日本人特有の咬合や形態に調和したクラウン形状を自動設計、「エミウム クラウドCAD」クローズドβテスト版提供開始
エミウム株式会社は11月7日に、国産AIクラウドCAD「エミウム クラウドCAD」のクローズドβテスト版の提供開始を発表した。同サービスは、日本人の口腔スキャンデータや歯牙形態データをAIが学習し、日本人特有の咬合や形態に調和した自然なクラウン形状を自動で設計するというもの。同社の調べでは、日本人データに基づくAIクラウン自動設計機能を要素技術から自社開発したのは、日本企業として初めてになるという。
同社はこれまで、東京科学大学認定ベンチャー(旧・東京医科歯科大学発ベンチャー)として、大学との共同研究プロジェクトを通じて様々な技術開発を進めてきたという。例えば、歯のセグメンテーション(歯の自動抽出)技術や、人工歯排列・歯肉形成を自動化してデジタルデンチャーの設計・製作を支援する技術などの研究開発を実施。これらの取り組みを通じて、歯科医療・歯科技工業務の効率化とデジタル化(DX)を推進。その中でも注力してきた開発が「AIクラウドCAD」だという。
欧州やアジア諸国ではAI搭載CADの開発が進んでいるものの、それらは主に欧米人の歯列形態データを基に学習されており、日本人の歯牙形態や咬合特性・審美感に適した設計を行うには課題が生じることがあるという。そこで同社では、日本人の口腔データ・歯科技工ビッグデータを含めて約6,000症例のデータをAIに学習させているとのこと。また、国が定める情報セキュリティガイドラインである「3省2ガイドライン」に準拠したセキュリティ環境を構築しているそうだ。
「エミウム クラウドCAD」を活用することで、例えば単冠設計では、咬合バランスやマージン適合を保ちながら、設計時間を従来の10分から約2分へ、80%の時間短縮を実現できるとしている(※症例の難易度によってかかる設計時間は前後する)。
同社では、クローズドβテストについて、実際の業務環境で利用してもらうことで、開発段階では見つからなかった課題や現場ならではのニーズを把握し、サービスの精度と使いやすさを高めていくという。フィードバックをもとに、より実践的で価値あるクラウドCADへと進化させていくとしている。





























