AIによる3Dモデル生成技術は、昨年後半から、一気に競争が激しくなってきています。まだクオリティが完璧とは言えないため、3Dモデルとして「万能に使える」段階ではありませんが、「用途を選べば十分に使いどころはある」印象です。この分野でリードしているテンセントの「Tencent HY 3D(旧Hunyuan 3D)」の新機能を紹介しながら、キャラクターモデルを使いやすいVRMフォーマットに変換し、映像制作にも応用可能であることをご紹介します。
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テンセントが頭一つ抜けている
まず、3D生成AIの比較サイト「TOP 3D AI」にリーダーボードが登場しています。画像を与えておいて、生成した3Dモデルの結果を、二つのモデルで比較して、どちらが優れているのかを競う仕組みのランキングです。
1月18日現在、1位は12月にリリースされた「YVO3D 2.0」が僅差でリードしています。YVO3Dはどこの国のサービスなのかが明らかにされていませんが、4Kテクスチャが出せたり、Unreal Engine 5への連携を強調しており、高い評価を獲得しています。
2位には、今月リリースされたテンセントのTencent HY 3Dのv3.1がランクインしています。v3.0も相変わらず強い状態が続いています。以下、日本でも商用サービスとして知られるHittem3Dや、Meshy、Tripo AIなどが追いかけている状態です。
筆者としては、ゲームに気軽に使えるレベルの3Dモデルを生成したいという目的があるのですが、現時点では生成ポリゴン数を、50万や5万ポリゴンと限定的にしても破綻が小さいTencent HY 3Dが頭一つ抜けているという評価をしています。
v3.1によって追加されたのがマルチアングルの強化です。v3.0では前、後、右、左と、4面の画像を与えることでより精度の高い3Dを作ることができていましたが、v3.1では、斜め45度や上下が追加され、最大8枚の画像を与えることができるようになり、さらに精度の高い画像を作れるようになりました。これが可能なのは、Tencent HY 3Dのみです。
また、1日20回まで無料で生成することができます。ただし、1月18日現在はv3.0及びv3.1は中国向けサービスのみで、グローバルサイトには追加されていません。
ただし、非常に使いにくいのが、このウェブのUI経由で生成したものは規約上は商用利用不可という点です。さらに中国国内であっても、「韓国・EU圏は使用不可」というややこしい条件になっています。詳しい事情は明らかにされていませんが、EU AI法などの適用を避けるためであると考えられます。
一方、Tencentの有償のクラウドサービスのAPIを直接呼び出して使う場合は、利用条件が比較的緩くなります。v3.0とv3.1のどちらも選ぶことができます。ただし、現状はPythonでAPIを叩く必要があり、仕組みとしてはかなり面倒です。今後、いずれかのタイミングでクラウドにUIを統合して、本格サービスとして展開するつもりなのでしょう。

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