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連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第197回

IT市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 8月16日~8月22日

IT技術者の7割が「AI時代でもプログラミングスキルは必要」 学習意欲も向上/「任天堂」がデジタル顧客サポート評価で連続1位、ほか

2025年08月25日 08時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 本連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」では、過去1週間に調査会社などから発表されたIT市場予測やユーザー動向などのデータを、それぞれ3行にまとめてお伝えします。

 今回(2025年8月16日~8月22日)は、急成長する国内AIエージェント基盤市場、ITエンジニアのAIに対する意識、国内企業/サービスの顧客サポート評価ランキング、国内SD-WAN市場が成長する背景、日本の“未来の働き方と人材”を表すハイプサイクル、についてのデータを紹介します。

[AI][AIエージェント] 国内AIエージェント基盤市場は前年比「8倍」の急成長(アイ・ティ・アール、8月21日)
・2024年度のAIエージェント基盤市場は、前年度比で8倍の1億6000万円
・導入拡大の背景は、複雑かつ幅広い業務プロセスの「自動化」への期待
・2025年度も高成長を継続、2024~2029年度の年平均成長率は140%超

 国内AIエージェント基盤市場の市場規模予測より。2024年度は1億6000万円、これは前年度の8倍という大きな伸びとなった。2025年度も同等の伸びを維持すると見込まれており、ベンダーの参入や製品/サービス提供も加速している。企業のAIエージェント基盤導入はまだ初期段階であり、多くが試験的利用にとどまっているが、生成AI技術の急速な進化も追い風となり、複雑かつ広範な業務プロセス自動化の手段として期待が高まっているという。

 ⇒ 生成AI/AIエージェント周辺の動きは、まさに日進月歩。あっという間に本格導入フェーズへと進みつつあります。ITRのアナリストは「ユーザー企業は各社の製品・サービス戦略を注視し、将来を見据えた評価・検討を開始すべき時期に差し掛かっている」と指摘しています。

AIエージェント基盤市場規模推移および予測 2023~2029年度(出典:ITR)

[エンジニア][生成AI] ITエンジニアの7割超が「AI時代でもプログラミングスキルが必要」、学習意欲も向上(paiza、8月21日)
・ITエンジニアの4人に3人が「生成AI時代でもプログラミングスキルは必要」
・9割超が「コンピュータサイエンスの基礎など本質的な知識は重要」と強く認識
・生成AI登場で学習意欲が「向上した」エンジニアが6割超、脅威ではなく「成長の触媒」に

 ITエンジニア向け転職・就職・学習サービスのpaizaの登録者を対象とした意識調査より。「生成AIの登場により、プログラミングスキルは不要になったと思うか」という質問に対して、74.1%が「思わない」と回答。さらに94.2%が、コンピューターサイエンスの基礎やソフトウェア工学の原理といった「普遍的/本質的な知識の重要性」を強く認識していることが分かった。生成AIの登場によって学習意欲が「向上した」回答者が64.4%を占め、「低下した」(5.5%)を大きく上回る。学習意欲が向上した理由については「新しい技術や分野に挑戦しやすくなった」(75.8%)が最多だった。

 ⇒ ITエンジニアは、生成AIを「脅威」ではなく「成長を促す存在」として捉えているという結果を導き出しています。なおこの調査では、現役エンジニアの半数近くが、社会人になってからプログラミング学習を開始していることも明らかにしています。何よりも大切なのは“成長する意欲”ということでしょうか。

生成AI登場でプログラミングスキルが「不要になったとは思わない」がおよそ4人に3人を占めた(出典:paiza)

生成AIの時代でも、普遍的/本質的知識は重要と考える人は9割以上(出典:paiza)

生成AIの登場で、6割超が「スキルアップや学習の意欲が高まった」と回答(出典:paiza)

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