「ストリートファイターリーグ」と「カプコンカップ」の決勝が対象
「高すぎる」「ちゃんと収益化すべき」……「スト6」世界大会の有料配信、価格で賛否両論
9月25日〜28日、千葉・幕張メッセで開催された東京ゲームショウ2025。カプコンブースでは、同社の人気タイトルである「ストリートファイター6」のイベントが多数開催されました。
その中で、現在開催中の国内プロリーグ「ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2025」のプレーオフ〜グランドファイナル、「ストリートファイターリーグ: ワールドチャンピオンシップ 2025」決勝、公式世界大会「カプコンカップ 12」のTOP16〜決勝のライブ視聴が有料となることが発表され、話題となっています。
各チケットの情報はこちら!
— CAPCOM eSports (@CAPCOM_eSports) September 28, 2025
SFL: Pro-JP 2025 プレイオフ
SFL: Pro-JP 2025 グランドファイナルhttps://t.co/X4V8ZWsFKO
CAPCOM CUP 12
SFL: ワールドチャンピオンシップ 2025https://t.co/pgk0gs4dz8 pic.twitter.com/0q6Ajy8NYx
この発表が話題になっている理由として、二つの要因が考えられます。
一つは、カプコンカップの配信が有料のペイパービュー(PPV)になるのは初めてということ。つまり、以前は無料で見られたものが有料になったことに対する戸惑いの声があがっているのですね。
以前もストリートファイターリーグ: Pro-JPのプレイオフやグランドファイナルなどは有料でしたが、これは概ね日本のプレイヤーを対象にしたイベント。しかし今回は、全世界が関わる大会の決勝のライブ視聴が有料になったというわけです。
もう一つは、価格設定。料金形態が細かく分かれているものの、ストリートファイターリーグ: Pro-JPのプレーオフ〜グランドファイナル、ストリートファイターリーグ ワールドチャンピオンシップ 2025の決勝、カプコンカップ 12のTOP16〜決勝のすべての配信を見るには、最低でも1万2000円かかります(手数料は別)。これに「高すぎる」という声があります。
2日間にわたるプレーオフの単日チケットやカプコンカップ12のみのチケットなど多岐にわたりますが、ざっくりいえば1万2000円で3大会の決勝がすべて見られます
とくに価格面では否定的な声が多く、公式Xアカウントの投稿には「なぜ有料なのか」「チケット代が高額だ」という返信や引用が目立ちます。
The countdown begins. Tickets for #CAPCOMCUP12 drop soon on Oct. 10!
— Capcom Fighters (@CapcomFighters) September 28, 2025
Starting this season, CAPCOM CUP 12 Finals (Mar.14) and SFL: World Championship (Mar. 15) will stream live via Pay-per-view. Free replays will drop Mar. 21 (CC12) & Mar. 22 (SFL:WC). *Pay-per-view tickets will… pic.twitter.com/CrPI1EzXSq
世界的な大会のため、地域によってもペイパービューに対しての認識が異なる面もあります。ドミニカ共和国のプレイヤー、MenaRD氏は「私の地域を含む多くの地域では、このゲームをプレイする余裕すらほとんどない。ストリートファイターの頂点を楽しむ機会を阻まれるべきではない」とコメントしています。
納得しがたいです
— WBG MenaRD🇩🇴 (@_MenaRD__) September 28, 2025
日本ではこれが普通だと理解していますし、ありがたいことにコミュニティはまだこの方法で支え合えています。
しかし、私の地域を含む多くの地域では、このゲームをプレイする余裕すらほとんどない。ストリートファイターの頂点を楽しむ機会を阻まれるべきではない。… https://t.co/DAVzvxvUWu
なお、今回話題となっている大会については、後日、どの試合も無料配信されることも発表されています。リアルタイムでなければ、無料で観戦することは可能です。
今回の決定について、ネット上では「ちゃんと収益化して、一過性のブームじゃなくて関わっている方々全体が盛り上がれるコンテンツになってほしい」という声や、「まだ早い気はする、興行にしたいのはわかるがスポンサー収入を増やすことを先にしてほしい」という慎重論もありました。
格闘ゲームの大会では、YouTubeやTwitchといったプラットフォームでの無料配信の文化が根強くあります。よって、以前は無料で見られていたものが有料になったとあれば、価格設定によっては反発があるのも無理からぬところ。
公式プロツアーの制度を整え、eスポーツとしてビジネスを進めていくのであれば、スポンサーから協賛を得ての無料配信から、ファン(観客)が直接収益を支える興行モデルに進めたいという考えも理解できます。
ただ、無料がある種の“当たり前”だったところへ有料のペイパービューを持ち込もうとする場合、「有料でもリアルタイムで観戦したい」と思わせる価値が必要になってきます。この価格でも、払う価値がある。そう納得できる内容をファンに用意する必要があるでしょう。
賞金額やプレイヤー数、大会の規模からいっても、eスポーツ文化の牽引役と呼べるほどの人気をほこるストリートファイター6。これからも継続的な大会開催やプロ制度の強化を考えるなら、収益モデルの多様化は一つの課題となります。
格闘ゲームファン、eスポーツファンの支持を得るために、今回のペイパービュー化がどのように受け入れられていくのか、注視していきたいところです。
