PC版ならではの要素にも直撃!

「ニンジャガイデン」の新たな原体験となる――『ニンジャガイデン4』開発者インタビュー

文●ミヤザキ/ASCII

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 マイクロソフトから10月21日にPlayStation 5/Xbox Series X|S/PC(Steam/Xbox on PC)/Xbox ROG Ally/Xbox Cloud向けに発売されたコーエーテクモゲームスのTeam NINJAの人気アクションシリーズ「ニンジャガイデン」の最新作『NINJA GAIDEN 4』(以下、ニンジャガイデン4)。

 今回、Team NINJAのディレクターである平山正和氏と、開発を担当したプラチナゲームズのプロデューサー兼ディレクターである中尾祐治氏にインタビューを敢行。ゲームのポイントなどさまざまなお話を聴くことができたので、ぜひともチェックしてほしい。

▼ローンチトレーラー

――本作を制作することになった経緯を教えてください。

平山正和氏(以下、敬称略):弊社の社長である鯉沼(鯉沼久史氏)とプラチナゲームズさんの社長である稲葉淳志さんが同世代ということもあって、関係性が昔からありまして。両社で何か一緒に作れないかということになりまして、それをきっかけにして生まれたタイトルになります。

 その上で、マイクロソフト社の後押しをいただけることになり、タッグを組んでやりましょうとなったのが簡単な経緯となります。

――『4』を作るにあたってとくに気を使ったポイントなどを教えてください。

中尾祐治氏(以下、敬称略):十数年ぶりの新作タイトルではありますが、これまでのユーザーの方々もですし、新しいユーザーの方々に向けて、「ニンジャガイデン」のプリミティブな原体験みたいなものを変えずに体験していただきたいというところでした。そこに関してはTeam NINJAさんとも最初から同じ意識で開発を行っていきました。

 「ニンジャガイデン」の原体験というのは、グリップ感みたいなところであったり、繊細なアクションのタッチですね。ここを非常に大事にしていくとともに、ハードでクールな超忍(過酷な戦闘経験を通して体得した武力、胆力は常人がおよばない域に達した忍のこと)が苛烈な状況を潜り抜けるといったテーマ性など、あらゆる部分で「ニンジャガイデン」らしさを出すことに全力を注ぎました。

――「ニンジャガイデン」シリーズというと、高難易度のアクションという印象があると思うのですが、新しいユーザーにも入りやすくするような施策は行っているのでしょうか?

平山:ナンバリングとしても十数年ぶりということもありまして、従来のファンの皆様にもちろん楽しんでいただきたいですし、多くのアクションゲームファンに触っていただきたいと我々思っております。そこに関してもいろいろ改良と言いますか、力を入れました。

 具体的には、本作は難易度選択ができるんですけど、そのうちの「ヒーローモード」という難易度がありまして。そちらですとダメージなどのパラメーターの調整だけではなく、オート回避システムやオートガードシステムといったものでアクションをサポートするシステムを実装しています。

 ただこれはヒーローモード中で固定されるわけではなく、オプション設定でユーザーがオン/オフを切り替えることができるようにしています。ユーザーの皆さんがゲームに慣れてきて、そろそろ自分でガードできるのではないかとかいったタイミングになったら、そのオートシステムをオフするなど、一歩一歩ステップアップできるようにしてます。

 また、難易度はゲーム中にいつでも変更できるので、アクションの成長にあわせて、プレイヤーにとって一番程よいと言いますか、歯応えを感じていただける難易度を選んでいただきたいですね。難しいゲームという印象を持たれている方もいるかもしれないですが、初めて触る方もぜひ遊んでいただきたいと思っております。

――アクションであったり、本作でとくに注目してほしいポイントを教えてください。

中尾:これまでの「ニンジャガイデン」シリーズで味わえるプリミティブな体験、手触り感だけではなく、代表的なもので言うと飛燕(相手に空中から突進して首を切る技)といったテクニック類が、従来どおり使えるのが大きなところです。

 それに次いで、今回はこれまでのアクションに親和性が高くなるように鵺の型という新しいシステムを入れています。これは戦闘中に自由に武器を切り替えて、これまで以上にダイナミックに繰り出せるという新システムになっていまして、ここが『4』でとくに新しくなったところだと思います。

――新たな主人公に「ヤクモ」がいるのですが、前作主人公の「リュウ・ハヤブサ」も使うことはできるのでしょうか?

中尾:はい。リュウ・ハヤブサも使うことができます。2つありまして、1つはストーリー上でヤクモを使うパートと、リュウを使うパートがあって、それぞれで物語が展開します。また、ゲームクリア後にはやり込み向けのモードがオープンし、そこでは両キャラクターを自由に扱うことができます。

 ストーリーもクリア後には自由にステージを選択してプレイできるのですが、その際にヤクモのステージをリュウでプレイできたり、その逆でリュウのステージをヤクモで遊べたりします。

――ヤクモとリュウでアクションは違ったりするのでしょうか?

中尾:今回、ヤクモとリュウは、キャラクター性も含めて対比しています。それぞれのテーマとして、ヤクモはスマート、そして、リュウはパワフルといったように、それぞれ基本となるアクションにそのテーマ性を落とし込んで作っています。ですので、使用する技などに違いがあります。

 加えてヤクモは鵺の型を使えますが、リュウは同じ操作で戦禍状態という、これも過去作を踏襲してブラッシュアップした新しいアクションを使えるようにしています。その戦禍状態になって周囲の敵をスバスバスバッと切り裂く技が使えたり、これまでリュウが使用していた忍法を今回はリアルタイムに切り替えられるようにしていたりと、これまでとはまた違った遊び心地になるようにしています。

――アスキー読者はPCユーザーが多いんですが、PC版の特徴などありましたら教えてください。

中尾:昨今のPCゲームではグラフィックなどで細かい設定ができるゲームが多いですが、この『ニンジャガイデン 4』でもそういったところは整えています。グラフィックに関する細やかな設定、それからプリセットによる設定などはPC版ではコンシューマー版よりも細かくできるように設計しています。

平山:直近ですとROG Xbox Allyが発売されましたが、ああいった携帯型のゲーミングPCにも対応させていただいているので、パワータイプのPCだけでなくても本作を遊ぶことができます。ぜひお好みのハードで遊んでいただきたいなと思います。

 あと、今回はXbox anywareという、いろいろなハードに乗り換えてプレイできる機能にも対応しています。外ではXbox Allyで遊んで、ゆっくり遊びたい時は家のPCで遊ぶなど、いろいろな遊び方もできます。

――マルチプレイモードなどはあったりするのでしょうか?

中尾:マルチプレイなどはできませんが、オンラインランキング機能が各モード、各ステージに登録できるようになっています。コアなゲームファンの方向けに、スコアアタック的なリプレイ性は確保しております。

――現在、DLCで2026年配信予定の「二人の超忍」が決まっていますが、ほかにもDLCで新たなモードの追加などの予定はありますか?

平山:追加DLCでお伝えできる情報としては、リュウ、そしてヤクモに新しい武器種を追加してアクションの部分にも新しい体験をお届けできればなと思っているのと、あとは本編をクリアした方に向けて新しいストーリーを追加させていただくといったところ、それとは別に新規のエンドコンテンツとしてのやり込み要素、モードといったところを現在計画しています。本作を長く遊んでいただけるように頑張って作っていきたいと思っています。

――最後に、ユーザーの皆さんに本作のアピールポイントやメッセージをお願いします。

中尾:あらためて強くお伝えしておきたいのが、本作は我々プラチナゲームズが開発している形を取らせていただいていますが、根っこにあるところは間違いなく「ニンジャガイデン」だということですね。とくに、これまでのシリーズのアクション――すごく細かいディープなところで言うとキャンセルの話だとか、そういったマニアックなところも含めても、あと全体的な世界観などのトータルなパッケージなところも含めて「ニンジャガイデン」としての体験をしっかり楽しめるようにしています。

 これに関しては既存のファンの皆さんにお応えする形にしたかったというのはもちろんですけれども、「ニンジャガイデン」の原体験というところをこれから遊んでいただく新しいユーザーの方にも届けたいという思いもありました。

 今回はシステムの大幅な改変をせずに、基本に忠実に従いながら新要素を足してブラッシュアップして作っていきました。そう言った部分は手にとっていただくと感じることができると思いますし、先ほどお伝えした鵺の型といった新アクションも含めて、噛めば噛むほど味が出るゲームになっています。ぜひハイスピードで苛烈なアクションを楽しんでいただければと思います。

平山:新主人公のヤクモは、今までのリュウとは違う手触りの中でもしっかりと「ニンジャガイデン」らしい攻防であったり、あとは進化という点で、プラチナゲームズさんらしいダイナミックなケレン味といったところをしっかりと取り入れたキャラクターになっているかと思います。新しい超忍として、ぜひ楽しんでいただきたいと思っています。

 あわせて、今回『ニンジャガイデン4』ということでナンバリングで出させていただいておりますが、ヤクモを新主人公にした新しい物語が始まるということで、従来シリーズのストーリーを知らなくても楽しんでいただけるよう想定しています。初めてシリーズを触られる方も、ぜひ本ナンバリングから遊んでいただきたいと思います。

【ゲーム情報】

タイトル:ニンジャガイデン4
ジャンル:ハイスピード忍者アクション
販売:Microsoft
開発:コーエーテクモゲームス(Team NINJA)/プラチナゲームズ
プラットフォーム:PlayStation 5/Xbox Series X|S/PC(Steam/Xbox on PC)/Xbox ROG Ally/Xbox Cloud
発売日:発売中(2025年10月21日)
価格:
 通常版:8900円(パッケージ版/ダウンロード版)
 デラックスエディション:1万900円(ダウンロード版)
CERO:Z(18歳以上対象)