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みやさとけいすけの工具探検隊 第105回

まとわりつくネジが嫌すぎる! 激安消磁器でドライバーの磁力をリセット【レビュー】

2025年11月03日 17時00分更新

文● 宮里圭介 編集●こーのス/ASCII

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●激安品でも消しさることはできる?
1000円の"磁気抜き"を試してみた

 ちゃんとしたメーカーの製品だと1万円前後と結構高価なのですが、1000円ちょっとで買える見た目怪しい製品もあるんですよね。これで本当に消磁できるのか興味があったので、購入して試してみることにしました。

Amazonで1000円ちょっとで購入できるノーブランドの消磁器(退磁器)

●対象の全体をなすりつけて引き離すだけ

 消磁器の原理は、高速に切り替わるS極とN極を対象に当て、磁気を徐々に小さくしていくことで、対象に残存する磁気を限りなくゼロに近づけていくというものです。

 消磁器にあるのは、押しボタンスイッチのみ。このボタンを押している間は極が高速に入れ替わる磁気が発生し、手を離すと止まるというシンプルな作りです。注意したいのは、磁気の発生部に対象を乗せ、スイッチを押して離すだけでは、磁気は消えないこと。これは、消磁器内に徐々に小さくしていく機構がないためです。

磁気が発生している様子を磁界観察シートで確認

磁気発生部に乗せてスイッチを押すだけでは、逆に着磁してしまいます

 ではどうやって徐々に小さくしていくかといえば、これは簡単。スイッチを押したまま対象を引き離していくだけです。発生する磁気を弱くできなければ、距離をとってその影響を弱くすればいいわけですね。距離をとるといっても30cmくらい離せば十分なので、難しくありません。

 ピンセットを例に、実際に消磁してみましょう。

 まず、ピンセットをマグネタイザーで着磁。がっつり磁気を帯びている様子が、磁界観察シート(関連記事「私にも磁界が見える…!iPadの磁界を可視化してみた【実験】」)からもわかります。

ピンセットの形に黒い影が。かなり磁気を帯びています

当然、近づけると、スチールの釘なんかがくっつきます

 消磁器のスイッチを押しながら、ピンセットの裏表、上下もすべて磁気発生部になすりつけるように動かしてから、引き離します。なお、この引き離している間も、消磁器のスイッチは押したまま。十分引き離したら(今回は50cmくらい)、スイッチから手を放します。

ピンセット全体をなすりつけてから、引き離します

 これで消磁は完了。どのくらい磁気が消えているのか、先ほどと同じように磁界観察シートと釘で確認してみましょう。

ピンセットの影がまったく出ず、磁気がかなり弱まっています

 切符の裏や、通帳の磁気テープ部にすら反応する磁界観察シートが反応できないほど、磁気が弱まっています。当然ですが、釘が持ち上がらないどころか、引きずることすらできなくなっていました。

 完全な消磁というのはできないため、方位磁石を近づけるとわずかに針が動いてしまうこともありますが、その動きもほんのわずか。周囲への影響はほぼないといっていいでしょう。期待通りの効果が得られました。

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