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連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第199回

市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 8月30日~9月5日

5年後にはデジタル人材の15%がフリーランスに/45歳以上のミドル・シニア人材採用に変化/生成AI悪用の迷惑メールの害、ほか

2025年09月08日 08時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 本連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」では、過去1週間に調査会社などから発表されたIT市場予測やユーザー動向などのデータを、それぞれ3行にまとめてお伝えします。

 今回(2025年8月30日~9月5日)は、生成AIモバイルアプリの利用が急加速、拡大し続ける国内のITフリーランス市場、生成AIを悪用した迷惑メールの被害実態、45歳~50代のミドル・シニア人材を採用する企業の考えや今後の意向、についてのデータを紹介します。

[アプリ][生成AI] Androidの生成AIアプリ、1年前と比べて利用時間は「23倍」に急成長(フラー、9月3日)
・Androidの生成AIアプリ市場、2025年6月の平均利用時間は「1年前の約23倍」
・月間アクティブユーザー数(MAU)も約6倍に増加、2025年2月より上昇傾向が加速
・都市部、地方圏問わず幅広く浸透

 アプリ市場分析サービス「App Aple」のデータ分析に基づくレポート(2025年6月版)より。国内40万台のAndroid端末から収集したサンプルデータで、Google Playの「仕事効率化」カテゴリの主要生成AIアプリの利用状況を分析した。生成AIアプリ全体の月間利用時間は、1年前比で約23倍と急増。特に2025年2月以降で伸びが見られ、4~6月期に急増している。性年代別では、10~30代の男女でいずれも利用率が高い。

 ⇒ 生成AIアプリの急速な浸透ぶりを考えると、大きな驚きはない結果かもしれません。そのぶんほかのアプリの利用時間が削られているのか、iOSのデータも同じ傾向なのか、といったことも知りたいところです。

生成AIアプリの1ヶ月あたりの合算利用時間の推移(出典:フラー)

生成AIアプリ利用者の性年代別の分析(出典:フラー)

[人材][フリーランス][働き方] ITフリーランス市場は過去10年間で1.6倍に成長、活用企業の約8割が満足(エン・ジャパン、9月3日)
・ITフリーランス市場規模、2025年は10年前の約1.6倍、1.2兆円規模と推定
・本人の収入はフリー前から「増加」が約3割、「減少」が約1割
・ITフリーランス活用企業の約8割が「満足」、約6割が「今後活用を増やしたい」

 ITフリーランス515人、ITフリーランス活用企業515社を対象に行った実態調査より。IT人材需要の拡大によって、2025年の国内市場規模は1兆1849億円、2030年には1兆3619億円に達すると予測。また人材数も、2025年は10年前の約1.6倍となる16万1873人に拡大したという。ITフリーランスの職種は「システムエンジニア」(25.2%)、「Webディレクター」(12.4%)が上位。案件獲得手法としては「知人の紹介」(45.6%)がトップで、個人的なネットワークの重要性が浮き彫りに。

 ⇒ 市場は活況と言えますが、AIの台頭によって取り巻く環境に変化が起き、「IT人材の定義が再構築」されていくと指摘しています。高度スキル保有者のフリーランス化が加速し、デジタル人材におけるフリーランス比率が2030年には15%を超えるとの予測も。

ITフリーランス業界の市場規模と人材動向。市場規模と人材数はともに過去15年間増加している(出典:エン・ジャパン)

ITフリーランスの主な職種(出典:エン・ジャパン)

ITフリーランス以前と比較した収入の増減(出典:エン・ジャパン)

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