夜間稼働・24時間稼働の実現を目指すAI搭載の自動収穫ロボット「Q」リリース
AGRIST株式会社は10月30日に、AIとロボット技術を融合させ、機能強化した新型自動収穫ロボット「Q」をリリースした。同ロボットはデータ収集によるAIの学習強化を目的に自社農場で先行導入し、2026年4月以降、順次レンタルを開始するという。自動収穫ロボット「Q」の実機は、11月末から12月はじめにかけて開催される展示会に出展するとのこと。
同社によると、日本の農業生産現場では基幹的農業従事者の平均年齢が68.4歳と高齢化が進行し、人手不足が恒常的な課題になっていると指摘。キュウリ自動収穫ロボット「Q」は、作業の自動化だけでなく、農業経営の安定化と生産者が安心して働ける環境づくりに貢献するため、従来機から4つの改良を行ったという。
1. 「人」と「ロボット」の安全な協働の促進
農場での安全性を最優先し、音声案内機能や衝突防止センサーを追加。これにより、作業現場における労災リスクを低減し、安心して作業に集中できる環境を提供する。
2. 24時間稼働を見据えた夜間収穫機能の搭載
夜間収穫に対応する機能を搭載。24時間稼働の実現を目指すことで、ロボットによる収穫量が増加し、生産性を最大化し、農業経営の安定化に貢献する。
3. 誤切断リスク99.96%抑制による品質確保
独自開発の収穫ハンドに搭載された誤収穫防止センサーとカメラによって、作物の生命線である主枝の損傷を回避する。この機能により、主枝の誤切断リスクは99.96%抑制でき、収穫物の品質向上と廃棄ロスの削減に貢献するという。
4. 高い汎用性による導入障壁の低減
機体の共通化を図り、故障率の低減や、ピーマンやキュウリなど様々な作物に対応できる汎用性の高い設計へ変更。また、収穫範囲は従来機より縦方向に50cm高くなり、より高い位置にある作物の収穫が可能になった。
同社は、「Q」の開発においても生産者の声に耳を傾け、安心安全な協働と持続可能な営農の両立を意識した改良を行ったとのこと。特に夜間稼働と安全性の強化は、生産者の心理的・物理的負担を軽減し、ロボットとの協働を醸成するための重要な機能だという。同社では今後もロボットによる収穫性能の向上だけでなく、データ収集やAI連携といった総合的な性能を向上させていくとしている。




























