「泳いでる?溺れてる?」を判定するRFIDタグ付き水泳帽
CEATEC 2025で見つけた、カメラを使わない溺水検知システム
水難事故は実はプールでも起きている
水難事故といえば「川や海」のイメージが強いが、実は学校の授業やスイミングスクールでの事故も毎年起きている。子どもたちはまだ泳ぎに慣れていないため、足がつく浅い場所でも体調を崩したり、壁にぶつかったりして溺れてしまうことがあるのだ。
しかも大人数レッスンでは監視員の目も追いつかない。本来なら監視カメラが役立つが、盗撮事件をきっかけに設置禁止になる流れもあり、現場は悩ましい状況だ。
そんな課題に挑むのが、富士ゼロックス出身のエンジニアが2024年に立ち上げた株式会社プライムセンスの「Meel」である。
RFIDタグでリアルタイムに異常を検知
展示されていた水泳帽には、ユニクロの商品タグにも使われるRFIDが取り付けられており、リアルタイムでモニタリングする。もし不自然な挙動があれば、即座に監視員へ通知する。カメラを使わないため「画像流出の心配ゼロ」というのも安心ポイントだ。
ただし最大の課題は「正常な泳ぎ」と「溺れ」をどう区別するか。動きの差は微妙で、人間の目でも判別が難しい。そこで同社は千葉大学と共同研究を進め、溺水特有の動作パターンを解析し、精度を高めているとのこと。来シーズンには実装を目指しており、RFID付きスイムキャップが学校指定になる日も近そうだ。


























