出会いと成長の場を目指すイノベーション創出拠点「渋沢MIX」がオープン

　埼玉県はスタートアップ、起業家と企業の交流、マッチングを通じてイノベーションを創出する新たな拠点「渋沢MIX」を2025年7月25日、さいたま新都心に開設した。さいたま新都心駅のコンコースから30秒という直結の好立地にコワーキングスペース、イベントスペース、ラウンジ、個別ブースなどを備える。

　25日には県内外の関係者を招きオープニングセレモニーを開催し、大野元裕埼玉県知事も登壇した。施設の名称に「渋沢」を冠したのは、埼玉県深谷市出身で日本経済の礎を築いた渋沢栄一翁の偉業のひとつが、まさに適切な人々を結びつけることで大きな発展を成し遂げたことにある、という点に基づいている。渋沢MIXは企業を成長に導き、人と人が出会い、新たなイノベーションが創出される場となることを目指す。

埼玉県知事 大野元裕氏

　渋沢MIXでは、「オープンイノベーションの創出・促進」、「スタートアップの創出・成長支援」、「イノベーションを担う人材の育成」をコンセプトに掲げ、利用者の相談対応やイベントの企画運営を行なうコミュニティマネージャーの設置、企業間や企業と県内外機関との共創を支援する共創コーディネーター、スタートアップへの専門的助言やベンチャーキャピタルへの橋渡しするスタートアップアドバイザーといった専門人材が配置され、利用者同士の出会いや交流、イノベーションの創出や成長を支援する。

　2025年3月にはミライドアとの連携により、埼玉りそな銀行、武蔵野銀行、埼玉県信用保証協会など県内の金融機関が「渋沢MIXイノベーション創出支援ファンド」を立ち上げ、県内に本社または主要拠点を有する企業への投資を予定する。上場だけを目的とするのではなく、新産業の創出や地域経済の活性化に資する企業、そして新しい技術やビジネスモデルによって県内産業の持続的発展や新たな産業イノベーションの創出が期待できる企業への資金提供を掲げる。