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AIエージェントに選択肢 「AWS re:Invent 2025」レポート 第10回

AI時代を生きるすべてのエンジニアに伝えたい熱いメッセージ

Amazon ボーガスCTOが最後の基調講演 「AIは開発者の仕事を奪うのか?」への直球な答え

2026年01月13日 11時30分更新

文● 大谷イビサ 編集●ASCII

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「仕事はツールのものではなく、あなた自身のものだ」

 ボーガス氏はイントロの動画と自らのキャリアを振り返る。さかのぼれば、ボーガス氏が学生の頃は、68000のアセンブラ、COBOL、Pascalなどが教えられていたが、これらの言語はすでに使われていない。では、今プログラミング言語を学ぶことは無駄なのだろうか? 「1960年代にコンパイラが登場し、どのようなアセンブリを出力するかはもはや問題ではなくなった。しかし、アセンブリを学習することで、どのようなマシンコードに変換されるかわかるようになる。だから、私にとってそれは重要なことだった」とボーガス氏は語る。

1950年代にアセンブラ、1960年代にコンパイラが登場

 言語の抽象化はますます進み、1970年代には構造化プログラミングがブームとなり、1980年代にオブジェクト指向プログラミングが体系化される。一方、1990年代はAmazon.comをはじめとした多くのWebサービスは、単一のモノリスとして構築されていたが、1998年頃にはサービスごとに分割されるよう。各サービスは独自にサーバーの所有権を持ち、システムをエンドツーエンドで所有するようになる。こうした分散型システム、マイクロサービスは業界でも当たり前となった。

 とはいえ、2000年代システム自体はオンプレミスだ。コードを書く以前の問題として、ハードウェアの調達やキャパシティプランニングが必要だった。しかし、クラウドサービスが登場すると、開発者はコードでインフラを扱えるようになった。「エンジニアに実験の自由を与えられるようになった。クラウドインフラがソフトウェアの構築と運用の標準的な方法になった世界に適応した」とボーガス氏は語る。

2010年代からクラウドが標準へ。開発者はインフラをコードで扱えるように

 ボーガス氏はツールの進化についても言及する。ボーガス氏の最初のIDEはviで、emacsユーザーではなかったという。マイクロソフトがVisual BasicでGUIのプログラミングを持ち込み、Visual Studioに進化し、Visual Studio Codeがデフォルトになった。「今後もワークフローはどんどん進化し、AIをベースにしたツールも進化していくが、今日の私たちのツール(=AI)は、ある意味特別なものだと思う」とボーガス氏は語る。

 マット・ガーマン氏の基調講演で紹介されたとおり、AIの支援により、開発者の生産性は劇的に向上する。しかし、開発者の作業がなくなるわけではないとボーガス氏は語る。「覚えておいてください。仕事はツールのものではなく、あなた自身のものです。重要なのは、あなたの仕事なんです」(ボーガス氏)。時代や役割とともにツールは変化し続けるが、ビルダーが重要な存在であることはまったく変わらないと強調した。

仕事はあなた自身のもの

「開発者であることに、これほど興奮を覚えるときはない」

 ボーガス氏は「開発者であることに、これほど興奮を覚えるときはない」と語る。それは、さまざまな技術が同時多発的に進化を遂げている時代だからだ。

 Amazon創業者のジェフ・ベソス氏は「われわれは複数の黄金時代が同時に到来する震源地にいる」と語った。ベソス氏が今まさに注力している宇宙旅行や、人工知能、ロボット工学などが信じられないスピードで進化を遂げている。「しかし、今回の瞬間が特別なのは、これらの進歩が、実際にどのように相互を強化し合っているかだ。ある分野の進歩はほかの分野の進歩を加速させる」とボーガス氏は語る。

複数の黄金時代が同時に到来する震源地にいる(ジェフ・ベソス氏)

 歴史を振り返ると、これと似たようなことがあった。ルネサンス期だ。疫病、貧困、戦争など中世の暗黒期を乗り越えた後のルネサンスは、人々の好奇心によってすべてが変わった時代だった。「好奇心は爆発しそうだった」とボーガス氏。メディチ家がパトロンとなり、レオナルド・ダ・ヴィンチ(芸術家)やガリレオ・ガリレイ(科学者)、ニコラス・コペルニクス(天文学者)、ペトラッチ(哲学者)などがそれぞれの立場で活躍した。

 同時に進化したのは道具だった。イタリアでは鉛筆が発明され、遠近法という概念が生まれた。活版印刷や望遠鏡、顕微鏡などが生まれたのもこの時代。活版印刷の開発者であるグーテンベルグは最初のテープにワイン圧搾機を使ったが、活版印刷を実現するためにはそれぞれの文字で利用できるインクも発明しなければならなかった。「当時からすると、想像上の世界の話だ。でも、芸術と科学が同じ対話の一部にあった。創造性とテクノロジーはともに進化した」とボーガス氏は語る。

ルネッサンス期に進化した道具たち

 彼らは好奇心を旺盛で、仮説に疑問を呈した。幅広く学び、その学びを深く応用したという。「彼らは分野間の境界を意識してせず、お互いの間で”海賊行為”を行なった。また大胆な実験者でもあり、スケッチで測定し、失敗し、挑戦した。実践しながら学んでいた」とボーガス氏。そして、今は再びルネサンスの時代が到来しているという。「みなさんはルネサンスの開発者だ」(ボーガス氏)。

 ルネサンスの開発者の資質は、われわれが今まさに学ばなければならないものだ。ボーガス氏は「このルネサンス開発者の資質を統合し、フレームワークを構築した。この新しい時代における成功にも役立つことを願って、みなさんに紹介したい」と語り、ルネサンス開発者の5つの資質を披露した。(続く)

ルネッサンスデベロッパーの5つの資質とは?

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