世界最先端のテクノロジー情報をお届けするグローバルメディア「MITテクノロジーレビュー」から、ビジネスに役立つ注目のテック企業の最新動向、イノベーションにつながる最新の研究内容をピックアップして紹介します。
「逆さま揚水発電」で長期蓄電、米スタートアップが実証
米国の新興企業であるクイドネットは、地下に加圧水を蓄えることで、エネルギーを数カ月間貯蔵できることを示した。エネルギー変換効率はリチウムイオン電池に劣るが、コスト競争力を持てれば送電網向けの有用な電力貯蔵手段になる可能性がある。
バイブコーディングの衝撃——AI駆動開発が迫るIT業界の大転換
音声や簡単なテキスト指示だけでAIがソフトウェアを自動生成する「バイブコーディング」が、プログラミングの常識を覆そうとしている。すでにAIが生成するコードの比率が9割を超える企業も現れ、エンジニアの役割は「実装者」から「監督者」へと急速に変わりつつある。この変化は単なる開発手法の進歩なのか。それともIT産業全体を根底から変える大転換の始まりなのか。
ミリ波で地下20キロへ、 「掘削の再発明」で挑む 米スタートアップの地熱革命
従来のドリルで岩を削る代わりに、ミリ波エネルギーで溶かして掘り進む——。米スタートアップのクエイズ(Quaise)が挑む「掘削の再発明」は、地下20キロの超高温地熱を世界中で利用可能にする壮大な構想だ。
オープンAI「2人の頭脳」 独占インタビューで語った AGI実現への道筋
サム・アルトマンCEOの華々しい活動の陰で、オープンAI(OpenAI)のイノベーションを実際に牽引しているのは誰なのか。最高研究責任者マーク・チェンと主任科学者ヤクブ・パチョッキ——この2人が同社の研究戦略を決定し、AGI実現への道筋を描いている。本誌の独占インタビューで、そのすべてを語った。
AIエージェントがまだ 「使えない」理由—— プロトコル標準化が握る鍵
アンソロピックやグーグルなどの企業は、AIエージェントが他のプログラムやエージェントと連携するためのより良い方法の開発に取り組んでいる。しかし、やるべきことはまだまだある。ここでは3つの主な課題について説明しよう。
オープンAI、GPT-5をリリース 推論モデルを統合
かねてから注目されていたオープンAIの新しい大規模言語モデル「GPT-5」がついにリリースされた。サム・アルトマンCEOは「AGIへの重要な一歩」と胸を張るが、実際にはユーザー体験のいくつかの改善にとどまっている。
毒をもって毒を制す? LLMの有害行動を防ぐ意外な新手法
大規模言語モデル(LLM)は時に、悪意のある返答を返すことがある。アンソロピック(Anthropic)が発見したのは「毒をもって毒を制す」手法だった。訓練中に悪意や追従性を意図的に活性化させることで、逆にモデルがそれらの特性を獲得するのを阻止できるという。
オープンAI、6年ぶりのオープンモデル「gpt-oss」を公開
オープンAIがようやくオープンに?——同社としておよそ6年ぶりとなるオープンウェイト・モデル「gpt-oss」をリリースした。オープンモデルで中国企業が席巻する中、重い腰を上げた格好だ。

この連載の記事
-
第359回
ビジネス
自宅に亀裂も、衛星データで永久凍土解析/中国発AIエージェント「Manus」開発者の素顔 -
第357回
ビジネス
新抽出技術でリチウム採掘の「つるはし」目指す/家もトラクターも自分で作る「文明のDIYキット」 -
第355回
ビジネス
世界最大の蓄熱電池が稼働/オープンAI「Atlas」が残念な理由 -
第354回
ビジネス
粘菌の「超能力」で都市インフラを設計/ニューラリンク元社長、「人工視覚」実用化 -
第353回
ビジネス
チャットGPTに深刻なカースト差別/ビル・ゲイツが気候に投資し続ける理由 -
第352回
ビジネス
ウィキペディアにAI汚染の波/MITTRが注目する世界の気候テック企業10社 -
第351回
ビジネス
チャットGPTといつの間にか親密関係に/なぜ「核融合」に資金が集まるのか -
第350回
ビジネス
米核融合ベンチャーが10億ドル契約/CDC元所長「1カ月電撃解任」の舞台裏 -
第349回
ビジネス
AIは動画をどう作れるようになったのか?/ゲノム生成時代の幕開け -
第348回
ビジネス
大企業が巨額を投資する「疑惑の森」の正体/進化した最新AIクローン技術 -
第347回
ビジネス
日本発・伝説のロボット玩具/インド「トリウムの夢」は花開くか - この連載の一覧へ








