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5つのキー領域+フィジカルAI・宇宙・防衛技術に見る、企業向けテクノロジーの未来

富士通は「AI向けCPU」「量子コンピューター」でグローバルリーダー目指す 最新研究を一挙披露

2025年12月04日 08時00分更新

文● 福澤陽介/TECH.ASCII.jp

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 富士通は、2025年12月2日、同社の先進技術を紹介する「Fujitsu Technology Update」を開催。「AI」を中核に据え、「Data&Security」「Computing」「Converging Technologies」「Network」からなる“5つのキーテクノロジー”について、最新の戦略や研究成果をを披露した。

 さらに、新たに開拓すべき領域として「フィジカルAI」「宇宙」「防衛・次世代通信」を挙げ、それぞれの新技術もアピールした。

再開発を進めている富士通本社の「Fujitsu Technology Park」で開催された

ソブリンAIのための基盤に注力 AI向けCPU・量子コンピューターでグローバルリーダーに

 富士通の執行役員副社長 CTO、システムプラットフォーム担当であるヴィヴェック・マハジャン(Vivek Mahajan)氏は、同社のテクノロジー戦略を語った。

富士通 執行役員副社長 CTO、システムプラットフォーム担当 ヴィヴェック・マハジャン(Vivek Mahajan)氏

 まずは、ここ5年間注力し続けてきたAI領域の戦略からだ。富士通では、エンタープライズに特化した技術を開発する中で、行政や金融、製造、ヘルスケア、防衛など、データ主権や技術主権を持つかたちで運用する「ソブリンAI」が必要な領域にターゲットを定める。そのためのプラットフォームとして、「Sovereign AI Platform」に注力していく。

 この基盤は、AIやセキュリティのソフトウェアスタックと、コンピューティング、ネットワークのインフラで構成される。「AIの世界の実現には、これらの要素が不可欠」とマハジャン氏。

 ソフトウェアスタックでは、独自のLLM「Takane」とAI基盤「Kozuchi」を中核に、AIガードレールやセキュアエージェントGW、偽・誤情報対策といったセキュリティを組み合わせている。そして、そのインフラを、国産プロセッサである「MONAKA/MONAKA-X」、量子あるいは量子+HPCのハイブリッドといったコンピューティング技術、A-RANやAPN(オール光ネットワーク)といったネットワーク技術が支える。

富士通のSovereign AI Platform

 AI領域では、5年先までのロードマップを提示している。LLMのTakaneは、「モーダル融合による業務理解深化」「環境変化への適応的進化」「未来洞察型の戦略立案モデル」「メタ学習と自己進化型モデル」と毎年強化を図り、セキュリティスタックの進化も含めて、AI基盤のKozuchiを拡張していく。

富士通の5年先までのAIロードマップ

 AIスタックを支えるコンピューティングインフラでは、2027年に汎用国産プロセッサ「FUJITSU-MONAKA」をリリース予定。さらに、2029年に製品化予定の「FUJITSU-MONAKA-X」は、次世代スーパーコンピュータである「富岳NEXT」のベースとなり、「AIの世界で一番強いCPUを狙っている」(マハジャン氏)とする。

 量子コンピューティングに関しても、ソフトウェアスタックから制御エレクトロニクス、冷凍機、チップまで、全領域を国産技術でカバーし、こちらもグローバルリーダーを目指していくという。2026年12月には1024量子ビット、2030年には1万量子ビット超えの量子コンピューターを開発する予定だ。加えてマハジャン氏は、「量子とHPCを組み合わせると色々な演算が可能になる。双方を手掛ける会社は、グローバルでもおそらく富士通だけだ」と強調した。

量子コンピューターのロードマップ

 最後に触れたのは、ネットワークインフラだ。「Photonic System」「Mobile System」「Network Orchestration」「Data Centric Infrastructure(DCI)」の4領域に注力して開発を進めている。特に、Photonic Systemの光伝送システムでは、3.2Tbpsのプラガブルモジュールを開発して、グローバルリーダーを目指していくという。また、Mobile Systemでは、ソフトバンクやNVIDIAと共に開発を進める「AI-RAN」技術が、エッジAIに寄与すると強調した。

ネットワークR&Dのロードマップ

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