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日本進出11年のChannel Corporationが提案する「AI時代のカスタマードリブン」

AIエージェントが顧客対応から“恋愛相談”まで マッチングアプリwithのCSを変えたチャネルトーク

2026年07月15日 09時00分更新

文● 福澤陽介/TECH.ASCII.jp

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 「AIで顧客の声を聞かない。 AIで顧客に向き合う。皆様はどちらでしょうか」―― 2026年6月、Channel Corporationが日本進出11年目に開催したイベント「CHANNELCON26」の冒頭で、日本法人代表の崔在鎔(Joy Choi)氏はこう問いかけた。

 同社は「カスタマードリブン」を信念に、顧客コミュニケーションの基盤「チャネルトーク(Channel Talk)」を展開。グローバル23万社以上に導入されている同基盤において、AIエージェント「ALF」を投入している。

 本記事では、このALFがCS(カスタマーサポート)のあり方を変えたマッチングアプリ「with」の事例セッションと、ALF提供までの道のりが語られた基調講演の様子をレポートする。

「CHANNELCON26」は崔在鎔(Joy Choi)氏の熱気あふれる基調講演から幕を開けている

マッチングアプリ「with」のAIエージェント選定の決め手は“温度感”

 毎月1万2000人の恋人を生み出し、累計会員数1500万人を超えるマッチングアプリ「with」において、ユーザーの“安心安全”を担っているのが「カスタマーケア」部門だ。

 同部門のマネージャーである藤平直也氏は、「一般的なCS組織と異なり、問い合わせ対応だけではなく、入会審査や通報・トラブル対応、悪質ユーザー対策までを担当しています。まさにユーザーの安心安全を守り抜くための組織」と説明する。

with Customer Care マネージャー 藤平直也氏

 そんな同部門が、AIエージェントの導入に踏み切ったのは、「24時間対応」のニーズに応えるためだった。withの有人サポートの対応時間は10時から18時までの8時間。一方で、マッチングアプリの利用が活発になる夜間から深夜帯であり、ユーザーに寄り添うサポートが十分に提供できていなかったという。

 しかし、AIエージェントの選定は一筋縄ではいかなかった。会話ベースをうたうサービスの多くは機械的な対応にとどまり、そもそも正確な回答すらおぼつかないものばかり。こうした中でチャネルトークのALFを選択した決め手は「温度感」だったという。

 「問い合わせ対応において、ユーザーの感情の機微を理解しながら受け答えできるかが重要なポイント。ユーザーに寄り添って“温度感”を変えられるAIはALFだけでした」(藤平氏)

チャネルトークのALFを選択した理由

 ただ、会社として初めてのAIエージェントの導入ということもあり、「きちんと回答できるのか?」という不安はずっと付きまとっていた。その懸念を払拭できたのは、withが蓄積してきたFAQや恋愛コンテンツをALFに与えることで、回答精度が高まることを確認できたからだ。

ALFで有人対応が激減 問い合わせ対応だけではなく“恋愛相談”も

 こうして運用を開始したALFは、明確な成果を上げている。ユーザー数が増える中でも、MAU(月間アクティブユーザー数)あたりの問い合わせ発生率は半年で18%も減少。メールの問い合わせをする前にALFが稼働する設計によって、オペレーターの負担も大幅に軽減されたという。

ALF導入後の定量的な成果

 もうひとつ大きなインパクトとなったのが「VoC(顧客の声)の拡大」だ。有人対応数を減らせただけではなく、AIへの問い合わせ数は毎月増加。それに伴い、「サイレントカスタマー」の声が可視化されるようになった。

 同時に、新たな業務も生まれた。顧客との対話ログを分析してエージェントを育てていく「AIマネージメント」業務だ。問い合わせ対応の負担を減らせたからこそ、こうした新しい役割やより本質的な業務にリソースを割けるようになっている。

ALFの導入で変わったこと

 ユーザーにとってもエージェントの導入がプラスに働いている。それは、「相手がAIだからこそ、気軽に相談ができる」という心理的効果が生まれたことだ。実際に、AI相手に2週間継続して恋愛相談をし続けるユーザーもいたほどで、単なる課題解決を超えた「話し相手」としての役割も担い始めている。

 藤平氏は、「メールの問い合わせだけでは拾えなかった、『気になる』『聞けない』『恥ずかしい』といった声をALFが吸収しています。今後、この広がったVoCを活かしていきたい」と語る。同部門では、特にユーザーの「恋愛に対する壁打ち」を増やすべく、ALFのパーソナライズ対応の強化や、ペルソナの複雑化を進めていく予定だ。

ALFによってVoCのゾーンが広がりサービス改善へ

 最後に藤平氏は、「AIがどれだけ発展していってもCSの本質は変わらない」と強調する。「我々の大事にしている顧客体験や寄り添うサポートは、AIで損なわれることはありません。むしろ顧客の声はより幅広く、多く得られるようになり、それをサービス改善に活かすなど、業務の本質に向き合うことができるのです」と締めくくった。

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