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FRONTEO、AI創薬支援サービス「DDAIF」を活用してすい臓がん新規標的分子候補を抽出、細胞増殖抑制に対する効果を確認

 株式会社FRONTEOは、AI創薬支援サービス「Drug Discovery AI Factory(以下、DDAIF)」を活用したすい臓がんの創薬標的分子候補の抽出、およびin vitro(試験管)にてがん細胞の増殖抑制試験を行い、一定の効果が確認されたと7月23日に発表した。同実験は、文献に記載のない標的分子と疾患の関連性を抽出する「DDAIF」の有効性を証明することを目的に、同社が主体となって実施したという。

 この実験では「DDAIF」を活用し、2日で約2万個のヒトの全遺伝子の中から、標的分子候補17遺伝子の抽出に成功したという。また、抽出した17遺伝子について、すい臓がん細胞株で細胞増殖への影響を調べたところ、このうち6遺伝子で、働きを抑制する試験を実施した場合と何もしなかった場合とを比べて約4~6割のがん細胞の増殖抑制が確認されたとのこと。

 加えて、これらの17遺伝子の中で、実験においてすい臓がん細胞の増殖抑制が確認された6遺伝子のうちの4遺伝子はすい臓がんとの関連性を報告した論文が存在せず、残りの2遺伝子は論文での報告が1報のみ(2025年4月19日現在)という、新規性の高い標的分子候補だったという。

 同社によると、従来の標的探索は、文献を精査して有望な標的候補を見いだすというアプローチで実施されており、文献に記載のない新規性の高い標的分子を見出すことは、時間をかけても非常に困難であったという。今回の検証結果について同社では、自社開発のAI「KIBIT」が未知の創薬標的分子と疾患の関連性を既知の文献から発見可能であることを証明するとともに、短期間で標的分子候補を抽出できる技術は創薬において重要な「標的探索」を加速すると考えられる、としている。

 FRONTEOは、すい臓がんをはじめ治療困難な疾患対応への新たなアプローチとなる「DDAIF」のさらなる推進と社会実装を加速していくとしている。

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