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AIと共に働くということ 第2回

汎用サービスから業務アプリ組込み型、業務・業種特化まで

「まだAIを使ってない」半数の日本企業に届ける ビジネスを変える4パターンの生成AIサービス

2025年11月28日 16時45分更新

文● 福澤陽介/TECH.ASCII.jp

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生成AI活用が進む「カスタマーサポート」「営業」領域

 最後に生成AI機能が組み込まれた業種特化のサービスを紹介しよう。

 生成AIの導入が他の業界に先駆けて進んでいるのが、カスタマーサポートやコンタクトセンターの領域である。その理由は、業務委託比率が高いため効率化による収益改善につながりやすく、学習に使えるデータも整備されているからだ。

 生成AIが搭載されたカスタマーサポート系サービスのひとつが、Helpfeelの「Helpfeel」だ。生成AIと独自の「意図予測検索」を組み合わせた検索型のFAQシステムであり、顧客の自己解決を促進して、問い合わせ対応を効率化できる。回答精度と検索速度の高さが強みであり、独自技術とRAGを組み合わせたオプション機能も用意する。

 直近では、生成AIを活用した新機能として、対話型エージェントが問題を解決する「Helpfeel Agent Mode」、カスタマーサポート業務を自動化する「Helpfeel Support」(クローズドβ中)、顧客の声(VoC)を分析する「Helpfeel Analytics」の3つを提供開始している(参考記事:生成AIの検索でえこひいきはなぜ起こる? Helpfeelが企業のナレッジ整備を提言)。

Helpfeel(Webサイト

 その他のカスタマーサポート・コールセンターの領域のサービスとして、チャットプラスの「ChatPlus」、IVRyの「IVRy」、アドバンスト・メディアの「AmiVoice」、Zendeskの「Zendesk」、PKSHA Technologyの「PKSHA ChatAgent」、Genesys「Genesys Cloud」などがある。

 また、定量的な成果が図りやすく、言語を中心とした定型業務が多いことから、生成AI活用が効果的なのは営業の領域だ。

 同領域から紹介するのは、Zoomの提供する「Revenue Accelerator」である。同社のZoom PhoneやZoom Meetingsと連携し、会話の内容をAI分析して、商談確度を高められるサービスだ。事前に作成したチェック項目をもとに、会話を自動採点してくれるコーチング機能も備えている(参考記事:“Zoom×HubSpot×AI”で営業組織は強くなる? 急成長のスタートアップ企業が実践してみた)。

Revenue Accelerator(Webサイト

 その他の営業領域のサービスとしては、マツリカの「Mazrica Sales」、HubSpotの「HubSpot(HubSpot Breeze)」、aileadの「ailead」、RevCommの「MiiTel」、amptalkの「amptalk」、エッジテクノロジーの「GeAIne」などがある。

 CRMを中心に多様な領域をカバーする業務アプリを提供するのがセールスフォースだ。同社は、AIエージェント基盤「Agentforce 360」の下に、すべてのアプリで人とAIが協働できる環境を整えている最中だ。

 現在、営業向けの「Agentforce Sales」、カスタマーサポート向けの「Agentforce Service」、フィールドサービス向けの「Agentforce Field Service」、マーケティング向けの「Agentforce Marketing」、ITサービス管理向けの「Agentforce IT Service」などを展開している。

Agentforce(Webサイト

業務効率化から“ビジネス価値の創出”へ

 ここまで様々な生成AIサービスを紹介してきたが、導入した後には「定着化」というハードルも待ち構えている。例えば、ChatGPT Enterpriseを導入したMIXIでは、“全社導入”で社員同士がサポートし合える環境を整備したことが、定着の秘訣だと語っている(参考記事:社員発の“カスタムGPT”は2000個以上 MIXIの「ChatGPT Enterprise」全社導入で起きた2つの変化)。

 いずれにせよ、社員が個人向けの生成AIサービスを利用するような環境は、情報漏えいなどを引き起こすリスクをはらんでいる。そして、生成AIサービスによる業務効率化を達成した暁には、先行企業が足を踏み入れている“ビジネス価値を創出”するような生成AI活用に挑戦して欲しい。

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