偽・誤情報や新たなAIリスクに対応する国際コンソーシアム「Frontria」創立
富士通株式会社は12月2日に、生成AIの進化にともなって生じる偽・誤情報拡散やAIシステムの脆弱性、法規制への対応といった課題に対応するため、国際コンソーシアム「Frontria(フロントリア)」の創立を発表した。国内外50以上の企業や組織などが参加し、最先端技術や知見を結集しながら情報の信頼性を確保し、健全でレジリエンスの高い情報社会の実現を目指す。
近年、生成AI技術の発展が社会に利益をもたらす一方、AIが生成するコンテンツを悪用した偽・誤情報の拡散やAIシステム自体の脆弱性など、新たな課題やリスクが生まれている。こうした問題は一企業や一国の努力だけでは解決が難しく、技術開発から社会における活用・普及まで、幅広い分野の知見と協調が不可欠になっているという。同コンソーシアムでは、偽・誤情報対策、AIトラスト、AIセキュリティに焦点を当て、業界の課題やニーズ、ユースケースの検討によって技術を深化させ、コミュニティ活動を通じてアプリケーション/サービスを創出するとともに、普及のためのビジネスモデルの確立を目指す。
同コンソーシアムでは、さまざまな業界の課題やニーズ、ユースケースを提供するイノベーションパートナー、ユーザーからのアイデアをもとに技術を磨く技術IP(コア技術)プロバイダ、学習データを提供するデータプロバイダ、アプリケーション開発やユーザーへの導入支援を行うエンジニアリングパートナー、資金および運営環境を提供するインキュベータが集い、技術プールを軸としたグローバルコミュニティを構築・提供するとのこと。
創立時は、「偽・誤情報対策」、「AIトラスト」、「AIセキュリティ」の3つのコミュニティグループを設置。コミュニティグループ内には、業界ごとのワーキンググループを設ける。各ワーキンググループでは、ユースケースを検討し、技術IP(コア技術)、アプリケーション、データを適用した結果をプレーヤーにフィードバックすることで、技術やサービス、事業の質を高めていくとのこと。さらに、ワーキンググループの参加者間でのノウハウや知見の共有、技術コンペなどを行う開発者コミュニティを設置し、コア技術の開発加速と価値向上を目指すとしている。
今後、2025年度は日本、欧州、北米、インド、オーストラリアなどの参画組織と活動を開始し、世界中の多様な業界の組織に働きかけて規模を拡大させるとともに、金融、保険、メディア、エンターテイメント、リーガルやAI事業等の各業界におけるユースケースの創出を図る。2026年度中に100以上のグローバルの参画組織からなる規模に発展させ、IPビジネス事例を複数創出していくとしている。


























