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免許も車も不要。キーホルダーを差すだけでEV充電器を一発チェック

CEATEC 2025で見つけたEVインフラ支援ツール

EV充電インフラ、面倒な動作確認の壁

 EVが普及する一方で、充電インフラの整備はまだまだ課題が多い。特に面倒なのが「設置時やメンテナンスの動作確認」だ。これまでは実際にEV車を持ち込んで充電させるしか方法がなく、車を借りたり移動させたりと手間がかかっていた。

USBメモリ感覚で差すだけの「C-stick」

 この非効率を解消しようと登場したのが、CG-PF株式会社の「C-stick」だ。見た目はUSBメモリーのようなキーホルダー型で、EV充電器のコネクターに差し込むだけ。内部にリレーとマイコンを備え、車と接続している状態を疑似的に作り出し、通電の流れを簡単に確認できるのがポイントだ。

充電器に「C-stick」を差し込む

 「普通充電器は規格が統一されているので、チェックも本来シンプルにできるはずなんです」と語るのは同社代表取締役の舩橋達治氏。大手電気設備メーカーの日東工業でEV充電器の開発に携わっていた経験を持ち、3年前に独立して起業した。大手メーカーでは小型化やニッチなツール開発が難しいため、自ら会社を立ち上げて形にしたという。

LEDの点灯で充電器の状態を確認できる

インフラ普及を後押しする「DXLayout」

 すでに一部のEVベンチャーには先行導入されており、現場の保守担当者や管理者からは「車や免許がなくても確認できる」と好評だそう。

 さらに同社は、充電器やブレーカーなどのアイコンをGoogle Map上の駐車場に並べるだけで、EV充電設備の明細や概算費用を算出できるサービス「DXLayout」も開発している。補助金制度が整っている現状では費用のオープン化に積極的な事業者はまだ少ないそうだが、今後インフラが本格的に拡大していくなかで、こうした仕組みが導入されれば普及の後押しになるかもしれない。