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眠り、子育て、転倒予防まで。気づかないうちに支えるデジタルヘルス

ディープテック/ハードウェアスタートアップを中心に「CES 2026 Unveiled」現地速報②

デジタルヘルスケアは、「治す」から「支える」へ

 CES 2026では、デジタルヘルスが引き続き大きな存在感を放っていた。全体を通して見えてきたのは、「不老長寿」をめぐる関心の広がりだ。Unveiledでは、子どもや女性の健康課題をテクノロジーで解決しようとするスタートアップが目立ち、医療アクセスの不足を背景に、AIを活用した処方や診断を支援するデバイス・ソフトウェアも登場した。

 また、腰や足首に装着して運動機能を支えるアシストスーツ、北米で社会問題となっているメンタルヘルスに向き合うソリューションなど、対象領域は幅広い。共通しているのは、日常の中で無理なく続けられる形で、人の健康を支えようとする設計だ。デジタルヘルスは、治療のための技術から、生き方を下支えする技術へと重心を移しつつある。

自分の脳波で、眠りを整える。安眠を“音”でつくるデジタルヘルス

 MyWaves Technologies Ltdは、脳波データをもとにリラックス効果のあるサウンドを生成するデジタルヘルスソリューションを展示。卵形のセンサーを装着して一晩眠り、取得した脳波データから個人に合わせた音を生成する。

 同社によると、実証データでは睡眠時間が約5%増加し、入眠までの時間が約40%短縮されたという。測定や分析を意識させず、「整った状態」を体感として返す設計が特徴だ。

「もう寝た?」をデータで判断。寝かしつけのタイミングを教えるセンサー

 大人の睡眠やメンタルヘルスだけでなく、「子どもをどう眠らせるか」もまた、家庭にとって切実な課題だ。

 ユカイ工学とタカラトミーは、赤ちゃんの脈拍データから“落ち着いた状態”を検知する「寝かしつけセンサー」を共同展示。心拍が安定し、深い眠りに入り始めたタイミングをライトで知らせる仕組みで、寝かしつけに苦労している保護者にはうってつけ。ベッドに寝かせたとたんに起きる、という悪夢から解放されそうだ。

体温だけじゃない。内耳で健康診断する子ども向けスマートデバイス

 OTITON MEDICALは、高精度な赤外線体温計と、耳の内部を撮影してAIで診断するスマートデバイスを展示。子どもが嫌がりにくい設計で、発熱の有無に加え、耳の状態をもとにした診断をサポートする。CES 2026 イノベーションアワードを受賞。

歩き方から事故を防ぐ。転ばぬ先のソールセンサー

 ORPHEは、靴に取り付けるソール型センサーとAI分析ソフトによる歩行解析ソリューションを展示。もともとはランニングやウォーキング向けに開発されたが、現在は工場や建設現場での事故防止、高齢者の転倒回避といった用途へと広がっている。

 ソールセンサーはCES 2026の「Best of Innovation」を受賞。ブースではカメラセンサーと組み合わせ、歩き方の癖やリスクをAIで分析するデモも行われていた。

神村優介

シェイプウィン株式会社 代表取締役。
山口県光市生まれ。徳山高専卒業。NHK高専ロボコン出場経験を生かしたロボット教育ビジネスで経済産業省後援のビジネスプランコンテスト中国地区大会で最優秀賞取得。株式会社セガトイズに入社し、家庭用プラネタリウムの商品をプロデュース・マーケティングし、年間15万個出荷の大ヒットを記録。その後、PR&デジタルマーケティングを支援するシェイプウィン株式会社を24歳で設立。国内企業ではChatWorkやスマレジ、TEMONAなどのスタートアップを担当。2022年からカナダ・バンクーバーに移住し、現地企業で世界14ヵ国250社以上のクライアントに日米市場向けPRマーケティング支援をしている。

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