飯テロの次元が違う。画面越しに香りを放つ「アロマシューター」
CEATEC 2025で見つけた“匂いを飛ばす”未来のプロモーションツール
香りが飛んでくるディスプレー?
CEATEC2025の会場で、「香り日本旅行、体験してみませんか?」と声をかけられた。全国の観光地映像を眺めていたら、ディスプレーの上にあるウェブカメラのような機器からぷしゅーっと香りが噴射されてびっくり。香りを発射するマシン「アロマシューター」の展示だった。開発したのは、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)発のスタートアップ、株式会社アロマジョインだ。
映像や音とシンクロして、ユーザーの鼻めがけて香りを噴射する仕組み。例えば、うどんのCMにあわせて「かつお出汁」の香り、カフェの映像に「コーヒー」の香りをのせるといった具合。ラーメンのCMを見て「食べたい!」と思うあの感じに、匂いまで重なったら訴求効果はてきめんだ。
香りを操る三位一体の技術力
同社が強みとするのは、①6種類の香りを切り替えられるシューター本体、②動画と連動して香りを制御するソフトウェア、③専用のアロマカートリッジ――この3つを統合している点だ。これによって「映像+音+香り」という新しい体験をつくり出せる。
さらに、サラウンドスピーカーのようにシューターを5基ずつ重ね、ディスプレー左右に設置する「Aroma Speaker60」も開発。最大60種類の香りを自在に切り替えられる。まさに「香りのスピーカー」だ。
観光から化粧品まで。広がるアロマ活用
活用シーンは幅広い。街頭のデジタルサイネージ広告はもちろん、自動運転車で通り沿いの店の広告を映像と香りで流す、といったモビリティ体験も想定しているという。
さらに、シューターにカメラを内蔵し、ユーザーがタブレットの画面をタッチして商品の香りサンプルを体験。そのときの表情から「個人の好み」や「売れ筋」を分析するシステムも開発し、すでに海外の化粧品メーカーなどに導入されているそうだ。



























