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政府関係者や有識者らによる、それぞれ立場からの発表と解説を実施

「CESA ゲーム産業レポート2025」発刊記念セミナーのレポートが到着!ゲーム産業を取り巻く最新動向を多角的に解説

文●ミヤザキ/ASCII

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■AI Frog InteractiveのAI利用とゲーム業界での生成AIの実情
AI Frog Interactive 代表取締役CEO/デジタルハリウッド大学大学院教授 新清士氏

 新氏は、生成AIのゲーム業界への浸透状況について解説した。CESA会員企業への調査では、国内ゲーム企業の約半数が開発工程で生成AIを活用していることが示されている。

 一方で、海外との比較では、生成AIを巡る社会的受容に地域差がある点を指摘。欧米では労働問題と結びついた反発も見られるのに対し、中国では比較的受容が進み、AI活用タイトルの導入が広がっているという。

 また、制作工程の内部領域での活用は受け入れられやすい一方、プレイヤーが直接目にする創作物への利用には慎重な姿勢も見られると整理した。

 さらに、生成AIの法的整理についても言及があった。経済産業省が2024年7月に公表した「コンテンツ制作のための生成AI利活用ガイドブック」では、AIの「学習段階」と「生成段階」を区分し、「類似性」と「依拠性」の観点から著作権リスクを検討する枠組みが示されている。

 新氏は、こうした整理を踏まえ、適切な理解と運用により生成AIを合法的に活用することは可能であるとの認識を示した。また、生成AIの導入は、単なる技術選択ではなく、企業の戦略判断でもあると述べた。

■グローバル規制と向き合うゲーム産業と近時の課題について
西村あさひ法律事務所・外国法共同事業 パートナー弁護士 松本祐輝氏

 松本氏は、ゲーム産業のグローバル展開にともなう規制対応の複雑化について解説した。プラットフォームを通じた海外販売は容易である一方、各国のレーティング制度、課金規制、個人情報保護などへの対応は不可避であり、日本企業の法務負担は大きい。

 韓国やブラジルでの制度整備の進展にも触れつつ、日本国内では法令を遵守する事業者が多い一方、海外事業者との間で規制対応の差が生じている可能性を指摘。実効的な対応を検討する方向性と、規制の在り方を再検証する視点の双方の方向性を提示した。

 また、生成AIについては著作権法第30条の4の枠組みを整理し、利用範囲と権利保護のバランスの重要性を説明。加えて、海外LLMの利用規約確認や、個人情報保護規制への対応は、国際展開を前提とする企業にとって不可欠であると述べた。

 本セミナーは、制度・技術・人材の各側面から、日本のゲーム産業の現在地を確認する機会となった。セミナー終了後は懇親会も開催され、登壇者と参加者の間で活発な意見交換が行われた。行政、法律実務、開発現場など異なる立場の関係者が直接対話する機会となり、業界内の連携強化につながる場となった。

●『CESA ゲーム産業レポート2025』発刊記念セミナー

日時:2026年2月20日16時~17時45分
懇親会:18時~20時
会場:品川ビジョンセンター(東京・港区)
形式:オフライン開催(会員向け)
主催:一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)

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