua尽くし静音ゲーミングPCがすごすぎた

2026年08月05日 10時00分更新

文● 宮里圭介 編集●ジサトライッペイ/ASCII

提供: 株式会社サイコム

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷
Silent Master Noctua Edition X870A

 PCの騒音源はCPUクーラーやビデオカード、PCケースの「ファン」である。そのため、PCを静音化するのであれば、ファンの回転数を低くして騒音を抑える、あるいはファンの数そのものを減らすことがセオリーだ。しかし、これらの方法は冷却力の低下を招くこともある。

 となると、ファンの数を必要最小限に絞り、なるべく大型のファンにして風量を上げて冷却力を確保するという手段にいきつく。さらに、ビデオカードと電源ユニットは、低負荷時にファンの動作を止めるセミファンレスモデルを採用する、というのが静音PCの模範解答だろう。

 そんな定説を覆し、合計12基のファンを搭載するという独自路線を突き進んだ静音ゲーミングPCが登場した。それが今回紹介するサイコムの「Silent Master Noctua Edition X870A」だ。

Silent Master Noctua Edition X870A

サイコムの静音ゲーミングPC「Silent Master Noctua Edition X870A」。標準構成の直販価格は61万6440円(送料込み)

Silent Master Noctua Edition X870A
標準構成の主なスペック 試用機の主なスペック
CPU AMD「Ryzen 7 9800X3D」
(8コア/16スレッド、最大5.2GHz)
AMD「Ryzen 9 9950X3D2 Dual Edition」(16コア/32スレッド、最大5.6GHz)
CPU
クーラー
Noctua「NL-LC1-36」(簡易水冷、360mmラジエーター)
マザー
ボード
GIGABYTE「X870E AORUS ELITE WIFI7」(AMD X870E、ATX)
メモリー 32GB(16GB×2)、DDR5-5600 <メジャーチップ・JEDEC準拠品>
ストレージ Crucial「P510 CT1000P510SSD8」(1TB M.2 SSD、PCIe 5.0) Crucial「T710 CT1000T710SSD8」(1TB M.2 SSD、PCIe 5.0)
ビデオ
カード
サイコム「Silent Master Graphics RTX5070Ti 16GB」
(GeForce RTX 5070 Ti、16GB GDDR7)
PCケース Antec「FLUX Pro Noctua Edition」(E-ATX、フルタワー)
電源
ユニット
ASRock「Steel Legend SL-1000G」
(1000W、80 PLUS GOLD、Cybenetics PLATINUM、LAMBDA A)
ASRock「Steel Legend SL-850G」(850W、80 PLUS GOLD、Cybenetics PLATINUM、LAMBDA A+)
通信機能 2.5GbE(有線LAN)、Wi-Fi 7(無線LAN)、Bluetooth 5.4
サイズ 245(W)×530(D)×545(H)mm
OS Microsoft「Windows 11 Home」
直販価格(キャンペーン適用前) 61万6440円 72万2920円
直販価格
(キャンペーン適用後)
57万8520円 68万5000円
36回払いの
月々価格
(キャンペーン適用後)
約1万6070円 約1万9028円

電源ユニットも含めると合計12基のファンを搭載

 Silent Master Noctua Edition X870Aの特徴は、なんといっても多数のファンを搭載していること。ファンの数は、水冷CPUクーラーの3基、PCケースファンの6基、ビデオカードの2基、電源ユニットの1基で合計12基も備える。静音PCでこの数は明らかに異常である。

Silent Master Noctua Edition X870A

横から見ると、天面に3基、背面に1基、ビデオカードの下部に2基が見える

Silent Master Noctua Edition X870A

前面には吸気ファンを3基装備

Silent Master Noctua Edition X870A

さらに、ビデオカードにはファンを2基備える

 静音PCのセオリーからすれば、ファンの数は減らせば減らすほどいいはずだ。しかし、本機はご覧の通り、むしろ一般的なゲーミングPCよりもはるかに多い。その本機がどうして静音PCシリーズとなる「Silent Master」を名乗っているのか、不思議に思う方もいるだろう。

実はけっこうややこしい騒音値とファン数の関係

 しかし、実はファンの数を増やしたほうが静かになる、ということもあり得るのだ。このことを理解するために、「騒音値」というものを簡単に説明しておこう。騒音値を表わす単位に、dB(デシベル)がある。この数値が高ければ高いほど、人の耳はうるさく感じるという単位となる。

 目安としては、40dBで図書館内、50dBでエアコンの室外機くらいの騒音といわれている。PCの場合、30dB台前半なら静か、40dB前後で音に気づくがまだ許容範囲、50dBを超えるとうるさい、といった感じだろうか。そのため、静音PCを名乗るのであれば、高負荷時でも40dB以下になっていることを期待したい。

 この数値が理解しづらい点は、複数の騒音源がある場合、単純な数値の足し算にならないことだ。具体的な計算方法は割愛するが、たとえば20dBの静音ファンを2基使っても40dBにはならず、約23dBにしかならない。さらに数が増えた場合でも、4基なら約26dB、10基になって30dB程度になる。

 つまり、騒音値が30dBと大きめなファンを1基使うのと、20dBの静音ファンを10基使うパターンでは同じ騒音値になることもある。このことから、ファンの数を増やしたほうが静かになる、ということはありえない話ではないとわかってもらえるだろう。

 ただし、一部の製品を除き、CPUクーラーなどのファンの回転数は一定ではなく、必要に応じて変化する。高回転時は30dBのファンでも、低回転時なら20dBになることもあるため、ファンの数や種類の選択は複雑だ。では、合計12基ものファンを搭載する本機は、どうやってそのバランスをとっているのだろうか。

 そのキーポイントは、Noctua製品を徹底的に採用するというこわだりにあった。

前へ 1 2 3 4 5 次へ

カテゴリートップへ

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります