若者にはペット、大人にはコンシェルジュ? ドコモ前田社長に聞くAIエージェントが目指す「先回り」の体験
2026年03月06日 16時15分更新
スペインで開催された世界最大のモバイル展示会「MWC Barcelona 2026」。NTTやドコモなどは「NTTグループ」として、1つのブースで出展していました。そんなNTTグループのブースでは、パーソナルデータを活用したAIエージェントの展示が注目を集めていたのです。ユーザーのライフスタイルに寄り添うAIの姿から、次世代通信「6G」への展望、そして目前に迫る「3G停波」まで、NTTドコモ代表取締役社長の前田義晃氏にお話を聞きました。
Z世代・α世代の「相棒」となるAIエージェント
展示されたAIエージェントは、かわいらしいキャラクターの姿をしていました。これには明確な狙いがあると前田社長は語ります。
「ターゲットとして我々のような世代にも使ってほしいですが、これからどんどんAIを使っていく若いZ世代やα世代に刺さっていかないといけません。彼らは日常的に生成AIに触れており、AIを擬人化して接することに抵抗感がありません。なので、親しみやすい相棒になってくれるようなキャラクターを打ち出しました」
そんな親しみやすさの裏側では、ユーザーを深く理解するための高度な処理が行なわれています。
「私の体験なのですが、昔好きだったアーティストが再結成する情報を、AIが教えてくれてチケットが取れたということがありました。それをさらに先回りして教えてくれるような、驚きのある体験を提供したいと考えています」 と、単なる質疑応答にとどまらない「先回り」の価値を強調しました。
dアカウントが支える「パーソナライズ」と「安心感」
このようなきめ細やかなサポートを可能にするのが、ユーザーの同意(オプトイン)に基づいたパーソナルデータの活用です。
「dアカウントという一つのIDに、ライフスタイルのデータが紐付いています。このデータを活用することで、これまでにない便利な体験を作れるレベルにきています」。
一方で、プライバシーへの配慮も欠かせません。過去に提供していた「iコンシェル」などのコンシェルジュサービスの経験も踏まえ、「ユーザーに安心感を持って使っていただくためのチューニングや見せ方が非常に重要です」 と語りました。プライバシーを気にする層にも配慮し、情報提供のハードルを下げつつ、納得感のあるサービス設計を目指していることがわかりました。
AI時代を見据えたネットワークのパラダイムシフト
話題はサービスから、それを支える通信インフラへと移ります。AIが普及するこれからの時代は、ネットワークにも大きな変革が求められます。
「6Gに向けて、AIやロボットが当たり前になる世界を想定しています。 AIが普及すると、端末からクラウドへデータを送る、上りトラフィックがどんどん増えていくでしょう。これまでのパラダイムが変わる中で、ネットワークをどう効率化し、コストバランスを取っていくかが最重要課題です」。
今回のMWCでは、NTTグループ全体での共同出展となりました。そのことについては「持株会社との連携も含め、グループ全体でどのように社会のインフラを支えていくのか、より分かりやすく示せたと思います」 と、手応えを口にしました。
さよなら3G! そして次なる通信の未来へ
AIや6Gといった未来の技術が語られる一方で、日本のモバイル通信の1つの時代が幕を閉じようとしています。目前に迫った3Gの停波についてどう思うかを聞いたところ、前田社長は感慨深げに語りました。
「3世代のネットワークを運用し続けるのは本当に大変でした。1つの時代が終わる寂しさはもちろんありますが、次に向かっていかなければなりません」
3Gが切り拓いたモバイルインターネットの時代は終わりを告げますが、それはAIや次世代ネットワークがもたらす新しい体験へのスタートラインでもあります。
ユーザーの「相棒」となるAIエージェントが当たり前になる未来へ向け、通信インフラの進化はこれからも続いていくようです。
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