先端テックニュースまとめ読み from MITテクノロジーレビュー 第357回
新抽出技術でリチウム採掘の「つるはし」目指す/家もトラクターも自分で作る「文明のDIYキット」
2025年11月17日 09時00分更新
世界最先端のテクノロジー情報をお届けするグローバルメディア「MITテクノロジーレビュー」から、ビジネスに役立つ注目のテック企業の最新動向、イノベーションにつながる最新の研究内容をピックアップして紹介します。
来るか米リチウムラッシュ、 水使用10分の1の新技術で 「つるはし」売る企業
米ライラック・ソリューションズが、水使用量を従来法の10分の1に削減する新リチウム抽出技術の実証に成功。「つるはし」を売る戦略で、2年後には米国のリチウム生産量を倍増させ、業界に革命を起こす可能性がある。
家もトラクターも自分で作る 元物理学者の農家が始めた 「文明のDIYキット」
太陽光で暮らし、5日で建てた家に住む。元物理学者マルチン・ジャクボウスキーが始めたのは、トラクターから3Dプリンターまで、誰でも作れる「文明のDIYキット」だ。修理する権利を奪う企業への反旗でもある。
キッチンもある「海底の家」 40年ぶりの居住施設で 科学者4人が1週間生活へ
フレンチプレス、電子レンジ、シンク、トイレを備えた海底居住施設が、2026年初頭にフロリダ沖に設置される。床の穴から海に出入りし、減圧不要で長時間潜水が可能。約40年ぶりの海底居住施設だ。
解説:運動をやめても筋肉は覚えている——復帰が速い科学的理由とは
「体が覚えている」とはこれまで、運動を制御するニューロンの動作パターンを指すことがほとんどだった。だが、最近の研究で、運動することによって筋肉細胞の遺伝子発現が変化し、筋肉そのものが運動の記憶を作り始めることがわかってきた。
オープンAI、解釈可能な新AIモデル 幻覚や暴走の原因解明へ
オープンAIが、従来より理解しやすい実験的AIモデルを開発した。各ニューロンの接続を減らす「weight-sparse transformer」で、モデル内部の動作を追跡可能になる。幻覚や暴走の原因解明につながり、AIの安全性向上が期待される。
クアンティナム、バリウム採用の量子コン——イオン型の優位性示す
クオンティニュアム(Quantinuum)が、バリウムイオンを量子ビットに使う新型の量子コンピューターを発表した。1つの論理量子ビットを作成するのに必要な物理量子ビットの数が超伝導回路を使うよりも少なくて済み、規模拡大が容易になる可能性がある。
陰謀論者の心は変えられる——2000人実験が示したAI論破ボットの可能性
陰謀論者に、信念を変えるよう説得することは不可能だと考えられている。だが、陰謀論者をAIチャットボットと8分間の対話させると、陰謀論への確信度が20%減少し、4人に1人が信念を変えた。2000人以上を対象とした実験が示したのは、事実と証拠が今も人々の心を動かすという希望だ
AI競争、「電力不足」が米国のアキレス腱に:FT・MITTR共同企画
AIによる電力需要増に米国は対応できていない。中国が2024年に米国の6倍以上の発電容量を追加する一方、米国は老朽化した石炭火力に依存。「革新者から消費者に成り下がる」リスクをFT・本誌記者が議論する。

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