未来デザインのフラッグシップノート=「CoreUltra X7 358H」のGPUは暴走クラスだった=Dell 新「XPS 16」実機レビュー
2026年04月24日 00時30分更新
デルはフラッグシップノートPCブランド「XPS」の復活をCES2026で発表し、最上位に位置する「New XPS 16 ノートパソコン(2026)」を発売した。
本製品にはグラフィックス性能を大幅に強化したインテル「Core Ultra X7 358H」を採用。16型の大型ディスプレーを搭載しつつ、高さ14.62mm、重量1.65kgという薄型、軽量ボディーを両立している。
まさに毎日携帯できるハイパフォーマンスノートPCだ。デルから試用機を借りたので、詳細スペックと洗練されたデザインの解説を皮切りに、使い勝手、そして従来世代のプロセッサーを搭載するマシンと比べて、どのぐらいパフォーマンスが向上しているのか見ていこう。
CPUはカスタムでCore Ultra X9 288Hも可能
2K液晶とタッチ対応3.2K OLEDどちらを選ぶ
「New XPS 16 ノートパソコン(2026)」(以下New XPS 16)には、標準構成として下記の2モデルが用意されている。フラッグシップということで、比較的高めの価格設定だ。
・Core Ultra X7 358H/メモリー32GB/SSD 1TB/16インチ非タッチ2K液晶(41万5500円) ・Core Ultra X7 358H/メモリー32GB/SSD 1TB/16インチタッチ3.2K OLED(45万4000円)
しかしカスタマイズオーダーが可能で、この場合の基本構成価格は29万2300円となる。選択できるのは下記の項目だ。
★プロセッサー
・Core Ultra 5 325:(8コア[4P+4LPE]、8スレッド、4.5GHz、25W[12~55W]、Intel Graphics、NPU 47TOPS)
・Core Ultra 7 355:(8コア[4P+4LPE]、8スレッド、4.7GHz、25W[12~55W]、Intel Graphics、NPU 49TOPS)
・Core Ultra X7 358H:(16コア[4P+8E+4LPE]、16スレッド、4.8GHz、25W[15~80W]、Intel Arc B390 GPU、NPU 50TOPS)
・Core Ultra X9 288H:(16コア[4P+8E+4LPE]、16スレッド、5.1GHz、25W[15~80W]、Intel Arc B390 GPU、NPU 49TOPS)
★メモリー
・16GB(LPDDR5x-7467)/・32GB(LPDDR5x-9600)/・64GB(LPDDR5x-9600)
★ストレージ
・1TB/・2TB/・4TB
★ディスプレー
・16インチ2K液晶:1920×1200ドット、1~120Hz、35ミリ秒、500ニト、sRGB 100%、コントラスト比2,000:1、非光沢
・16インチ3.2K OLED:3200×2000ドット、20~120Hz、標準1ms/最大2ms、400ニト、DCI-P3 100%、コントラスト比1,000,000:1、反射防止
OSのHome/Proにキーボードは日本語/英語が選択可能だ。
インターフェースはThunderbolt 4(最大40Gbps、USB Power Delivery 3.2、DisplayPort 2.1対応)×3、3.5mmコンボジャック×1を用意。ワイヤレス通信はWi-Fi 7、Bluetooth 6をサポートしている。 本体サイズは352.58×237.47mmというフットプリントは共通で、高さと重量は16インチ2K液晶が15.4mm・1.74kg、16インチ3.2K OLEDが14.62mm・1.65kgとなっている。バッテリーは70Whを搭載。バッテリー駆動時間は非公表だ。
非タッチ2K液晶とタッチ3.2K OLEDは解像度・画質・タッチ操作の有無の違いだけでなく、携帯性という点でも後者のほうが優れている。標準構成モデルで両者には3万8500円の価格差はあるが、予算に余裕があればタッチ3.2K OLED搭載モデルを選択したい。
クリエイティブワークに3Dゲーム
どちらにも適した高品質ディスプレー
今回は16インチ3.2K OLEDを搭載した標準構成モデル(45万4000円)を試用した。400ニト、DCI-P3 100%、コントラスト比1,000,000:1の16インチ3.2K OLEDの画質は非常に高い。
反射防止が施されたカバーガラス「Corning Gorilla Glass Victus」が装着されており、照明などの映り込みもある程度低減してくれる。さらにリフレッシュレートも最大120Hzと高速だ。クリエイティブワークにおける色調整をこなせ、3Dゲームなどで滑らかな表示を味わえる高品質ディスプレーだ。
キーボードとタッチパッドの仕様はやや特殊だ。キーピッチは横19.05mm、縦18.05mm、キーストロークは実測1.0mmが確保されているが、写真のとおりキートップ同士の間隔がかなり狭い。デザインは洗練されているが、打鍵位置がずれると隣のキーを叩くなどの誤入力が発生しやすい。
タッチパッドは触覚フィードバック方式で、パームレストとの境界にはわずかなラインが引かれているだけだ。シームレスなデザインで可動部がないため、高い耐久性を期待できる反面、使い始めは少し戸惑うかもしれない。
とは言え、キーボード自体はフルサイズのため、サイズ、配置を把握すれば誤入力は十分に防げる。タッチパッドの境界線も指先で明確に判別できるため、すぐに慣れるはずだ。特殊な設計ではあるが、比較的短時間で違和感なく扱えるようになる入力デバイスだ。
本製品は800万画素のウェブカメラ(Windows Hello対応顔認証IRカメラ)を搭載している。RGBカメラとIRカメラの機能を統合したハイブリッドタイプだが、その画質は同種のなかでも際立って優秀だ。クーピーペンシルのパッケージの文字、髪の毛、シャツの質感にいたるまで解像感は高く、発色や露出も正確だ。
ただし、HDR proをオンにすると画面全体に強いノイズが発生する。しいて挙げれば棚の奥など暗部のディテールは向上するものの、それ以外のメリットは見出しにくい。
要因は複合的と思われるが、現状ではハイブリッドセンサーと画像処理エンジンの相性に問題がある可能性が高い。HDRオフでも十分に実用的な画質だが、HDR pro使用時のクオリティーについては、今後のソフトウェアアップデートで改善されることを期待したい。
「Core Ultra Series 3」の上位モデルの威力
内蔵GPUは超高速になった
最後にパフォーマンスをチェックする。今回のNew XPS 16のスペックはCore Ultra X7 358H/メモリー32GB/SSD 1TB/16インチ3.2K OLEDだ。
比較対象機種としては、Core Ultra 7 255H/メモリー32GB/SSD 512GB/14インチWUXGA OLEDという構成の「ASUS Zenbook 14 OLED」をメインに据え、以下のマシンもグラフでプロットした。
・New XPS 16
Core Ultra X7 358H
CPU:4P+8E+4LPE:16コア16スレッド、
GPU:Intel Arc B390:Xe-core×12
・Zenbook 14 OLED
Core Ultra 7 255H
CPU:6P+8E+2LPE:16コア16スレッド
GPU:Intel Arc 140T:Xe-core×8
・Zenbook SORA 16
Snapdragon X2 Elite Extreme X2E-94-100
CPU:18コア18スレッド
GPU:Adreno X2-90
・FMV A79-L1
AMD Ryzen AI 7 445
CPU:6コア12スレッド
GPU: Radeon 840M:4コア
・Yoga Slim 7i Ultra
Core Ultra 7 355
CPU:4P+4LPE:8コア8スレッド
GPU:Intel Graphics:Xe-core×4
・VersaPro UltraLite
Core Ultra 5 226V
CPU:4P+4LPE:8コア8スレッド
GPU:Intel Arc 130V:Xe-core×7
まずCPU性能だが、「CINEBENCH 2024」のCPU(Multi Core)は987pts、CPU(Single Core)は124pts、「CINEBENCH 2026」のCPU(Multiple Threads)は3961pts、CPU(Single Thread)は512ptsとなった。
本製品が搭載するCore Ultra X7 358Hは、16コア(4P+8E+4LPE)、16スレッド、最大4.8GHz、25W(15~80W)という構成だ。一方、Core Ultra 7 255H搭載機は、16コア(6P+8E+2LPE)、16スレッド、最大5.1GHz、28W(20~115W)となっている。
コア構成やベースパワーの設定から、Core Ultra X7 358Hはより低消費電力性に重きを置いた仕様と判断できる。それにもかかわらず、「CINEBENCH 2024」のCPU(Multi Core)において、本製品がCore Ultra 7 255H搭載機の約110%に相当するスコアを記録したことは特筆に値する。
「CINEBENCH 2024」のCPU(Multi Core)は987pts、CPU(Single Core)は124pts、「CINEBENCH 2026」のCPU(Multiple Threads)は3961pts、CPU(Single Thread)は512pts
3Dグラフィックス性能については、「3DMark」のPort Royalは3951、Time Spyは7556、Fire Strikeは13920、Wild Lifeは44220という高い値が出た。
「ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレ ベンチマーク」(1920×1080ドット、標準品質、ノートPC)のスコアは17137(非常に快適)、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.3」(標準品質、1920×1080ドット、フルスクリーン)のスコアは7405(快適)となった。
内蔵グラフィックスの仕様は、Core Ultra X7 358Hが「Intel Arc B390 GPU」(2.5GHz、Xe-core:12)、Core Ultra 7 255Hが「Intel Arc 140T GPU」(2.25GHz、Xe-core:8)だ。
本製品はCore Ultra 7 255H搭載機に対し、3DMarkで最大210%相当、ファイナルファンタジーXIVで137%相当、FINAL FANTASY XVで190%相当のスコアを記録している。Core Ultra X7 358Hの内蔵グラフィックスが、大幅なパフォーマンス向上を果たしたことは間違いない。
「ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレ ベンチマーク」(1920×1080ドット、標準品質、ノートPC)のスコアは17137(非常に快適)、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.3」(標準品質、1920×1080ドット、フルスクリーン)のスコアは7405(快適)
ストレージはPCIe Gen4 x4接続SSD「PVC10 SK hynix 1024GB」を搭載しており、「CrystalDiskMark 9」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)は6573MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)は5771MB/sとなった。
PCIe Gen4 x4接続SSDとしては上限に近い速度が出ており、大容量の画像や動画ファイルを扱う作業でも、体感速度の向上に寄与してくれるはずだ。
ストレージはPCIe Gen4 x4接続SSD「PVC10 SK hynix 1024GB」を搭載。「CrystalDiskMark 9」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)は6573MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)は5771MB/s
AI処理性能については、「UL Procyon」のAI Computer Vision Benchmark(NPU)を実行したところ、Integer(整数演算)は2218、float16(半精度浮動小数点演算)は1231となった。
Core Ultra 7 255HのNPUは処理能力が13TOPSに留まり、前世代における弱点とされていた。その点、Core Ultra X7 358Hは50TOPSへと大幅に引き上げられており、今回のベンチマークでもその効果を明確に確認できた。本製品は現代のAI PCとして、上位クラスの処理性能を備える。
バッテリー駆動時間については、「Dell Optimizer」の温度管理を「最適化」に設定し、ディスプレー輝度40%、音量40%でYouTube動画を連続再生したところ、11時間20分(バッテリー残量3%まで)の動作を確認した。
3.2Kの16型OLEDを採用し、3Dグラフィックス性能を大幅に強化しながら、14.62mm・1.65kgの薄型・軽量ボディーを実現。さらにバッテリー容量を70Whに留めつつ、11時間を超えるスタミナ性を備えている点は特筆に値する。
パワー、スタミナ、携帯性を
高次元で両立させた次世代AI PCの新定番だ
New XPS 16は、Core Ultra X7 358Hの採用により、内蔵グラフィックスとAI処理性能を大幅に向上させている。16型ながら1.65kgの軽量ボディーと、12時間を超えるスタミナを両立した点は特筆に値する。
入力デバイスの独自性には慣れが必要で、カメラのHDR挙動に課題は残るものの、電力効率と実効性能を高度にバランスさせた完成度は、従来のモバイルノートPCから大きく進化している。
価格設定は高めだが、標準で十分なメモリーとストレージを備えている。多彩な用途に対応できるAI PCを求めるなら、本製品は有力な候補となる1台だ。
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