Mr.ウォーカー玉置泰紀が厳選! おすすめスポット/アイテムベスト5 第13回
【決定版・金ヶ崎の退き口】大河ドラマ『豊臣兄弟!』で注目の撤退戦! 秀吉・秀長が命を懸けた“おすすめ”スポットベスト5
2026年06月04日 17時00分更新
世紀の撤退戦を歩く! 「金ヶ崎の退き口」おすすめスポットベスト5
第5位:信長軍の猛攻の爪痕と絶望への暗転「天筒山城(てづつやまじょう)跡」
撤退戦の引き金となった金ヶ崎城攻め。その前哨戦として織田軍が総攻撃を仕掛け、わずか一日で電撃的に攻め落としたのが隣接する「天筒山城」。守将の寺田采女丞らを討ち取り、この圧倒的な速攻を目の当たりにした本命の金ヶ崎城(朝倉景恒)は、なんと戦わずに無血開城してしまう。
【胸熱トリビア】 天筒山城(標高171m前後)と金ヶ崎城は尾根続きの連携要塞。実は天筒山の主郭から金ヶ崎城方面が丸見え(一望できる)。朝倉側は「あ、これ上から見下ろされてるわ。詰んだ」と戦略的に不利を悟って無血開城した可能性が高いと指摘されている。
現在は曲輪・堀切・切岸などの遺構がバッチリ残るハイキングコースになっている。展望台からの敦賀湾の絶景は、「勝ったぞー!」と沸き立つ織田軍が、直後に挟み撃ちを知って絶望のどん底に突き落とされる“究極のコントラスト”を強烈に体感できる好スポットだ。
【アクセス】JR敦賀駅からコミュニティバスで約15分、「金崎宮口」下車。ハイキングコース入り口まで徒歩約10分。
【行きやすさ・歩きやすさ】★★★☆☆ 山道のためスニーカー必須。敦賀市も「金ヶ崎城跡とセットで巡る」ことを大推奨している。
第4位:小豆袋の伝説に思いを馳せる「金ヶ崎城跡の全景」
金ヶ崎の全体像を捉えるなら、少し離れた海側(金ヶ崎緑地など)から小高い山(城跡)を見上げるのがおすすめ。三方を山に囲まれ、一方が海という「袋のネズミ」状態が視覚的に一発で理解できる。ここから山城を登っていくと、浅井勢が迫る城下(現在の敦賀市街や北陸新幹線の駅方面)を見下ろすことができる。
【胸熱トリビア】 この金ヶ崎城跡、実は戦国時代よりずっと前、南北朝時代(1336年)に新田義貞が後醍醐天皇の皇子(尊良・恒良親王)を守って足利軍と死闘を繰り広げた壮絶な古戦場でもある。敦賀市公式の保存活用計画でも、中世からの「要害としての連続性」が強調されている。二つの時代の英傑たちが血を流した、まさにガチの要塞なのだ。
【アクセス】JR敦賀駅からぐるっと敦賀周遊バスで約15分、「金ヶ崎緑地」下車すぐ。
【行きやすさ・歩きやすさ】★★★★★ 海沿いの平坦な公園。駅からバスでサクッとアクセスでき、スニーカーで気軽に非日常へトリップできる。
第3位:一触即発の外交劇! 信長が駆け抜けた「朽木越え(くつきごえ)」への道
信長は浅井の裏切りを知るやいなや、少数の供回りだけを連れて金ヶ崎から京へと一目散に逃げ出す。その際、浅井の領地を避けて西側の山中を抜ける「朽木越え」のルートを選択した(現在の滋賀県高島市朽木)。
【胸熱トリビア】 『朝倉記』などによると、現地の豪族・朽木元綱は当初信長を討つ気満々だったが、同行していた松永久秀の決死の説得により翻意し、道を通したというギリギリの外交劇があったと伝わる(※元綱が将軍家と繋がりが深く、信長を歓待したという説も)。『継芥記』には、信長がわずか十数名(または十名程度)で夜の京へ辿り着いたとあり、その極限の逃避行ぶりが伺える。
【アクセス】JR敦賀駅から車で国道161号(西近江路)などを経由し、滋賀県高島市朽木方面へ。
【行きやすさ・歩きやすさ】★★★★☆ 徒歩で山を越えるのは至難の業だが、レンタカーなら快適。当時の信長の冷や汗を想像しながらのドライブは臨場感MAX。
第2位:決死の逃走ルートと家康の救援伝説「佐田の浜」と「国吉城」
殿軍の目的は「勝つこと」ではなく「時間を稼ぐこと」。朝倉・浅井軍の猛追を振り切り、命からがら目指したのが、約10km離れた美浜町の「国吉城(続日本100名城)」だ。
【胸熱トリビア】 若狭国吉城歴史資料館によると、国吉城は朝倉氏の侵攻を10年近く撃退し続けた「難攻不落の境目城」。最近の発掘で立派な石垣の城郭だったことも判明している。
さらに『東遷基業』などの後世史料には、国吉城まで数kmの「佐田の浜」付近で秀吉部隊が激戦となり、近くを退却中だった徳川家康が救援したという胸熱な伝説も(※一次史料では家康の越前参加自体に疑問符がつく諸説あり)。
資料館では「信長・秀吉・家康・光秀」の三英傑+αゆかりの城として紹介されており、この城が殿軍にとってどれほどの「希望の光」だったかが伝わってくる。
【アクセス】JR小浜線「美浜駅」から車で約5分(若狭国吉城歴史資料館)。山頂の本丸跡まではそこから徒歩約30分。
【行きやすさ・歩きやすさ】★★★☆☆ まずは麓の資料館で最新知見をインストールしてから登城するのが鉄則。本丸を目指すなら歩きやすい靴と服装で。
第1位:殿(しんがり)の舞台! 死と隣り合わせの絶景「月見御殿跡(金ヶ崎城本丸跡)」
堂々の第1位は、金ヶ崎城の最高所(海抜約86m)に位置する本丸跡、通称「月見御殿跡」。目の前には敦賀湾のパノラマが広がり、息を呑むほどの絶景だが、当時はここが地獄の最前線だった。
【胸熱トリビア】 金崎宮の中腹からさらに登った先にあるこの場所。追撃してくる朝倉軍を食い止めるため、秀吉・秀長兄弟や、光秀、池田勝正ら諸将が血を流し、泥にまみれて戦い抜いたまさにその舞台だ。
金崎宮公式でも、この地での彼らの「難関突破」体験が、現代の開運信仰に直結していると謳っている。敦賀市や観光協会の史跡保存計画でも、この「物語性」と「史実」のバランスを重視した整備が進められている超重要スポットなのだ。
【アクセス】JR敦賀駅からぐるっと敦賀周遊バスで約15分、「金崎宮口」下車。そこから山道を徒歩約15〜20分。
【行きやすさ・歩きやすさ】★★★☆☆ 金崎宮のさらに奥にあるため、階段や坂道が続く。歩きやすい靴は必須だが、登り切った後の湾の眺望は圧巻の一言。
編集後記:「退く」ことは負けではない。敦賀の海が教えてくれる「生き抜く力」
金ヶ崎の退き口の舞台となる5つのスポットを案内した。この金ヶ崎ほど、「敗戦や撤退の地」が、ポジティブなエネルギーに満ちたパワースポットとして現代に愛されている例は珍しい。
現代のビジネスや日常において、「退く」「逃げる」という選択は、往々にしてネガティブな挫折として捉えられがちだ。しかし、約450年前の豊臣兄弟は違った。彼らは絶望的な状況下で、ただ背を向けて逃げたのではない。主君と仲間の命を守るため、自ら地獄の最前線(殿)に残り、泥にまみれながら「前向きに退いた」のだ。死と隣り合わせの極限状態で兄弟が背中を預け合い、這いつくばってでも国吉城という希望の光を目指して生き延びたその行動が、結果として彼らを天下人へと押し上げる最大のターニングポイントとなった。
月見御殿跡(本丸跡)に立ち、穏やかな敦賀湾を眺めていると、そんな彼らの「絶対に生き延びる」というすさまじい執念が、時を超えて足元から伝わってくる気がする。歴史とは、勝者が書き残す華々しい栄光ばかりではない。どん底のピンチをどう乗り越えたかという「泥臭い生存戦略」にこそ、不確実な現代を生きる私たちが学ぶべきリアルな教訓が隠されているのではないだろうか。
もしあなたが今、仕事や人生で大きな壁にぶつかり、立ち止まったり、あるいは一歩退くことを迫られたりしているなら、ぜひこの金ヶ崎の丘に登ってみてほしい。敦賀の海から吹き上げる力強い風が、「今は退いてもいい。生き抜いてさえいれば、必ず次は勝てる」と、あなたの背中を優しく、そして力強く押してくれるはずだ。
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