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ウイングアーク1st×ユカイ工学「ものづくり対談」レポート

甘噛みするだけのロボットに心が動く 予想外のヒットを生む“妄想起点”のプロダクト開発

2026年01月15日 10時00分更新

文● 福澤陽介/TECH.ASCII.jp

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犬のしっぽ不足から生まれた“Qoobo”、子どもの甘噛みを味わうために作られた“甘噛みハムハム”

島澤氏:実施にどんな妄想がプロダクトにつながったのですか。

青木氏:たとえば、撫でるとしっぽを振って癒してくれるクッション型ロボット「Qoobo」は、女性デザイナーの妄想から生まれました。彼女は、北海道産まれで、子どもの時に十匹以上の犬に囲まれて育ったのですが、東京に越してきて犬に会えない。「しっぽが欲しい」という願望が溜まっていったそうです。

「Qoobo」とユカイ工学のメンバー

島澤氏:彼女は、しっぽの部分だけが欲しかったのですか。

青木氏:しっぽが欲しかったようです(笑)特に朝しっぽで起こされたいという願望ですね。ある映画監督も「最も個人的なものが最もクリエイティブ」という言葉を残しています。結局、社会全体の課題解決からスタートすると、アイデアは同じところに落ち着いてしまうのです。

島澤氏:それでQooboにたどり着いたと。ちなみに私が買ったPetit Qooboは、声や音にも反応してくれます。

ウイングアーク1st 取締役 執行役員CTO 島澤甲氏(抱えているのがPetit Qoobo)

青木氏:社内でQooboの試作が披露された時、強烈なインパクトはありましたが、売れるかまったく読めない。それでも、バイヤーや広告代理店にアドバイスをもらい、CEATEC(アジア最大級のテクノロジー展示会)で展示しました。すると、アメリカのメディアにめちゃくちゃ気に入ってもらえました。

これをきっかけに、アメリカの一番大きいトークショーでも取り上げられ、海外から話題が先行して、累計販売数は5万匹を越えています。今では、セラピーロボットとして老人ホームから問い合わせをいただきます。

Qooboの企画段階のラフ

島澤氏:こういった感性は、言葉の壁を越えますね。

青木氏:特に、ロボットは言葉がいらないです。「甘噛みハムハム」も海外で話題になった、シンプルに指を甘噛みするだけのロボットです。

「甘噛みハムハム」

大阪・関西万博を機にミャクミャクバージョンも作られている

島澤氏:うちも猫飼っていますけど、甘噛みだけ抽出するのって難しいですよね。これも妄想から始まったのですか。

青木氏:これはパパ社員発です。子どもが甘噛みしてくれると、すごく幸せな気持ちになれる。でも、ずっと子どもにやらせると、他の人を噛んでしまうかもしれない。だからロボットにしようという妄想です。

良いアイデアって最初はバカバカしく聞こえるって言うじゃないですか。甘噛みするだけのロボットは、さすがに「ギャグだろう」と思いました(笑)。

これも試作を持って回ると、ぬいぐるみメーカーがコラボをしてくれまして、それをCESに持ち込みました。最新技術に取り囲まれる中、ただ甘噛みするロボットが色々なメディアで取り上げられました。

CESで展示の様子

島澤氏:私も購入したプロダクトの中から、絶対AIのリコメンドから生まれないだろうという一品を持ってきました。「ムクムクうごく線人間」です。どんな形状に変えてもスイッチを押すと、人間の形に線が立ち上がります。これも妄想で生まれたのですか。

青木氏:妄想ですね。実は自動車向けの形状記憶合金のメーカーとのコラボでして、面白いものを作りたいという話をいただいて、社内で妄想しました。

島澤氏:結構色々な会社との連携で、出来上がっているものが多いのですね。

立ち上がる姿から明日への活力を得られる「ムクムクうごく線人間」

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