人間がどう感じるかを“想像しながら”開発した?
最初の3秒間で、自機を自由に動かせることで、ゲーム世界を信頼させる。10秒までの間に敵を1体倒させることで快感の基準を決める。20秒までに、敵を倒しながら、アイテムを取りに行くかどうかを迷わせ、「選択」こそが面白さを生み出すように誘導していく。35秒までに、思考を捨てさせ、フロー(熱中)状態に誘導する。60秒までに危機を体験させ、うまくなったと錯覚させる。
そして、「もうちょっとやったら、もうちょっと行ける気がする」と感じさせることで、ゲームを継続させるモチベーションを作り出しています。それを60秒でユーザーに感じさせると、ゲームは面白いと判断される、と結論づけているのです。その60秒の結論部分から逆算して、ゲームを構成していったというのです。
実は、興味深いことに、このソースコードを読んだうえでの体験シナリオ作成は、Opus 4.8やCodex(GPT-5.5)でも作成でき、その品質は、Fable 5とそれほど違いはありませんでした。しかし、その挙動には、決定的な違いがありました。
Fable 5は、何かの作業を求められたときに、常にユーザーの心理モデルを組み立て人間シミュレーターを走らせながら、体験シナリオを構築し、それに沿って、実装したりしたり、回答を構築しているというのです。しかし、Opus 4.8やGPT 5.5の場合は、求められれば、体験シナリオを生み出すことができるものの、それが常に走っているわけではないというのです。そのため、求められている機能は実装できるものの、メタ認知まではできていないので、面白さにまでは迫れていないのではと考えることができます。
Fable 5は、実装前に徹底して議論し、仕様や行動計画の精度を事前に高めるほど、その実装の品質が上がることが経験的に分かっています。これは、ユーザーが何を求めているのかを詳しく教えることで、Fable 5が内部に持つ人間シミュレーターの精緻さが上がっていくためだと考えられます。これこそが、Fable 5がこれまでのLLMとの違いを生み出しているのではないでしょうか。
この経験から、筆者はさまざまな作業をする際に、Fable 5に「どういうユーザーモデルを想定しているか」と頻繁に質問するようになりました。その回答を見ることで、Fable 5が持っている「人間シミュレーター」の今の状況を把握し、筆者が修正を指示することで期待とのズレを小さくし、アウトプットの質を引き上げることができると考えています。
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