「社内で使っているSaaSを生成AIで作れたので、元のSaaSは解約した」。先日インタビューしたソラコム社長の玉川憲氏から聞いた話だ(関連記事:AIは、これから現実のモノと結びついていく──IoTの次は「リアルワールドAIプラットフォーム」)。ソラコム社内では30~40近くのSaaSを利用しているが、使っている機能が少ないSaaSは費用対効果がよくない。そのため、社内の生成AIハッカソンで必要な機能を実装してみたら、1日で専用SaaSができてしまった。元のSaaSは解約され、玉川氏がその日作ったSaaSは情シスメンバーに引き渡され、社内で運用されているという。
エンジニア比率の高いソラコムだが、創業当時からSaaSはかなり活用してきたという。「昔は『車輪の再開発』はやめようと言っていた。だから、ありもののSaaSを使ってきたが、生成AIでアプリが簡単に作れるようになって、状況が変わってきた」と玉川氏は語る。そもそも作るのが簡単なのであれば、現場のニーズに合わせて作るのもありというわけだ。
「SaaS is dead」というフレーズがささやかれて久しいが、SaaSはこうして生成AIに食われていくのかとちょっと納得した。「数十ある機能でも使っているのは数個だけ。だったら自社にあったアプリを生成AIで作った方が割がいい」。こう考えるユーザー企業が増えてもおかしくない。Deadになるかはわからないが、足切りされるSaaSが増えていくのは間違いない。
文:大谷イビサ
ASCII.jpのクラウド・IT担当で、TECH.ASCII.jpの編集長。「インターネットASCII」や「アスキーNT」「NETWORK magazine」などの編集を担当し、2011年から現職。「ITだってエンタテインメント」をキーワードに、楽しく、ユーザー目線に立った情報発信を心がけている。2017年からは「ASCII TeamLeaders」を立ち上げ、SaaSの活用と働き方の理想像を追い続けている。

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