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研究のための技術じゃない。R&Dと製造を支える“実装前提”のディープテック

ディープテック/ハードウェアスタートアップを中心に「CES 2026 Unveiled」

 ディープテックというと、基礎研究や研究室のイメージが強い。だがCES 2026で見えたのは、R&Dや製造、医療の現場を今すぐ支えるための技術だ。

 微小重力環境を実験インフラとして提供する宇宙技術、設計から製造を一気につなぐ生成AI、半導体技術を応用した高感度な医療検査、人の手の感覚を再現するセンサー。いずれも「いつか役に立つ研究」ではなく、使われる前提で設計された実用的な基盤技術が展示されていた。

微小重力環境を、R&Dの選択肢にする

 Innovative Space Carrierは、微小重力環境での実験を自動化する実験プラットフォーム(AML:Autonomous Microgravity Laboratories)を展示。制御された実験チャンバーを宇宙空間に打ち上げ、センサーが自動でデータを取得する。新素材開発や物質分析で重要となる微小重力実験を宇宙飛行士に頼らず実施できるのが特徴だ。

仕様書から、いきなりCADへ

 株式会社トコシエは、テキストデータの仕様書から3DのCADデータを自動生成するAIを展示。 設計者がイチからモデリングする工程を省き、設計初期の試行錯誤を大幅に短縮する。

 合わせて、生成されたデータを忠実に再現するための独自開発3Dプリンターも初披露。ベルトコンベア方式により、長尺形状の造形にも対応するという。設計から製造までを一気につなぐ、フィジカルAIの実装例だ。

半導体技術で、がん検出の感度を引き上げる

 HUA TEC INTERNATIONALのブースでは、半導体製造技術を応用した高感度なバイオ検出技術を紹介していた。シリコンウェハー上に施したナノ構造により、血液などの検体が均一に広がり、微量な変化も捉えやすくなる。AIによるノイズ除去や解析、自動化された検査装置を組み合わせることで、ヒューマンエラーを抑えたがん検出や免疫分析も可能。同技術は、フランスのVivaTechでもトップファイブのファイナリストに選出されている。

人の「手の感覚」を、センサーで再現する

 Ensuring Technologyは、人の手の感覚を再現する指先用センサーを展示。力の大きさだけでなく、力の向き(ベクトル)や、指先のどの部分に力がかかっているかまで検知できる。ヒューマノイドロボットや家事ロボット、産業用ロボットでの活用を見据え、複数メーカーと共同研究を進めている。

神村優介

シェイプウィン株式会社 代表取締役。
山口県光市生まれ。徳山高専卒業。NHK高専ロボコン出場経験を生かしたロボット教育ビジネスで経済産業省後援のビジネスプランコンテスト中国地区大会で最優秀賞取得。株式会社セガトイズに入社し、家庭用プラネタリウムの商品をプロデュース・マーケティングし、年間15万個出荷の大ヒットを記録。その後、PR&デジタルマーケティングを支援するシェイプウィン株式会社を24歳で設立。国内企業ではChatWorkやスマレジ、TEMONAなどのスタートアップを担当。2022年からカナダ・バンクーバーに移住し、現地企業で世界14ヵ国250社以上のクライアントに日米市場向けPRマーケティング支援をしている。

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