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HHKB生誕30周年で限定モデルがお目見え!

あのHHKBに激軽30gモデル登場! 実際に使ってみたら最高だったので乗り換え決定

2026年06月04日 11時00分更新

文● 柳谷智宣 編集● ASCII

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 PFUは、Happy Hacking Keyboard(HHKB)生誕30周年を記念した限定モデル「HHKB Professional HYBRID Type-S(押下圧30g)」を発表。HHKBとして初めて押下圧30gを採用し、“フェザータッチ”と呼ぶ軽い打鍵感を実現した。

 30周年ロゴ入りの赤いControlキーを装着しており、国内販売は限定3000台。今回はこの特別なHHKBを一足先に試すことができたので、製品レビューをお届けする。

HHKB

祝30周年! 押下圧30gのHHKBやいかに。30周年ロゴ入りのControlキーがカッコいいので、これだけ欲しいHHKBユーザーもいそうだ

もう15年来、キーボードはHHKB一筋 しかも壊れない

 キーボードは毎日触る道具だ。筆者のように日々原稿を書いている人間にとっては、もはや文房具というより、仕事をするための身体の一部に近い。どんなに高性能なPCを使っていても、チープなキーボードだと指先に違和感があり、気持ちよく文章を書けない。そのため、外出先で仕事をする際はHHKBを持参する。

 筆者がHHKBデビューしたのは熱心なファンの中では比較的新参でもある2011年の「HHKB Professional Type-S」から。その間、メインPCは何台も乗り換えてきたが、キーボードだけはずっとHHKBだった。しかも全然壊れない。

HHKB

筆者が2011年から使ってきた「HHKB Professional Type-S」。ハードに使っても故障どころか印字のかすれもなかった

 HHKBを語るときに有名なのが、馬の鞍の伝説だ。アメリカ西部のカウボーイは、馬が死ぬと馬はその場に残すが、どんなに砂漠を歩こうとも、鞍は自分で担いでいく。馬は消耗品だが、鞍は自分の身体になじんだインターフェースだからだ、という話だ。

 正直、最初にこの話を聞いたときは「よくできたマーケティングだな」くらいに思っただけだったが、十数年HHKBを使っていると、これが比喩ではなくなってくる。PCは何台も変わった。仕事場所も変わった。扱う原稿のテーマも変わった。それでも、指先にあるのはHHKBだった。もはや「入力機器」というより、仕事の相棒だ。

 2019年からは、現行モデルの「HHKB Professional HYBRID Type-S」に乗り換えた。有線でもBluetoothでも使え、キーマップも変更できる。筆者の大量の執筆業務を、毎日何事もなかったように支えてくれている。派手な機能を見せびらかす道具ではないが、HHKBに向かうと「よし、書くか」という気分にしてくれる。筆者にとってHHKBはなくてはならない存在になっている。

30周年のHHKBが仕掛けた“チョウ軽い”記念モデル

 そんなHHKBが、2026年に生誕30周年を迎える。

 HHKBの出発点は、東京大学名誉教授の和田英一氏が「マイキーボードを作りたい」と考えたこと。HHKBの思想は、昔から一貫している。合理的なキー配列とコンパクトなサイズ、極上のキータッチ。テンキーやファンクションキーを削ぎ落とし、ホームポジションからできるだけ手を動かさずに入力できるようにする。慣れるまでは少し戸惑うが、いったん慣れてしまうと、手放せなくなるほど快適なのだ。

 HHKBは決して、万人受けする安価なキーボードではないが、30年にわたって支持され、世界中のユーザーに使われ続けている。累計出荷台数は2026年4月時点でなんと77万台を突破。どれほど根強く支持されてきたかがわかる。

 そして30周年の今年、PFUが用意したのが「HHKB Professional HYBRID Type-S(押下圧30g)」だ。

 ここで思い出すのが、HHKB公式Xアカウントのエイプリルフール投稿だ。「チョウでも押せる チョウ軽いキータッチ」というネタで、蝶がHHKBを押している画像が投稿されていた。ああ、今年もやっているな、と思っていたのだが、これが実は伏線だった。こういう演出、嫌いではない。PFUの中の人たちのどや顔が目に浮かぶ。

 今回の30周年記念モデルの最大の特徴は、やはり押下圧が初めて30gになっていることだ。従来のHHKBは押下圧45gなので、数字だけ見てもかなり軽くなっている。PFUは“フェザータッチ”と表現している。

 販売は国内3000台限定。英語配列と日本語配列を用意し、カラーは墨、白、雪の3色。30周年記念デザインの赤いControlキーを装着し、全モデルで中央印字キートップを採用する。さらに記念ステッカーも同梱される。スペック上の進化は「30g」に集約されるのだが、見た目にも30周年モデルらしい特別感がある。

HHKB

3000台限定の30周年モデル。筐体や機能自体は従来モデルと同じ。

真っ白な雪モデルと赤いControlキーだけで気分が上がる
30gはやっぱり軽い 慣れが必要かもだが、これは気持ちいい

 今回試したのは雪モデル。白モデルより真っ白で、美しい。机の上に置いたときの清潔感があり、赤いControlキーがアクセントとして効いている。HHKBはもともとミニマルなデザインなので、派手な装飾を入れすぎると世界観が崩れそうだが、この赤キーはいい感じ。30周年の記念感を持ちつつ、浮いていない。

 筐体そのものは、従来の「HHKB Professional HYBRID Type-S」と同じだ。サイズ感もキー配列も、機能も変わらない。キートップの印字は中央に配置されている。筆者は長年、左上印字のHHKBを使ってきたので、最初は少し新鮮だった。個人的には左上印字でもいいのだが、雪モデルの中央印字は見た目がすっきりしていて、これはこれで慣れてきた。

 気になるのが打鍵感だろう。いつもの感覚でタイピングすると、想像よりも軽く、スコッと底を打つ。かなり違う感触だ。45gから30gへの変化は、数字で見る以上に大きい。HHKBの打鍵感は持ちつつ、キーを押し込むための力だけがすっと抜けているような印象だ。

 従来モデルに慣れている指で触ると、最初は「あれ、もう底打った?」という感じがある。筆者は強くタイピングする癖があるのだが、せっかくなので力を抜いて入力するように心がけてみた。すると、HHKBの表面を指がすべるようにタイピングできる。これは気持ちがいい。

 打鍵音も小さくなっている。従来のType-Sも十分静かなのだが、45gモデルでは、コトコトとした低めの打鍵音を感じることがある。今回の30gモデルは、より小さく、カシュッとこすれるような軽い音になる。強く押し込まなければ、その音もさらに小さい。

 筆者は自宅で執筆しているので、多少打鍵音が大きくても問題ない。しかし、出張時は話が別だ。ホテルの部屋で夜に原稿を書くこともあるし、取材先やシェアスペース、新幹線で作業することもある。そういう場面では打鍵音が気になることがあるが、この30gモデルなら、その点も申し分ない。

 まだ使い始めて日が浅いので、「入力速度が上がった」と断言することはできない。しかし、指の負担が明らかに小さいのはすぐにわかる。大量に原稿を書く日の終盤に効いてきそうだ。

 結論から言うと、これはメインHHKBの乗り換え確定。早速、能登半島地震復興応援のクラウドファンディングでもらった輪島塗のEscキーをセット。もちろん、この原稿も30周年記念モデルHHKBで執筆している。

HHKB

筆者の仕事環境。実際に触ってみて30周年記念モデルをメインに据えることにした

軽いタッチが好みなら、限定3000台がなくなるまえに検討したい

 「HHKB Professional HYBRID Type-S(押下圧30g)」は、英語配列と日本語配列を用意し、カラーは墨、白、雪の3色。価格は3万9600円。PFUダイレクト本店限定で、国内合計3000台の限定販売となる。

 キーボードとして見れば安くはない。しかし、HHKBの30周年記念モデルで、HYBRID Type-Sがベースで、押下圧30gの特別仕様。それで4万円を切っているのは、かなり頑張った価格だと思う。

 もちろん、45gと30gのどちらがいいかは好みだろう。しっかりした押し心地が好きなら従来モデルの45gが合うかもしれない。逆に、軽いタッチでスルスル入力したい人、長時間のタイピングで指の負担を減らしたい人、出張先や静かな場所でも使いやすいHHKBが欲しい人なら、30gモデルはかなり刺さるはずだ。

 やっぱり筆者にとって、HHKBは最高のキーボードと言える。単に高級なキーボードというだけではない。「この道具で仕事をしたい」と思わせてくれるところがいい。PCはいつか買い替える。だが、指先になじんだキーボードは、できればずっと使い続けたい。

 HHKBに興味があるなら、ぜひ一度手に取ってみてほしい。最初は少し戸惑うかもしれない。しかし、入力する量が多い人なら、数日で「あれ、これいいぞ」となる可能性が高い。そして、軽いタッチが好みなら、今回の30周年記念モデルはかなり有力な選択肢になる。国内3000台限定なので、気になるなら早めに検討することをおすすめしたい。

 

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