もう操作しない家へ。気づいたらスマートホームが暮らしに溶け込んでいた
ディープテック/ハードウェアスタートアップを中心に「CES 2026 Unveiled」現地速報③
スマートホーム&ライフスタイルは、「操作」から「環境」へ
スマートホーム関連展示では、家電や住宅設備を自分で操作する場面が少しずつ減ってきた。AIやセンサーが前に出るのではなく、住人の行動や周囲の状況を読み取り、気づかないうちにうまく回るよう設計された例が目立つ。
触れる場所が入力になり、見えないセンサーが人の状態を察し、家事や育成といった日常行為を自然に支える。スマートホームは機能を使いこなすものから、気づいたら暮らしに溶け込んでいる存在へと変わり始めている。
テーブルや壁が操作パネルに。リモコンを探さないスマートホームUI
COMMONLINK Inc.が展示したのは、テーブルや壁、ソファーなどを入力デバイスに変えるインターフェース。取り付けたデバイスが、素材と指の摩擦音を検知し、ジェスチャー入力を可能にする。特定のスイッチやリモコンを使わず、触れる場所そのものがUIになる発想が特徴。スマートホームの操作を「探す行為」から解放するアプローチだ。
カメラを使わず、人の動きだけを捉える。ミリ波レーダー×エッジAIの室内モニタリング
Arqaios, Inc.は、ミリ波レーダーを用いた室内モニタリング技術を披露。1部屋あたり複数のレーダーを設置し、人の動きだけでなく車の鍵ほどのサイズの物体まで検出できるという。カメラを使わないため映像データは取得せず、AI解析もエッジ側で完結する点が特徴だ。すでにPoCは完了しており、ハウスメーカーや家電メーカーとの実装に向けた取り組みが進んでいるとのこと。保育や介護現場での事故防止への応用も期待したい。
スマートロックが“後付けできない”問題に一手。マンション対応を見据えた協業
mui Lab株式会社は、スマートホームコントローラー「mui Board Gen 2」と美和ロックによるコラボレーションを展示した。美和ロックの参入により、マンションに多いプッシュグリップ錠への後付けという難題に現実的な選択肢が見えてきた。ドアは半共用部にあたるため交換制限が厳しいが、既存住宅への導入可能性を広げる提案といえる。スマートホームを「新築前提」から既存ストックへ広げる一歩だ。
育てるほど愛着が湧く。ゲーム感覚で植物を育てるAI×土壌センサー
SoildTechは、AIによる植物認識と土壌センサーを組み合わせた植物育成ソリューション「Senso」を展示。スマホで植物の種類を認識し、土壌の状態をもとに水やりや管理のアドバイスを行う。特徴的なのは、デバイス画面に表示されるキャラクターによるゲーミフィケーションだ。植物の状態がキャラクターの感情に反映されるなど、「育て続けたくなる仕掛け」が組み込まれている。
ミキサー家電を超えるか。調理工程を“判断して進める”AI自動調理ロボット
Nosh Roboticsが展示してたのは、材料・調味料・水をセットするだけで調理工程を自動で進めるAI調理ロボット。ミキサー付きスープメーカーのような既存製品と異なり、撹拌や加熱だけでなく、工程全体を一連の調理プロセスとして制御する点が特徴。ユーザーは途中操作を行わず、調理はロボットに任せる設計だ。本体サイズは日本の高性能電子レンジ程度で、1〜2人分の調理を想定しているとみられる。
神村優介
シェイプウィン株式会社 代表取締役。
山口県光市生まれ。徳山高専卒業。NHK高専ロボコン出場経験を生かしたロボット教育ビジネスで経済産業省後援のビジネスプランコンテスト中国地区大会で最優秀賞取得。株式会社セガトイズに入社し、家庭用プラネタリウムの商品をプロデュース・マーケティングし、年間15万個出荷の大ヒットを記録。その後、PR&デジタルマーケティングを支援するシェイプウィン株式会社を24歳で設立。国内企業ではChatWorkやスマレジ、TEMONAなどのスタートアップを担当。2022年からカナダ・バンクーバーに移住し、現地企業で世界14ヵ国250社以上のクライアントに日米市場向けPRマーケティング支援をしている。


































