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「過去の社内文書」と「リアルタイムな業務データ」を生成AIで一括検索

製造業の膨大な図面や文書をAI活用可能に DNPが「Oracle AI DB」採用の新ソリューション

2026年03月24日 07時30分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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残る課題「リアルタイムな業務データ」「サイロ化」を解消する狙い

 ただし金沢氏は、「過去のマニュアルや知見(のドキュメント)をAIが読めるようにしただけでは、ビジネスは動かない」と述べ、まだ課題が残っていることを指摘する。

 課題のひとつは、財務/資産/製品情報といった「リアルタイムな業務データ」の欠如である。「過去の情報から原因や対応方法が分かっても、リアルタイムな業務データがなければ、実際に対応可能かどうかの判断ができない」からだ。

 もうひとつの課題は「システム間の情報の断絶(サイロ化)」だ。過去の知見はAI検索ツールで調べ、業務の現状については基幹システムで調べる――といった具合に、人間が複数のシステムを別々に検索し、手作業で照合するのは手間と時間がかかる。「これこそが、意思決定のスピードを奪っている元凶ではないか」と語る。

 こうした課題は、人間による迅速な意思決定だけでなく、これからAIエージェントが業務を自動化していくことも妨げることになる。

過去の知見(社内文書、設計図など)をAI検索可能にしても、「情報の分断」という別の問題が存在する

製造業における「情報の分断」の例。機器に障害が発生した際、原因や修理方法は「過去の知見」を、交換部品の有無は「現在の業務データ」を参照することになり、統合されていなければ意思決定と解決に時間がかかる

 そこでDNPが着目したのが、Oracle Autonomous AI Databaseだった。オラクルのクラウド「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」で提供されるこのデータベース(DB)サービスは、リレーショナルDBだけでなく、AI検索に欠かせないベクトルDB、グラフDB、JSONデータまで、マルチモデルのデータを扱える。つまり、DNPが求める「過去の知見、社内文書」も「リアルタイムな業務データ」も1つのDBサービス上で扱えて、システム間の情報の断絶も防げる。

 「構造化AIサービスをより幅広く提供できる環境を用意したいという、強い思いがあった。そこで、われわれ(DNP)からオラクルさんにお話を申し上げて、今回のような協業を作り上げることができた」(金沢氏)

 日本オラクル 専務執行役員の竹爪慎治氏は、Autonomous AI Databaseの特徴として、さまざまなデータを一元的に扱えることに加えて、「Select AI」「OCI Generative AI」といったAI関連サービスもプラットフォームに組み込まれていること、エンタープライズ利用で必須の要件となる高度なセキュリティや信頼性、性能を実現していることなどを紹介した。

「Oracle Autonomous AI Database」の特徴

製造業をメインターゲットにスタート、金融や自治体への展開拡大も視野に

 DNPではこれまで、製造業をメインターゲットとしてドキュメント構造化AIサービスを展開してきたという。特に製造業は、マニュアルや設計図、品質記録といった多数の重要ドキュメントを保有しており、その現場活用も期待されている。しかし、それらが非構造化データであるために、生成AI/RAGを使った現場活用が十分にできていない実態がある。そうした顧客の課題を解決することが目的だ。

 「製造業の現場では、社内に眠っている過去の文書データをきちんと整理して、将来のビジネスに活用したいというニーズが以前から非常に強くある。ただし、たとえば過去の品質記録やトラブル記録などは、俗に言う“Excel方眼紙”に図面や写真を貼りつけ、メモを書き込むといった具合で、生成AIで活用しようと思っても有効活用できない。そんな実態がある」(金沢氏)

 そして、今回のオラクルとの連携ソリューションも、まずは製造業から展開していく方針だという。金沢氏は、まずは製造業を起点として「確固たる成功モデル」を作り上げ、その後は金融機関、自治体などへと展開を拡大していきたいと抱負を述べた。

 またオラクルの竹爪氏は、「DNP様との協業をさらに加速させることで“AI on Live Data”、リアルタイムで発生した業務データをAIが理解し、お客さまの意思決定の高度化や、AIエージェントも含めた業務の自動化を実現して、企業価値の向上に貢献できるよう努めたい」と語った。

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