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新清士の「メタバース・プレゼンス」 第164回

AIはすでに、私たちの心を内部で再現しているのかもしれない

2026年07月13日 07時00分更新

文● 新清士

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J空間と“メタ認知”の関係は……

 一方で、この研究では、一言もMythosやFableといった最新のLLMについての言及はされていません。しかし、Anthropicが最新のモデルを制御していくうえで、このJ空間を利用していると筆者には思えてなりません。少なくとも、MythosをFableとしてより安全性の高いアライメントにするために、応用しているのではないでしょうか。

 そして、今はまったく直接的な証拠はありませんが、Fable 5は、もしかすると、拡張されたJ空間のテクニックを使って、それをリアルタイムで見て、自らの出力に影響を与えているのではないかと考えるのです。それがFable 5が獲得したメタ認知能力に直接つながっているのではないかと、筆者は考えています。NEON SWARMを開発している最中のFable 5のJ空間には、人間シミュレーターを精度高く成立させるための情報が多数浮かんでいたのではないでしょうか。

 少なくとも、これまで比喩にすぎなかったAIが「モデル化した人間を内部で走らせている」という感覚は、今後、J空間という観察可能な研究対象に結びつけられる可能性が出てきたとは言えるでしょう。

 

筆者紹介:新清士(しんきよし)

1970年生まれ。株式会社バリーン・スタジオ Creative Tech Lab./デジタルハリウッド大学大学院教授。慶應義塾大学商学部及び環境情報学部卒。ゲームジャーナリストとして活躍後、VRマルチプレイ剣戟アクションゲーム「ソード・オブ・ガルガンチュア」の開発を主導。2026年3月に発売したクラフト系サバイバルゲーム「Exelio」のAIによるキャラクターデザイン、3Dプロップの作成を担当。著書に『メタバースビジネス覇権戦争』(NHK出版新書)がある。

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